2026/11/05

2026年11月3日、香港アプレイチャウ(鴨脷洲)に、チベット仏教美術と心の癒やしをテーマにした新しいアートギャラリー『Mandala Art Space(マンダラ・アート・スペース)』がオープンしました。
『Mandala(マンダラ:曼陀羅)』とは、サンスクリット語で『円形』『中心』『円満具足』を意味し、古代インドのヨガ修行において瞑想や祈りを行うために、地面をきれいに整えて作った、丸い小さな土の台のスペース(壇)から発展した概念です。諸仏菩薩が集う宇宙の秩序と、人間自身の内なる悟りの世界を象徴するこの名を冠したギャラリーは、多忙な現代人がアート鑑賞を通じて静寂と心の回復を見出すための神聖な場を提供したいという想いが込められています。
千年の伝統と現代が織りなす極上の美
Mandala Art Space の創設者である ケンジ・チャク(Kenji Chak) 氏は、十数年前に仏法およびタンカ(唐卡:チベット仏教の掛け軸画)芸術と出会い、その神聖な美を宗派や宗教の垣根を越えて広めたいという思いからこのギャラリーを立ち上げました。今回タンカ画家で、ギャラリーコンサルタントのペマ・ノヴェム(Pema Novem)氏との協力の元、空間演出の設計や作品の収集を行いました。


タンカの魅力は主に4点が挙げられます。
比類なき緻密さと幾何学的美しさ: タンカは、幾何学的な厳密な構図に基づいて描かれます。中心に本尊(仏様)が描かれ、周囲を取り囲む眷属(けんぞく:無数の仏・菩薩・天部・護法神たち)や曼荼羅の世界が、髪の毛ほどの細い線や細部まで驚異的な緻密さで表現されています。
天然鉱物による永遠の色彩: 金や銀をはじめ、ラピスラズリ、マラカイト、辰砂といった天然の鉱物や岩絵の具が伝統的に使用されています。何百年経っても褪せることのない鮮やかな発色と、自然素材ならではの深みのある輝きが大きな魅力です。
黄財神
タンカ以外にも、富や財宝をもたらす最も代表的なチベットの財神のイエロー・ジャムバラ(黄財神)や8世紀に実在したインドの偉大な密教僧でありチベット密教(チベット仏教)を初めて定着させた最も重要な開祖の一人、パドマサンバヴァ(蓮華生大師)などの精巧な仏像や、市場では滅多に見られないタンカ彩色の古木キャビネットなど、貴重なプライベートコレクションも一般公開されています。
緑多羅菩薩
ギャラリーで美しく佇むグリーン・ターラ( 緑多羅菩薩 りょくたらぼさつ)。チベット仏教(密教)において非常に広く信仰されている、慈悲と救済を司る女神(女性の仏・菩薩)です。サンスクリット語では「シャヤマターラ(Śyāmatārā)」と呼ばれます。多くの仏尊が静かに瞑想するような座り方をしているのに対し、グリーン・ターラは右足を少し前に踏み出している姿勢で描かれます。これは「苦しむ人々を救うために、いつでもすぐに駆けつける」という、迅速な行動力と強い慈悲を象徴しています。そのため、「救済の母」や「素早く救う者」と呼ばれています。
ギャラリー内には、ヒマラヤやチベットの地で千年以上にわたり受け継がれてきた伝統的なタンカの秘宝から、現代的な感性と技法を融合させた新スタイルのタンカや仏像まで、幅広く展示されています。皆さんも「芸術に宗教や流派の垣根はない」を体感しに訪れてみてはいかがでしょうか?
Mandala Art Space
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください