2018/09/15
香港も心なしか過ごしやすい季節になってきて、日中でもちょっと外を散歩しようかなと思えるようになってきましたね。 街の喧騒を離れて、海の潮風を感じつつ、ゆっくり時間を過ごしてみたい方にぴったりの場所。今回は香港の東の端に位置する港町、西貢(サイクン)をご紹介したいと思います。
弊誌でも2年ほど前に、西貢を「マイネーバーフッド」でご紹介したことがあります。今回改めて注意して歩いてみて、随分お店が入れ替わっていることに気がつきました。
(弊誌過去号はe-magazine でご覧いただけます)
ここは5年ほど前までは、どちらかというと香港のローカルの港町という印象が強かったのですが、最近では、インター校などが近隣で開校され、西洋人家族が移り住み、お洒落なアーティストが経営するショップや、国際色豊なレストランも軒を連ね、個性豊かな街に変貌を遂げています。特に昔ながらの西貢と、モダンでお洒落な街並みとが入り混じって、小道を歩いているだけでも新鮮な発見があり毎度ワクワクします。
今回はそんな西貢の町を(またもや)ぶらぶらしてみました。
ここはぶらぶらするには、平日がおすすめです。週末や祭日は観光客やらでとても混んでいて、どこの店も人でいっぱい。落ち着いて散策したいなら、地元の人もぶらぶらしている平日をおすすめします。
西貢のショップの朝は香港では例にもれず遅く、11時ごろ。マックやスタバ、茶餐廳(チャーチャンテーン)、ベーカリーに行く以外は、11時ごろを目指していくと良いのではないでしょうか?
西貢に行くには、バスか、タクシー、自家用車で行く方法しかありません。西貢道は1本道なので、もし事故などがあった場合は約束の時間に間に合わないことも。余裕をもって出発することをおすすめします。今回わたしは、坑口(ハンハウ)駅からミニバスの101Mに乗って終点(もしくは終点1つ前でも可)で下車しました。(西貢には香港の色々な場所からミニバスやダブルデッカーバスがあります)
編集部筆者のお気に入り、西貢の過ごし方をご紹介しましょう。
【腹ごしらえ】
海沿いにつらなる新鮮な魚貝類をいただける海鮮料理のレストランは見逃せません。せっかく西貢に来たのだからと、外せない気持ちもわかります。
ただ、たくさんのガイドブックでもすでにご紹介されているので、今回は別の角度からレストランをご紹介しましょう。
実は、香港の中心地から随分遠い印象のある西貢ですが、ここでも世界各国の料理が楽しめます。その中でも気さくに入れて、安くてうまい、私の大好きなカジュアルレストラン&カフェをご紹介しましょう。
1)自家麺 (Home Noodle) (Shop G1, G/F, Ko Shing House, 9 King Man Street, Sai Kung phone: 2515 9995)
麺好きな私としては、絶対におすすめしたいお店です。保存料を使わず、毎日お店でハンドメイドの小麦麺を作っています。香港の米線でよく使われるのと同じスープを取り揃えていて、辛さなども選べます。何と言っても売りは、4種類の麺で、細麺、スパゲッティーのような極太ラフ麺、フラットなミディアム麺、フラットで大きくなったワイド麺の中からえらびます。私はこれまでに2種類の麺をトライしましたが、両方とも個性豊かで甲乙つけがたいおいしい麺でした。
ーフラットなワイド麺
口の中にいれたときの、ツルツルもちもちした食感がたまりません。フラットの部分が大きいので、その分スープをたくさんつけて食べられて、食べごたえがあります。ワンタン麺がもう少し厚くなった感じでしょうか、もちもち感と食べ応えが欲しい方にはおすすめです。
ースパゲッティーのようなラフ麺
お箸で持ち上げて、あまりの太さにひるんだのですが、食べてみるとラーメンでいう「硬」、パスタでいうアルデンテなんです!それでいて、こしこしした歯ごたえが妙にクセになる、こんなにたくさんの麺が食べられるのかと最初不安になったものの、食べ始めるとぺろっと完食してしまいました。
ー4種類のスープ
スープは胡椒、酸辣、麻辣、原味(オリジナル)があります。
わたしは麻辣スープに目がないので、迷わずこちらを!辛さは、5段階表示の下から2番目の小辛を選びました。ここのスープ、コクと花椒のバランスが素晴らしく、味に主張のある、キリッとしたスープ。小辛と言えども、唇がビリビリと痺れる感じがしっかりあって、小にしてはかなり辛い。いつもはもっと辛いレベルを選ぶのですが、ちょうど良い辛さでした。辛さ加減は香港ではほんとうに店によって違うので、初めての場合は少なめを選んで様子を見る方がよいでしょう。そんなわけで、ここの大大辛になったらどんだけ辛いんだろうとちょっと恐ろしくもありー。とにかくこの痺れ感!これぞ、ザ・麻辣スープ。いつもおししいと思って食べている某チェーン店の麻辣の上を行くおいしさ。お店の意気込みとプライド感じました。1度は皆さまにトライしていただきたい、麻辣スープです。
2)地中海料理のZeugma (Shop A, G/F, 74 Fuk Man Road, Sai Kung Phone: 27060622)
自家麺のある福民路(Fuk Man Road)を海側に歩いていくと、バス乗り場に面してスタンドのようなお店があります。ここの地中海料理、香港では珍しく、しかも本格的で新鮮でおいしい。中環でたべる 地中海料理となんら遜色ないおいしさです。欧米人も大好きなお味のようで、いつも賑わっている人気店です。熱々のファラッフェルにヨーグルトソースをかけて食べるサラダは最高です。思わずビールを飲みたくなってしまいました。ただ座って食べる場所が半屋外で、暑い日はちょっと辛い!というのが難点。でもサクッと食べたい人、テイクアウトしたい人にはおすすめです。これからはいい季節になりそうですので、是非立ち寄ってみては?
