2023/01/21

新年明けましておめでとうございます。香港は、”Kung Hei Fat Choy”の掛け声とドラの音が方々から聞こえる旧正月を明日に控えています。皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか。我が家は日本で3年振りの紅白歌合戦とお節料理を堪能し、お正月気分を満喫しました。年末、年始は各ご家庭や地域、文化によって、大晦日や元旦に食べるお料理が決まっていたり、観るテレビ番組や訪れる場所が決まっていたりするかと思います。その一つに、新年の抱負を言い合う、なんてこともあるのではないでしょうか。新しいことへの挑戦を言葉で表現したり、成し遂げたい目標を掲げたりすることは、過去を振り返り、自分の現在の立ち位置を確認し、気持ちを新たにする節目として、意味のあることだと思います。子どもはもちろんのこと、大人になっても、仕事で成果を残したり、習い事が上達したりと、自身の成長を感じられる瞬間というのは貴重ですよね。

以前、スクールカウンセラーとして小学校に勤務していた際に、新学期が始まると、少しの間、会わなかっただけなのに、一人一人の子どもの顔つきが以前より大人びて見え、どの子も自信に満ちた顔つきであることに驚かされました。ふと、「成長」というものは単に右肩上がりの直線ではなく、階段のようであるということを思い出し、「こういうことか!」と納得したものです。では、「成長の階段」とは、一体どういうことを意味しているのでしょうか。

子どもだけでなく、我々大人においても、学習や仕事面で成長や変化がなく、停滞しているかのように思える時期があります。これは、「プラトー現象」と言われる時期であり、次への成長のエネルギーを蓄えている時期です。階段に例えるならば、上記図の①の所にいる時になります。この時期は、大きな成長は見えにくく、学習や習い事、スポーツ、仕事などにおいても結果が目に見えて現れにくい、いわゆる、「停滞期」と呼ばれる時期です。スランプは「今までできていたことやできるはずの事ができなくなる」のに対し、プラトー期は「新しいことができるようにならない」時期を意味する点で違いがあります。しかし、①で蓄えているエネルギ―が臨界点に達した②の地点で、一気に次の段階へ移るのです。このプロセスの繰り返しが「成長」と言われるものです。

小さな階段の繰り返しは、近くで見ればこそ分かりますが、遠目で見ると曲線に見えます。また、「成長曲線」という言い方があるように、「成長はあって当たり前」のような感覚を抱きがちですが、実は、この停滞期があるからこそ、次の階段に進むことができ、成長を感じられるのです。

では、プラトー期をどう乗り越えれば良いのか。まずは、自身が今、プラトー期に居ることを認識することが大切です。伸び悩みは誰にでも起こり得ることであり、そこで、「自分には無理だ」、「努力なんて報われない」と諦め、投げ出してしまうのはいつでもできること。まずは、他に試せる方法がないか、従来のやり方を変えてみるなど、試行錯誤をしてみたり、掲げている目標の見直しをしてみたりしても良いでしょう。また、一度、そのことから距離を置いてみるというのも効果的です。視野狭窄に陥って、頑張れば頑張るほど、ストレスレベルは高くなり、焦りもまた強くなります。目標を頭の片隅に置きつつ、休息を取ることも忘れずにいると、何かの折に、ふと②の臨界点に達することもあるからです。

子どもであれば、①の時期、周囲の大人は子どもへの対応を大きく変えることをせずとも、子どもに接することが出来る時期です。しかし、②の時期に達した時、適切な言葉かけや対応を変える必要性が出てくることもあります。時に急激に思える子どもの成長は喜びの連続ではなく、驚きや戸惑いを伴いますし、その最たる例が、一般的に「思春期」と言われる時期でしょう。成長の本質とは何なのかを考え、プラトー期に差し掛かっても、「大丈夫」と思える健康な心でありたいものです。本年が皆さんにとって実りの多い年となりますよう、心よりお祈りしています。



河合 まり絵

臨床心理士。日本ではスクールカウンセラーとして、不登校児童や別室登校児童、発達に偏りのある児童への心理的サポートや、精神科クリニックで、パニック障害、PTSD、うつ病、摂食障害などの個別カウンセリングを実施。リワーク外来では、精神疾患などで休職中の患者に対し集団療法を、また、復職後の企業内フォローアップ・カウンセリングを実施。刑務所内では、グループ矯正教育をするなど、教育、医療、産業、司法の分野で臨床経験を積む。香港に移住してからは、3児の子育てに追われるも、縁あって精神科クリニックに復職。

 

OT & P Healthcare/ Mind WorX Clinic
MindWorXはOT and P Healthcareが運営する精神科専門のクリニックです。
中環駅(セントラル)から徒歩2分の場所に位置しており、簡単な日本語を話せる医師と、日本人の臨床心理士が在籍しておりますので、薬の処方と共にカウンセリングを並行して受けることが可能です。投薬はしたくないけれど、カウンセリングを受けたいという方もご相談下さい。

以下のようなことでお困りの方は、是非、一度、ご相談下さい。
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Mind WorX Clinic
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