2023/09/15

金菇扒豆腐
(ガム グゥ パー ダウ フ)
レストランでは出てこない家庭料理 : 厚揚げの香港風えのきあんかけ

 

わたしは母の手作り料理はあまり食べたことがありません。オーストラリアに移民するまで、母はフルタイムで働いていて祖母が家での料理担当だったこともあり、母の手作り料理はあまり口にしたことはありませんでした。オーストラリアに移住後、祖母は他界し、その料理担当はわたしが後継し、母は司令官として料理監督の役割に移っていきました。
わたしは大学卒業後すぐに日本に来たので、母の手作り料理を食べた記憶はほぼないぐらいです。母は、頼る人がいなくてやむを得ず作るしかなかったので、まだ学生だった弟と妹は逆に母の手作り料理をよく食べていました。
2023年8月、4年ぶりにオーストラリアに一時帰国しました。母の手料理をたべました! 何年振りでしょう?!母の手料理を食べたのは。

驚いたことは料理だけでなく、母は全く老けてないことです。歩くことは前と変わらず早く、姿勢もよく、頭の回転も早く、出かけることが大好きで、声はわたしよりデカい、よくしゃべる、ファッションもおしゃれ(ジーパンを履くおばあちゃん)、週に一回か二回ほど健康麻雀、そしてわたしの倍以上食べることが出来ることは80歳の高齢者に見えないほどすごいと思っています。
オーストラリアに滞在していた時は自然にわたしが料理担当ですが、ある日わたしが終日外出し、帰宅が遅くなった際、母は夕飯を用意しわたしの帰宅を待ってくれていました。
出て来た料理は、豆腐を両面に焼き付けて、サーモンのムニエルを重ねた、えのきの中華風あんかけでした。母は淡々と一言『清雪櫃』(チェイン シュツ グァイ/意味は「冷蔵庫の掃除」)。冷蔵庫にある余っている食材を使い切ることは全世界の母親の共通点でしょうか?! あんかけは鶏ガラのスープをベースにして、香港のオイスターソースを足し、香港の味付けにしました。
この料理は亡き祖母もよく作っていました。ただ、豆腐ではなく、筒状の香港スタイル『玉子豆腐』でした。筒状の玉子豆腐をコイン状に切り、軽く片栗粉を両面に付けて焼き、えのきのあんかけソースをかける料理でした。その料理を見た瞬間、懐かしい気持ちが胸に湧き上がり、このような「超」香港家庭料理は外食で味わえないものとの認識をしました。
1980年代頃から真空パックに近いほど空気を抜いたパッケージの人工栽培えのき製品は香港の日系スーパーで現れました。当時、沙田(サー ティン)の Yaohan(ヤオハン)で見たことがあります。えのきの廣東語は『金菇:ガム グゥ』です。いまだに香港ですごく流行ってる家庭料理の一つは『肥牛金菇巻:フェイ アウ ガム グゥ グゥン』(えのきの牛肉照り焼き巻き)はわたしの小さい頃からテレビ料理番組でよく紹介されました。ただ、1990年代から中国の人工栽培えのきの技術が進んみ、現在香港で購入できるえのきはほぼ中国産になったのではないでしょうか?
筒状の玉子豆腐は日本ではなかなか手に入らないので、このレシピは絹厚揚げを代用しました。

 

Tips: 母は絹豆腐や木綿豆腐を両面焼くのですが、より簡単に出来るように絹厚揚げを使いました。サーモンの代わりに出汁も出るカニカマを代用しました。

 

材料 (2人前)

材料:
絹厚揚げ…………………………..1丁
えのき…………………………….. ½ パック
(約50g)
カニカマ……………………………1パック
(約60g)
すりおろすニンニク…………..1小さじ
小ねぎ………………………………適量

あんかけソース:
鶏スープ………………………….200㏄
オイスターソース…………….2小さじ
砂糖……………………………….1/2小さじ
塩…………………………………..ひとつまみ
胡椒……………………………….少々
水溶き片栗粉…………………1大さじ

 

<下ごしらえ>

えのきは下部の石の部分を切り落し、2等分に切りほぐす。
カニカマは手でほぐす。
絹厚揚げはフライパンで満遍なくカリッとなるまで焼いてお皿の中央に盛る。

<作り方>

1.水溶き片栗粉以外のあんかけソースの材料はすべてフライパンに入れる。

2.  沸騰したらカニカマとえのきを入れて、再沸騰したら一旦火を消す。味見して味が足りなければ塩で調節する。
3.水溶き片栗粉を入れて均一にかき混ぜる。あんかけソースに再び火を付ける。滑らかなとろみが付いたら火から下ろす。

4.  あんかけソースを温めなおした絹厚揚げにかけて出来上がり。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

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