3)Chip in Fish & Chips (Shop 11, G/F, Ko Shing House, 9 King Man Street, Sai Kung Phone: 9761 5091)
同じ福民路(Fuk Man Road)にある、イギリスのフィッシュ&チップのお店。Chip in Fish & Chipsも、ちょっと小腹が空いた時には良いですね。最近はビールが気軽に飲める場所もありますので、是非テイクアウトして一緒にいただいてみてはいかがでしょうか?
4)the dutch cheese and more (19 Sai Kung Hoi Pong St, Sai Kung, New Territories, Sai Kung phone:2792 1036)
オランダのチーズの専門店 the dutch cheese and more では様々な種類のチーズが楽しめます。なぜここにオランダのチーズ店が?とお聞きすると、西貢は欧米人も多いのでとても需要があるのだとか。
こちらのチーズに合う、ワインやビールも取り揃えていて、店頭の特設バーで、湾を臨みながらハッピーアワーを過ごすこともできます。
▶︎カフェ
西貢は結構な数のカフェがあります。
今回も散策中に、もうすぐオープンしそうなおしゃれなカフェを発見!またまた戻ってくるのが楽しみになりました。
ちょっと裏通りの市場街(See Cheung Street)は、素敵なカフェやかわいいショップが多く立ち並ぶお洒落ストリートです。なんと!ここにあったわたしの大好きだったカフェが無くなっていました。( ̄◇ ̄;) がーん・・・。お店の人に聞いたら、オーナーが変わったとのことで、名を「taps」に改めソフトオープニング中でした。
1)taps ( GF 34 See Cheung Street Sai Kung Phone: 9760 6824)
お店の雰囲気は昔のままでしたが、お店のサイズが半分になっていました。しかしながら、落ちつける雰囲気は健在で多くの西洋人も仕事をしにやってきていました。WiFiも使えるので、使いたい人はパスワードをもらってください。
新オーナーのアイバンさんは、「日本人?」と日本語で話しかけてきました。日本で生活したこともあるそうです。 日本語がとても上手なので是非話しかけてみてください。笑
2) Bei Coffee (G/F., 3 Sai Kung Tai Street, Sai Kung Phone:2791 5278)
たまたま、お出かけ中とののことで、お店が閉まってましたが、Hong Kong LEI がいつも置いてあるお店があります。
日本のコーヒーが好きで、わざわざ焙煎豆を日本から取り寄せているそうです。日本で教わった淹れ方にもこだわりを持っています。実はこのお店、例にもれず、以前ぶらぶら散策していたら、弊誌が店内に飾られてあるのを偶然発見して、お店に入って聞いたら、わざわざ毎号銅鑼湾のそごう旭屋書店まで取りに行っていると教えてもらいました。それで、ものすごく感動して、それ以来弊誌をお送りさせてもらっています。是非西貢にお越しの際はお立ち寄りくださいね。
3) その他、この辺りには可愛いカフェが本当にたくさんあります!以下すべて市場街(See Cheung Street)にあるお店です。
こちらの2件、右の芝太郎(SHIBA TARO)カフェ、ロゴのキャラクターにもなっている丸々太った柴犬が本当に店内に! 左はLET’S JAM 自家製ジャムを作っているカフェ。販売もしています。
ちょっとお洒落なカフェ、BLACK SMITH。コーヒーにはこだわりがありそうな雰囲気でした。
かわいいお店もたくさん!
【香港みやげ(Hong Kong Handmade)】
小道を散策していると、素敵なお店があるではありませんか!
