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2025/03/22

写真提供:HKIFF

香港国際映画祭(HKIFF)がいよいよ4月10日から12日間にわたり開催されます。先日、映画祭のアンバサダーである女優アンジェラ・ユエン(袁澧林)氏、映画祭の「注目の映画人」を務めるルイス・クー(古天楽)氏らを始めとする多くの映画人が集まる中、プログラム発表の記者会見が催されました。

香港国際映画祭では、なんと69の国と地域から195本の作品が上映され、そのうち60本は世界・国際・アジアのプレミアだそうです。映画祭ですから、もちろん映画人達の登壇イベントなどもあり、これは見逃せません!

Hong Kong LEIでは、読者の皆様にテーマに沿って少しだけプログラムのご紹介をさせていただきます。あまりの豪華さに全てをご紹介できないのが残念ですが、詳細はぜひプログラムをご覧くださいね。

「注目の映画人」ルイス・クー氏と映画祭アンバサダーを務める女優アンジェラ・ユエン(袁澧林)氏。写真提供:HKIFF

 

  • 1、出血大サービス級! ルイス・クー出演作品10連発!
  • 2、日本が世界に誇る名女優、安藤サクラ出演の4作品
  • 3、香港で邦画をじっくり味わおう
  • 4、誰よりも早く香港最新作を見よう
  • 5、映画人達の熱い思いを聞いちゃおう

 

1、出血大サービス級!ルイス・クー出演作品10連発!

日本未公開作品を含む、ルイス・クー氏の作品が10本も映画館の大画面で見られるという、なんとも贅沢なプログラム。クー氏曰く「この10作品からわたしが映画界でどのように成長してきたかが見てもらえるでしょう」とのことでした。

そしてなんとクー氏が香港電影金像奨等で最優秀男優賞を受賞した名作『SPL 狼たちの処刑台』上映回には、ご本人登壇イベントがありますので、お見逃しなく!

ウィルソン・イップ(葉偉信)監督『SPL 狼たちの処刑台』写真提供:HKIFF

またこの中には、『エレクション』のジョニー・トー(杜琪峯)監督、『イップ・マン』シリーズのウィルソン・イップ(葉偉信)監督、また『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』のソイ・チェン(鄭保瑞)監督等、香港の名映画監督達の作品もずらり。もう見に行かないわけにはいきませんね!

以下10作品をリストアップしましたので、日程、会場などチェックしてみてください。検索がしやすいように『邦題』(原題・英題)公開年数、監督名で表記、日本未公開で邦題のないものは、(原題・英題)のみとしています。

  • ●(極度重犯・The Suspect)日本未公開 1998 リンゴ・ラム(林嶺東)監督
  • ●『オーバー・サマー 爆裂刑事』(爆裂刑警・Bullets Over Summer )1999 ウィルソン・イップ(葉偉信)監督
  • ●日本未公開作品(豪情・Naked Ambition) 2003 ダンテ・ラム(林超賢)チャン・ヒンカイ(陳慶嘉)監督
  • ●『柔道龍虎房』(柔道龍虎榜・Throw Down) 2004 ジョニー・トー(杜琪峯)監督
  • ●『パパはゴッドファーザー?!』(一個好爸爸・Run Papa Run)2008年 シルビア・チャン(張艾嘉)監督
  • ●『コネクテッド』(保持通話・Connected)2008 ベニー・チャン(陳木勝)監督
  • ●『アクシデント』(意外 ・Accident) 2009 ソイ・チェン(鄭保瑞)監督
  • ●『ドラッグ・ウォー 毒戦』(毒戦・Drug War)2013 ジョニー・トー(杜琪峯)監督
  • ●『SPL 狼たちの処刑台』(殺破狼・貪狼・Paradox) 2017 ウィルソン・イップ(葉偉信)監督 ←ルイス・クー氏登壇イベントあり!!
  • ●『未来戦記』(明日戦記・ Warriors of Future) 2022 ン・ユンファイ(吳炫輝)監督

 

2、日本が世界に誇る名女優、安藤サクラ出演の4作品

女優、安藤サクラ氏 写真提供:HKIFF

映画『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した際、審査委員長だったケイト・ブランシェットは、安藤サクラ氏の演技を大絶賛したそうです。実際、筆者も彼女の迫真の演技には震えました。今回の映画祭では、名女優、安藤サクラ氏の4作品が楽しめる上に、こちらも上映後に本人が登壇する回がありますので、ぜひ、チェックしてみてくださいね!

  • ●『5ミリ』(5 X米・0.5miri)2014  安藤桃子監督
  • ●『百円の恋』(100円的愛・100 Yen Love)2014  武正晴監督 ←安藤サクラ氏登壇イベントあり!
  • ●『万引き家族』(小愉家族・Shoplifters)2018  是枝裕和監督
  • ●『BAD LANDSバッド・ランズ』(悪之地・Bad Lands)2023  原田真人監督
武正晴監督『百円の恋』写真提供:HKIFF

 

3、香港で邦画をじっくり味わおう

海外に住んでいると邦画を映画館で見る機会がめっきり減ります。でも今回の映画祭には、日本からの作品もたくさんやってきますので是非、映画館に足を運んで、字幕に頼らずに思いっきり堪能できる邦画をお楽しみください!

