2023/09/06
香港の趣味の世界は非常に面白いなぁと、日々見かける機会があって思っていたところ、今回は鐵路迷(日本で言う鉄道ファン)の世界を少しばかり覗く事ができたので紹介しようと思います。
ある日の週末、友人の手伝いをする事があり、用事が一通り済んだ後「一緒に景色のいい場所と電車を観に行かない?」と言われて、わたしは二つ返事で「行く〜!」と答えました。
時間は午後4時、まずは近場で下午茶で腹ごしらえをし、別の友人と合流します。もちろん全部広東語の会話なのですが、前より聞き取れてて嬉しいと思った矢先、「火車(電車)のどこが好きなの?」と質問されます。わたしはトラム派なの!と噛み合わない回答をしてしまい、ちょっと気まずい雰囲気になります。その理由は後でわかることに。
詳しく話を聞くと、とある鉄道模型ショップに自分たちの作品(写真下)と商品を売り込みに行く、という事でした。
今回行く場所『青嶼幹線訪客中心及觀景台』です
前から通るたびに気になっていた『觀景台』という所に行きます
今回は友人の車に乗り込んで、日没に間に合うように向かいます。車内では終始電車の話で賑やかでした。
向かった先は『青嶼幹線訪客中心及觀景台』という青衣島西北面にある青衣と大嶼山を結ぶ高速道路を紹介する展示室と展望台。展望台からは青馬大橋、汲水門大橋そして汀九橋などが一望でき、最高の眺めなのです。湿度が最高潮で、また海沿いという事もあって、ちょっとしたらせん状の展望台に登るのでもたくさんの汗をかいてしまいます。
觀景台からの眺め、右下には今回のお目当ての「Hobby NaNa Cafe」があります
びしょ濡れになりながら下に降り、キンキンに冷えたコーラをぐびっと頂きながら、今日のメイン会場である展示室……ではなくその敷地内にある「Hobby NaNa Cafe」という謎のお店へ。鐵路迷の間では知る人ぞ知る、有名なショップだそうで、店に入るなり「なんだここは……」と思わず声がでてしまうほど。この様な僻地に(交通も不便なことから)この壮大なショップがあるなんて……そこで見たのは日本をはじめとする世界の電車模型の数々。
ああ、下午茶のとき聞かれたのはそういう事かと、のんきにトラム派です〜と答えた自分にちょっと後悔するのでした。
右側がcafeで、左側の建物が鉄道グッズが売っているという不思議な作りのお店でした
友人の作品を老闆に見せてプレゼンするも、うちじゃ扱えないと撃沈。えーこんな素晴らしいのがだめなの?と聞いてみると、香港では家が狭い事情から個人でジオラマを買う人はほとんどいないという話でした。それもそのはず、狭い家では優雅に電車を走らせる事もできず、ましてや母親や奥さんから怒られることも多いから絶対に買えないと(日本でも似たような話は聞いたことがあるような……)。
自分の家に置く事を考えるとたしかに……でも楽しいだろうなとわたしもついたくさん写真を撮ってしまいました
今回納品した商品です。ジオラマ用のミニチュアの木です
鐵路迷たちはたくさんの電車を抱えて、工業ビルの模型店に電車を走らせに行くスタイルだといいます。調べてみると数店舗その様な店があり、内装も凝っていて面白そうです。もちろん香港迷にもツボりそうなラインナップもありました。友人も同様、たまにその店に行っては電車を走らせている動画をわたしに送って来ていたのを思い出したのです。
話は戻って店内を散策するとたくさんの商品で道が塞がっており、秘密基地のようでした。中にはインコもいたり、入れ替わり立ち替わりたくさんの鐵路迷が来店しては、熱く語り合い、大いに賑わっていたり、友人と別で来たお客さんとの邂逅の場面や、そのお客さんの彼女だけが長時間放置されてすごい怒ってしまい、しまった!忘れていた!という一触即発の場面を見るなど、わたしは話に入る隙もなくただぼーっと見ていただけでしたが、充分に楽しめる滞在時間でした。
お店なのですが、とても雑多で、なんというか行ってみないとわからない位の魅力いっぱいな店内です。香港のお店らしいなと(笑)。特に日本のものがたくさんあって熱意を感じます。
そうこうしている間に、交通機関では帰れない時間となってしまい、家の方向が違う友人とは別れ、最近鐵路迷になったという人にありがたくも青衣まで送ってもらう事になりました。まだ始めたばかりだけどとても楽しいよ、と語っていた顔はとても素敵で、趣味の世界は奥深いのと同じ鉄道ファンでもその国によってローカライズ(最適化)されるなと、実に興味深く面白く感じてしまい、いい刺激になった週末を過ごせました。
ちなみにその帰り、わたしもウキウキしながら小巴に乗りましたが、降りるのをミスってしまい同じところをぐるぐる回り、帰宅するまで2時間もかかってしまうことに。でも大好きなバスに乗れたので良しとしようと思います。
トラムの小冊子を見つけたので、有無を言わさずゲット!
プロフィール
wm_Journal
初香港は1996年の返還前。時を経て数年前から香港にどっぷりハマり、2020年から思い立って単身移住。コロナの最中も自己満レベルの広東語と陽気なノリで思い立ったら即行動をモットーに楽しく生息中。趣味は香港おじの観察やおじとの会話を楽しむ、香港映画鑑賞とバスを終点まで乗ってみたりすること。
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Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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