2024/10/10
キャリアに悩むすべての方へ
前回までのコラムでは、香港での生活を綴ってきましたが、早いもので香港を去ってそろそろ1年が経とうとしています。
そろそろこのコラムにも終止符を打つべく、香港を去ってからの事をお話ししていこうと思います。
このコラムを読んでいる方の中には、もしかして帰国後の生活や、家族構成が変わることへの経済的不安、海外生活ならではのキャリアの行方に悩んでいる方もいるかもしれません。
そんな方へ届けばいいなと思い書きます。
突きつけられる現実
先が見えない毎日で不安もありましたが、息子と過ごせる時間が嬉しすぎて、充実した毎日でもありました。
帰国し、しばらくは息子と一緒にゆっくり過ごせる幸せを噛み締めていましたが、現実は、35歳、無職、地方在住のシングルマザー。
直近まで海外で働いていた為、失業保険はおりません。
貯金は減っていく一方。
両親が健在で実家に住まわせてくれた為、家賃がかからない事は幸いでしたが、ふと、不安に襲われます。
生きていくため、この子を育てるために、仕事をせねばなりません。
ですが、人生のターニングポイントであることは自覚していたので、焦って次の仕事を決めないようにしました。
落ち着いて、冷静に。
この選択が今後の人生を変えるんだ。
これから、わたしがしたことや、理想の条件を挙げていきますが、これは皆さんに当てはまるものではありません。
是非、ご自分の理想や条件を、自分だったらこうだなと当てはめて読んでみていただけたら幸いです。
1年後を考える
まず、1年後、どんな生活がしていたいかをぼんやり考え、そこから導き出される答えを、譲れない条件に固定しました。
わたしの場合はこうです。
1、毎月安定した収入を得ている。(正社員)
2、世間と同じ日に休む。(土日祝休み)
3、夜は家族揃って食卓を囲む。(残業なし)
4、年に数回、旅行に行く。(ボーナス・有休)
5、老後の不安が無い。(安定性・厚生年金・退職金)
先日、友人を訪ねてアメリカに行った時の写真です。Bill Perkins著のDIE WITH ZEROには、「モノは買った瞬間に一番幸せを感じるが、思い出から得た幸せは、時間と共に蓄積し、複利で増していく。」というような事が書かれています。我が家もこの価値観を大切にしたいので、思い出を作るための時間と収入は必須でした。
どんな条件で働きたいかを導き出す
次に、もっと細かく分析をします。
1、家族の時間を大切に。(勤務時間)
2、家族がしあわせでいられる程度のお給料(高すぎず、低すぎず)
3、自分の能力に見合う仕事(高すぎず、低すぎず)
4、経歴が活かせる仕事(食に携わる仕事)
5、やりがいのある仕事(誰かの役に立てる仕事)
職種を導き出す
次に、自分の得意なことや好みを、ざっくばらんに書き出してみます。
1、オフィスワークがいい。
2、何かを表現するのが好き。
3、人の心を動かしたい。
4、数字は苦手。
5、年齢を重ねてもキャリアが途絶えない職がいい。
フリーランスで生きていこうかと思いましたが、母子2人、わたしが大黒柱なので、安定性を重視して、今のわたしに合う希望の条件を決めました。
正社員
土日祝休み
残業なし
食に関連する仕事
広報・PR職
理想の生活を手に入れる為にやるべきこと
理想の生活を手に入れる為に何をすれば良いのだろうか?
今の自分は、理想の条件に見合っているだろうか?
ちょうどその頃親友がリスキリングの為Webマーケティングのクラスを受講していたので話を聞いてみました。
Webマーケティングとは、インターネットを活用して商品やサービスを宣伝・販売するためのマーケティング手法のことです。
今までやってきた料理の講師や、商品開発、広報の仕事でもマーケティングはかなり重要な要素だったので、今後、どんな仕事につくにせよ基礎は学んでおきたい。
それに、コロナ禍を経て、社会情勢にあまり左右されないWeb業界が良いなとも強く思ったため、彼女と同じクラスを受講することにしました。
部屋には机すらなかったので、昭和32年物の中古の机を安く購入し、自分でワックスを塗ってアンティーク風に仕上げました。お金をかけなくても、なるべく自分が納得するモノが欲しくて。
立ち止まってでも勉強する意味
クラスはe-Learningで、家から受講できます。
1日5〜8時間程度動画を見て課題をこなし、週に一度先生や同じグループの仲間の前で課題発表をします。
疑問点があれば、その都度Slackで先生に質問もできます。
受講生は、現役マーケッターから、パソコン初心者の年配の方まで様々でした。
仕事をやりながら覚えるのが一番身につくとは思いますが、座学の授業も良い点はたくさん。
こんな事聞いてもいいかな?と思うことなく、少しでも分からない事があったら先生に遠慮なく聞けますし、自分の知らない知識がどんどん湯水のように降り注がれます。
それに、後日職場で実践できると、「あ!この問題、〇〇ゼミでやったところだ!」現象が起こり、なんだか嬉しくなります。
結論から言うと、わたしは結局Webマーケターにはなりませんでしたが、今の仕事にはかなり役立っています。
どんな職業になっていても役立ったと思います。
それだけ、マーケティングの思考は現代社会で大事だと言うことです。
やはり勉強って、自分の力にブーストをかけてくれるのでおすすめです。
わたしの場合は、ですが、一旦キャリアを止めてまで勉強する価値はあったと言えます。
わたしには当てはまりませんでしたが、過去2年以上雇用保険に加入していて、正当な理由で退職し、今後積極的な求職活動をするつもりがある場合、失業保険を受けながら、職業訓練校で無料で学ぶという手もあります。
※詳しくはハローワークのホームページをご覧ください。
その他にも、実は日本政府が、国民のスキルアップやキャリアチェンジを支援するためのリスキリング(学び直し)施策を積極的に行っています。
学び直しが高価だと考えている方がいれば、「国、リスキリング」で検索してみてください。
これは、アメリカの友人夫婦に自転車をプレゼントしてもらい、はじめて補助無しで乗れた時の写真です。息子が成長しても、はじめて自転車に乗れた日を思い出す時には、カリフォルニアで過ごした日々や、友人夫婦からの大きな愛も一緒に思い出すことでしょう。やっぱり行ってよかったなと思います。モノより経験。
今回は勉強編でした。
次からは転職活動編に参ります。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回もお待ちしております!
筆者プロフィール
沙季(Saki)
東京の料理教室で講師を5年程務め、
その後独立。妊娠出産を機に湘南へ移住し、
レシピ開発やフードコーディネーターとして活動。
2022年香港に移住し、某日系F&B Companyにメニュー開発者として勤務。
息子とヘルパーさんと3人で暮らしながら仕事をしていたが、ワークライフバランスを優先し2023年末に仙台へ移住。
現在は、健康食品メーカーで広報・PRとして勤めている。
instagram https://www.instagram.com/_sakioo_
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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