黒澤明監督『七人の侍』 写真提供:HKIFF

不朽の名作である、黒澤明監督、三船敏郎主演の『七人の侍』(4K修復版)。第37回東京国際映画祭で東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞を受賞した吉田大八監督、長塚京三主演の『敵』。そして暑くなってきた香港でゾクっと寒くなれる矢口史靖監督、長澤まさみ主演ホラー映画『ドールハウス』。浅野忠信が伝説の写真家深瀬昌久を演じる『レイブンズ』。『カメラを止めるな!』で低予算映画の底力を世界に見せつけた上田慎一郎監督が、俳優、岡田将生と組んだ韓国ドラマリメイクの『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』。

以下に映画祭で上映される邦画数作品数点をリストでご紹介しますので、どれを見ようか、友達と、家族と、恋人と一緒に、大いに楽しく迷ってください!

  • ●『七人の侍』(七侠四義・Seven Samurai)1954  黒澤明監督 4K修復版
  • ●『敵』(生之敵・Teki Cometh)2024  吉田大八監督
  • ●『ドールハウス』(娃鬼人形・Dollhouse)2025  矢口史靖監督 ←監督登壇イベントあり!
  • ●『黒の牛』(黒之牛・Black Ox)2024  蔦哲一朗監督
  • ●『SUPER HAPPY FOREVER』(超幸福無限期・Super Happy Forever)2024  五十嵐耕平監督 ←監督登壇イベントあり!
  • ●『レイブンズ』(鴉・Ravens)2024  マーク・ギル監督
  • ●『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(欺詐特攻・Angry Squad: The Civil Servant and the Seven Swindlers)2024 上田慎一郎監督

 

4、誰よりも早く香港最新作を見よう

各国の映画がやってくると言っても、やはり香港にいるのですから香港の新作も是非見てください! 以下、記者会見で発表された3本をご紹介いたします。

  • ●『赦されぬ罪』(不赦之罪・Valley of the Shadow of Death)2024  ジェフリー・ラム(林善)監督&アントニオ・タム(譚善揚)監督

「敵を愛し、あなたがたを憎むものに善を行いなさい」―― 。香港のベテラン名俳優アンソニー・ウォン(黄秋生)が演じる牧師は、娘を死へと追いやった青年を自身の教会で世話することになります。牧師として神の言葉に忠実に生きるか、もしくは復讐という悪魔の囁きに身を委ねるのか……。音楽は香港で活躍する日本人音楽家、波多野裕介さんです。波多野さんはHong Kong LEIの2018年Cover Storyにもご登場いただいています。

記者会見にて。左から、映画『赦されぬ罪の』プロデューサーのジャクリーン・リュー(廖婉虹)氏、俳優サマー・チャン(陳紫萱)氏、シーナ・チャン(陳書昕)氏、ジョージ・アウ(歐鎮灝)氏、監督のジェフリー・ラム(林善)氏、及びアントニオ・タム(譚善揚)氏 写真提供:HKIFF

 

  • ●『虎毒不』(邦題未定・Montage of a Modern Motherhood) 2024  オリバー・チャン(陳小娟)監督

優しい夫と結婚して、小さなパン屋で働いて――。幸せな暮らしをしていた主人公の淑貞ですが、子どもが生まれると、睡眠不足、育児に協力しない夫、勤務中にトイレで搾乳する現実、義母との衝突と様々な問題に悩まされて……現代女性の悩みに、香港も日本も違いはない! のですね。母親役を『はじめて好きになった人』のヘドウィグ・タム(談善言)が熱演します。

記者会見にて。左から、映画『虎毒不』のオリバー・チャン監督、ヘドウィグ・タム氏、ロ・チュンイップ(盧鎮業)氏 写真提供:HKIFF

 

  • ●『早鳥』(邦題未定・Never Too Late) 2025  リッキー・チョイ(蔡瑞琦)監督 ←監督登壇イベントあり

自然界の癒しの力を賞賛する農業従事者兼作家、海洋汚染問題に取組むモデル兼ダイバー、アート展で地元のエコロジーに焦点を当てる自然写真家、鳥への愛情を絵画で表現する不動産業者、そんな普通だけれど自然を愛する4人の香港人を通し、香港の素晴らしくも忘れられがちな多様な生体系が描かれたドキュメンタリーです。

 

5、映画人達の熱い思いを聞いちゃおう

映画祭の魅力の一つはなんといっても、映画鑑賞後の映画人登壇イベント。監督や出演俳優の映画に対する熱い思いを生で聞くことができ、さらに彼らに質問できるチャンスがある(かもしれない!)のです。

左:レオス・カラックス監督Leos Carax – cannes -©Devid Bachar 右:映画『ボンヌフの恋人』写真提供:HKIFF

リストに表示したものの他にも、仏映画『ボンヌフの恋人』のフランス人監督レオス・カラックス氏や、アジア・フィルム・アワードで最優秀助演男優賞を受賞し、また、蔦哲一朗監督の『黒の牛』で主演を務めた、台湾のリー・カンション(李康生)氏登壇イベントなどもあります。

一般チケットの発売は3月28日午前10時開始です。

登壇者のある上映回のチケットは飛ぶように売れますので、発売開始時間前からPCの前でスタンバイすることをお勧めいたします。

行きたい映画がいっぱいあって困っちゃうー! 嬉しい悲鳴があがりそうですね。

チケット情報はこちらから。

取材・文 小林杏(編集部)

Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

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