2020/03/01

最近は新型肺炎のニュースが絶えずニュースとして上がっています。病気にかかりにくくするために、手洗いうがいはもちろんですが、わたしたちができる事柄の一つは、人間自身が持っている免疫力を高めることです。中医学ではこの様な言葉があります。「正気存内、邪不可」(身体に強壮な正気が存在すれば、邪気は侵入することはできない)。というわけで、今の時期、食の面から滋養強壮の食事をし、腸内免疫の機能を支える腸内フローラを強化してみるのはいかがでしょうか?

 

鶏肉は滋養強壮剤のイメージがあり、『本朝食鑑』で鶏肉は「肝臓、肺臓、腎臓を補い、脾臓(胃腸関係)の働きを整える、体内の風邪を除き、体内にある余分な水分を抜いて、スタミナを増し、血流循環を良くする。」と言われています。例えばー

 

ユダ人ペニシリン

ユダヤ人は風邪を引いた後、体力を回復するのに『チキン・スープ』を飲む習慣があります。ユダヤ人のチキン・スープの別名は‟Jewish Penichillin″(ユダ人ペニシリン)とも呼ばれています。

 

参鶏湯

韓国料理の中に夏バテ予防をする滋養強壮食として参鶏湯は位置付けられています。

 

香港

香港では産後ケアの滋養強壮食は「鶏精」(ガェイ ジエーン)があります。鶏肉を無水状態で蒸して得た汁を「鶏精」と言います。

 

注意)中医学の理論とは大昔栄養不足時代に書かれた文献ですので、現代人は栄養失調の問題がなく、かえって滋養作用の強い食べ物を食べ過ぎると逆に体に良くないことがありますのでご注意下さい。

 

 

最近人気のトピックなのですが、腸内免疫(gut immunity) というのがあります。人体、万病撃退の鍵は腸であるという意味です。多くの病原細菌は口から入り、腸などを通して体内に侵入する。これらの侵入物から身を守るために自己防衛体制として、腸管には、からだの中で最大の規模の免疫器官が配置されています。すなわち、腸内環境が良ければ免疫力がアップするので、発酵食品を積極的に取ると腸内環境を改善出来ると言われています。

 

 

今回ご紹介する鶏肉煮込み麺は、香港の上海料理店での定番メニューです。鶏は骨ゴトで白濁まで煮、麵はそのままスープに投入し、体を温まる鶏スープとその温性を和らげる小麦麵を合わせることで、陰陽のバランスがよい献立になります。さらに、発酵調味料の塩麴を用いて、腸内環境を整え免疫力をアップしましょう。

[icon name=”lightbulb-o” class=”” unprefixed_class=””]  Tips ⇒  仙台名物:溫麵はおすすめです。 油が入ってない消化しやすい素麺です。

 

鹽麴嫩鶏煨麵」
(イム ゴック ルン ガイ ウィ メン)
(塩麴鶏肉煮込みウー麺)

材料 (2人分) :

塩麴チキンスープ              1000cc

溫麵                                    100g

長ネギ                                  30g

チンゲン菜                         200g

*鶏もも肉                            300g

*塩麹                                     10g

*片栗粉                               1小さじ

胡椒                                適量

塩こうじ         適量

 

作り方:

1、鶏もも肉を繊維に沿って千切りする。
2、チンゲン菜を洗って、茎と葉を分けてそれぞれ千切りする。 長ネギを千切りする。
3、土鍋に少し油を敷いて葱を炒めて香が出てきたら塩麴スープを加える。煮立ったら温麺を入れ、沸騰したらチンゲン菜く茎の部分を入れ、再び沸騰したら鶏肉とチンゲン菜の葉の部分を加えて沸騰して出来上がり。胡椒と塩麹で味を整えます。

 

『塩麴チキンスープ』の作り方
材料 (約1000㏄のスープ用)

鶏ガラ(手羽先)      1kg

塩こうじ               2大さじ

蔥                30g

生姜の皮                  10g

昆布だし         1800㏄

真昆布  5cmx2

水    2000㏄

*冷蔵庫に一晩おく

 

作り方:
1、鶏ガラをざっとぶつ切りする。塩麴でまぶし冷蔵庫で一晩を。
2、鶏ガラを茹でこぼしてから綺麗に洗う。
3、昆布だしを沸騰させ、鶏ガラと他の材料を強火で煮て、中火から弱火で1時間を煮る


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

 

人在東京 Prime Kitchen Labo

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