2022/09/01

坪洲島特集「船で30分!魅力発見!ペンチャウ島」からの続きです。

品川一誠さん Issei Shinagawa
1942年、中国吉林省生まれ。3歳で母と福岡に引き揚げ、その後は京都で十数年過ごす。30歳で香港に赴任。当初は香港島に住んでいたが、20年前に坪洲島へ移住。「ナチュラルファーム」を立ち上げ、現在は健康に良いとされる桑の葉茶を作っている。2022年で香港在住50年。


(写真上)坪洲島の自分のファームで生活する品川さん。「唔該、ありがとう」と話しかけながら桑の葉を摘む。ファームの植物はほとんどが自生なので、剪定などの世話をしている。ボランティアグループが九龍から週に2回、ファームの片付けなどのお手伝いに来てくれるほか、友人たちが桑の葉摘み体験をしに来るなど、品川さんの生活はにぎやかだ。

 

――なぜ坪洲島で桑の葉茶を作っているのですか?

品川さん  最初は腐葉土を使って有機野菜を作っていたのですがうまく行かなくて。そんな時に自生している桑の実がなっているのを見つけたんです。幼い頃を思い出しましてね。桑の実ジュースやジャムを作ったら、みんな喜んでくれて。それで桑の葉茶も作るようになったんです。
桑の葉茶は、朝に桑の若葉を摘んだら、2時間洗浄して、フライパンで炒る。その葉を針状や団子状に成形します。友人がくれた果物乾燥機で数時間乾燥させて茶葉は完成です。手作業なので丸一日がかりですよ。

――(品川さんが淹れた桑の葉茶をいただく)さわやかな香りですっきり飲みやすいですね。

品川さん  桑の葉茶を飲むようになって、眼鏡を使わなくなりました。桑の葉の効能としては、去風散熱、潤肺止咳、平肝明目というのがあるそうなんです。皮膚も丈夫になったし、髪の毛もこのとおり(笑)。身をもって良さを知ったから、これはみんなで分かち合いたいと思いました。お隣や手伝いに来てくれるボランティア、桑の葉摘み体験をしたいという方に桑の葉茶を飲んでもらっています。

――品川さんは30歳で香港に来てから、今年で50年なんですね。日本より海外生活が長いというのはどんな感覚ですか?

品川さん  10年前までは機会があれば日本へ行って各地を旅行しました。日本人であることを実感するためでもあったし、自分は日本を知らなすぎると思ったから。最近では日本好きの香港人の方がよっぽど詳しいですからね。でも、香港にいることで視野が広がったことは幸いでした。日本に固執することがないですから。だから客観的に色々見えてきて、日本への感謝がわけば、反対に疑問に思うことも出てきます。香港でわたしの人生のあるべき形を探究することができ、香港がますます好きになりました。

今日みたいに日本語だけのインタビューなんて久しぶりです。母国語が懐かしくもありマドロコシイ(笑)。

――ここでの生活で感じることは?

品川さん  いまハイキングとかバーベキューとか流行っていて、自然を愛したつもりになっているかもしれないけど、大自然に触れるということは、意味が違う。ここにいる陸亀に桑の葉をやる時、亀が葉を引きちぎる力を手で感じたり、土に触れたり、虫に刺されたりする。葉とは、土とは、虫とは何かを、ここにいると身体で感じるんです。
わたしの幼少時代は食べ物がなくて、村のお兄ちゃんお姉ちゃんについて行って山に入り、これは食べられる、これは食べない方がいいと教えてもらいながら野草を食べていた。そういうことを今でも思い出します。幼い頃の体験、経験は大切です。それがあると、ずっと記憶に残っていて、大人になって自然回帰できる。今そんな貴重な体験をできるところが少ないと思います。

――今後の夢は?

品川さん  健康で120歳まで生きるのが僕の目標! あとは、わたしもこの土地にお世話になったから、ここで何かを次の世代につなげていきたいです。若い人にもっと自然体験をしてもらったりね。体験、経験をつなぐ場としてあればいいと思っています。

 

 

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