2021/09/15

スピード感ある中環の金融センター街に、120年近くも独自のペースで走り続けるトラム。1904年に運行を開始し、1912年にダブルデッカー(二階建て)が導入され、今に至ります。現在は堅尼地城から筲箕湾まで、香港島の西と東を結ぶ6路線が運行。合わせて30kmの距離で、ダブルデッカートラムの路線としては世界最長です。

かつては海岸沿いを通る路線があり、潮風や港の景色を楽しめましたが、1960年代の都市開発で、その風景は見られなくなりました。銅鑼湾の時代広場ができる前、そこはトラムの修理・清掃をする「銅鑼湾トラム停留所」で、周りにはストリートフードや日用品を売る露店がありました。トラムのある風景は映画や音楽、文学などに刺激を与え、それらの作品がよりトラムをロマンあるものにしています。香港のトラムは、一世紀以上もの間、「チンチン」という音とともに走り続け、成長する香港を見てきたシティアイコンでもあるのです。

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