2023/07/15

竹蔗茅根水
（ジョッ　ジェ　マウ　ガン　水）

体内の熱を取り除く
香港養生茶　: サトウキビハーブティー

東京は猛暑に見舞われて、まだ７月の上旬にもかかわらず、熱中症警戒アラートが発表され、2023年の夏は暑くなりそうな気配です。

こういう天気の時にパッと頭に浮かぶのはこの香港の養生茶です。『竹蔗茅根水』（ジョッ　ジェ　マウ　ガン　水）。『竹蔗』（ジョッ　ジェ）とはサトウキビのこと。『茅根』（マウ　ガン） はわたしが東京で散歩する時にその辺によく生えている雑草「チガヤ」の乾燥した根皮です。以上２つの材料にプラスアルファした他の似たような効能がある材料を加えて煮出したジュース『竹蔗茅根水』となります。

うちの祖母は全ての材料を昔ながらの麦茶を煮出す昭和っぽい大きいやかんに入れ、30分ほど煮たら冷まします。お茶としてやかんからグラスに入れてくれました。追加の砂糖は無添加でスッキリとした自然の甘みがある清涼飲料水です。

香港はコンビニでさえ買えるほど親しまれています。夏の養生茶として有名で体の余分な熱や、余った水分を取り除いてくれる効果があると言われているからです。

体の熱を取り除くドリンクは決して冷たい飲料ではありません。「冷たくないのにどうやって体を冷やすの？」という疑問は小さい時からありました。冷蔵庫で冷やさないと飲まないと駄々を捏ねた記憶があります。子ども達の要望に従っていた祖母はどれだけ孫達に優しいばあちゃんだったのでしょう！

沖縄県宮古島のサトウキビを手に入れたので、チガヤの乾燥根皮はなかったのですが、プラスアルファで人参、とうもろこしの芯と髭を合わせて煮出しました。

サトウキビは熱取り、胃腸力を強化してくれたりする効果があると言われています。

チガヤはなんと日本の万葉集に27首も登場していました！ 日本人に親しみのある薬草だそうです。根茎は清熱、利尿、止血などの効能があると言われています。

Tips:　とうもろこしの芯と髭は利尿効果があるので、サトウキビと組み合わせると相乗効果があるので、捨てずにお茶として煎じて飲んで下さい。

材料　（２人前）

材料：
サトウキビ…………………….約300ｇ
人参　　　　…………………約100g
トウモロコシの芯………….１本分
トウモロコシの髭………….１本分
水………………………………..1000cc

＜下ごしらえ＞
サトウキビは洗って、中華包丁や麺棒などで叩き潰す。
人参は洗っておく。
トウモロコシは髭を取って、黄色の実の部分を削り、芯のみにする（実は別の料理に使いましょう）。

　＜作り方＞
鍋にすべての材料を入れ、水を足し、沸騰させたら中火で３０分煮出す。冷めたら清潔な瓶に移す。

雲姐（ワンジェ）

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

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