1)Be Candle (GF 8 Wong Street, Sai Kung Phone: 3586 0320)
店頭に飾られたユニークなアロマキャンドルに誘われて中に入ってみると、蒸籠に入った蒸し餃子のキャンドルや腸粉が並んでいました。こちらのオリジナルのアロマオイルはフランスとシンガポールで作られているそうで、店内の工房でブレンドして香港メイドのキャンドルを作っているそうです。
オーナーのザビエルさん。
そして店内で一番面白かったのは、香港の地区をイメージしたアロマオイル。
油麻地のアロマや廟をイメージしたもの。ザビエルさん曰く、「乾物が多い上環をイメージして漢方の香りのようなアロマを作ってみました」う〜ん!面白い!とっても面白くて、さすが香港人。ただ、この香りたち、なんとも形容しがたく。香港人の嗅覚のユニークさを垣間見る面白い実験的アロマのようでした。是非是非話のたねに匂いを嗅ぎに行ってみてください。
またこのお店では週に3回(火、水、木)午後3時から4時半の間、アロマキャンドルを作るクラスを開催、参加費400ドル(2人の場合は760ドル)を払えば自由にいつでも参加できます。ローズベダルをいれたものや、自分でブレンドできたり、すごく楽しそうです。ふとみると、生徒さんが作ったという、寿司やカツ丼なんかのキャンドルが無造作に置かれていました。予約して行くことをおすすめします。
2)Oelili (GF 7 Tak Lung Front Street Sai Kung. Phone: 9864 2252)
なんとも面白い名前の雑貨店。オーナーの若い香港人女性に店名の由来を聞いてみたらヨガをするときにいつも頭に浮かぶサウンドなんだそう。
店内はアーティスティクな雰囲気に包まれていました。すべて手作りで、主に、鞄やバッグを作るオーナーのhebeさんと、ジェエリーを作っているheraさんの姉妹の作品が所狭しと並べられています。
バック制作の工房もお店の奥にあって、制作風景を見学させてもらいました。
「オーダーメイドで作ってくれる?」と聞いたら、
「申し訳ないけど、それはしていないの。自分の好きなものをつくるだけ」と笑顔で返されました。笑。さすがアーティスト!
【買い物】
1) ベーカリー:Mushroom Bakery & Cafe
自家製のパンを焼いてだしていて、バケットや、サワードウなどヨーロッパ人が好きそうなパンもたくさん提供しています。ここのすごいところは、発酵が途中まで終わっているピザの生地や、パン生地が量り売りで買えることです。これを買った時は寄り道しないで家に帰らないと、暑い日などは袋の中で発酵が進み、爆発しているかもしれませんよ!気をつけて。笑 (経験者です)
また、自家製ハムもとってもおいしいので、西貢に来たら是非試してみて!
と、よく見るとなんと2018年9月15日より移転するそうです。
次回は場所がかわっているのですね。ふむふむ。レントの高騰でしょうかー。何としても営業継続してほしい、そんなお店です。
2) 街市
もし今晩のおかずを探しているのでしたら、是非是非時間の早いうちにお立ち寄りください。私がここにくる目的は1つ。「タコ」です。香港ではどこを探してもなかなか見つけられない「タコ」ですが、ここでならあるんです。たまにタコのマリネとかサラダとか煮物など、無性に食べたくなることがあるときは、こちらまで足を運びます。
おーいたいた。元気そうなタコ君。
おばさんにおいくら?と聞いたら、1匹HK$90でした。
タコは今回は街市のなかで、1店舗しか取り扱いがありませんでした。早い者勝ちですねー。
オーガニックの店もよく見かけるようになりました。今回ぶらぶらあるいて3店舗発見しました。
3) Bottle Shop (GF 114 Man Nin Street, Sai Kung. Phone: 2791 1600)
こちらのThe Bottle Shopというお店は、世界各国のビールやワインなど瓶ものを扱うお店です。「香港メイドの地ビールもたくさんあるので試してみてね!」とはマネージャーさん。日本のビールながら、香港で製造しているフクロウがトレードマークの常盤ネストビールや、最近人気急上昇中の香港のgwei-loビールも。リリースされたばかりの缶ビールもありました!二つともフレイバーがクセになる個性的なビールを展開しています。お土産にもなりますね!また400ドル以上購入すると香港内どこでも無料で配達してくれるそうです。
実はこのお店、店頭に座れる場所があって、サクッと冷たいビールを飲めるそうです。喉が乾いて仕方がない時は是非お試しを!
【もうちょっと散策】
1)島巡り
海岸沿いを歩いていると、たくさんの古い漁船のようなのが沢山停泊していますが、これは、西貢周辺の無人島行きや、周遊船の乗り場なのです。
行き先などによって、島への片道は30ドルより〜
海水浴や、キャンプ、または島巡りなどの観光船としても利用されています。
西貢名物、とれたての海鮮と乾物の販売船も。
2)ゴルフ
実は船にのってゴルフができる島に行く、特別なルートもあります。
会員制ですが、大人から、子どもまで、コースによって短期、長期とで金額も違うようです。
この辺りを歩いていると、ゴルフ道具一式をもった人たちで賑わっているのをよく見かけます。
帰りは、海岸沿いバスポートから少し離れた場所に来た時に使った101Mの乗り場はあります。(目印は海岸沿いの公園)
ほとんど、座席がいっぱいになってから出発するので、ミニバスの場合は、始発から乗車した方が良いです。バスポートには各地域へ行くダブルデッカーのバスもあります。
※西貢公共交通手段の一部
1.鑽石山駅、彩虹駅92ダブルデッカー
2.鑽石山駅、彩虹駅96Rダブルデッカー
3.將軍澳坑口駅101M緑色ミニバス。
4.彩虹駅C2出口,1A綠色ニバス。
いかがでしたか?
西貢は訪れる人、1人1人の発見がある楽しい場所です。
是非ゆっくりとぶらぶらしに行ってみましょう。
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