2023/03/04

立春の日は暦の上の春です。

今日は新界の上水郷廖氏の町にある伝統的な祭り「点灯式」を紹介します。

うちの母は廖氏の娘で、上水郷は母の実家として子どもの時から通っているところです。

新界地区の主要氏族は祠堂と呼ばれる建物に祖先をまつる習慣があります。上水地区の廖一族を代表する廖萬石堂(リウ・マンシェクトン)はその例です。堂内では、檀家の位牌がまとめて収められています。それで、祠堂の「点灯式」は数ある伝統祭の中、最もメジャーなイベントです。

 

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① 主要氏族とはどう言う意味ですか?

 

新界の五大氏族は、香港の新界に北宋時期(960年~1127年、日本の平安時代中期から晩期にあたる)から定住し、かなりの規模になった5つの家族:錦田鄧氏、新田文氏、上水廖氏、上水侯氏及粉嶺彭氏。

 

上水囲は廖族の核心居住地です。

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② 廖萬石堂(リウ・マンシェクトン)はどんな建物ですか?

 

萬石堂は遅くとも1751年(堂内の最も古い碑文が記載された年)には完成し、1891年の修復を経て、歴史遺跡に指定された1985年に、再度修復工事が行われました。

 

「萬石」という名前は、朝廷の高級官更になり、「米一万石の年俸」を得た祖先を記念してつけられたといわれています。その他の大多数の祠堂と同様、この堂も「3×3」と呼ばれる様式で、2つの庭を挟んで3つの切妻屋根のホールが平行に並んでいます。

 

簡素ながら優れた装飾のホールの内部は3つに分かれており、中央の祭壇には氏族の重要な祖先、左の祭壇にはこの祠堂の建造または修復に貢献した人々、右の祭壇には氏族に名誉をもたらした人々がそれぞれまつられています。

 

廖萬石堂は、香港法定古蹟として一般公開されています(注:2023年3月31日まで暫時公開中止となっています)。

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毎年、村の廖氏族人が廖萬石堂で春祭式を行います。春祭の後、祠で小豚の丸焼きを神様に尊敬の意を表したら、豚肉を男子に分けます。女子はもらえないです。

大丈夫です。

おじさんと従兄弟にもらいに行きます(笑)。

 

春の祭りが終わったら、廖萬石堂も「点灯式」の準備を始めます。「点灯式」の「灯」は「丁」の和音で、「点灯」は「添丁(男子)」を意味し、過去1年以内に添丁の村人は祠堂、神庁、または灯台に灯りをつけて、神と先祖の家に男丁が生まれたことを知らせます。

族例は族中年長男性が責任を負い、男子が生まれた家はすべて参加できます。

 

半年前、従兄弟に赤ちゃんが生まれたので、私は親戚として今年の「点灯式」の参加資格を得ました。

ちなみに、従兄弟は、おじいちゃんの長男の長男で、生まれたばかりの赤ちゃんも従兄弟の長男です。男子が大人になったら、先祖産業を継承する権利だけでなく、土地をもらうのが新界の鉄則です。

 

ですから、男子が生まれるのは大変めでたいことです。

 

*母は兄弟10人がいます。母は7番目の娘で、わたしの従兄弟の父が母の兄です。

 

廖萬石堂の点灯式は主に「開灯」、「完灯」が含まれます。

「明かりをつける」当日、添丁家族は祠で芯を燃やして灯りを入れ、丁灯(大きく立体的な灯籠)を祠の梁に掛けた。

 

生まれた子の名前が書かれたタグは祠堂が用意してくれます。

最後は「完灯」です。添丁家族は丁灯を外して、芯を取り出して手桶に入れて家に持ち帰ります。

 

幸いなことに、おじさんや従兄弟たち(男性たち)今日も小豚の丸焼きの豚肉をもらいました。

いつまで飾るかはっきり覚えていないんですが、確か仏壇の前におかなければならないと聞きました。

 

丁灯の縁起の良い飾りを外したり切って、家に持ち帰ります。

 

その後、丁灯は火葬されます。それは、点灯式の終わりを表す意味です。

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③ 点灯式の歴史を聞きたいです!

 

定年退職後、民俗学に夢中になった廖崇興さんに聞きました。彼は廖萬石堂をはじめ、上水郷に関する歴史や文化に詳しいです。

 

世系を中心に重要な人物の事績、重要な事件、あるいは家訓を記載した文書である族譜によると、

昔は点灯式があったそうです。

 

しかし戦争中はお祝いどころではなく、点灯式は停止を余儀なくされました。

 

2011年、村務委員会廖興洪主席が点灯式復興を提出し、2012年再開することにしました。

 

しかし、生まれた男子の赤ちゃんの人数が単数だと、点灯式を行ってはいけません。複数人いないと式はしないということです。

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少子化が進む時代で、従兄弟たちが結婚しないとか、子ども欲しくないとかあるかもしれません。

しかも複数の赤ちゃんじゃないと無理です。

 

将来、わたしはまたこの式に参加できるかどうかわかりません。

読者の皆様に、香港のこういう家の伝統行事があることを知っていただけたらと思って記録しました。

 

皆様が読んでくださったらうれしいです。

ありがとうございます♪

 

参考リンク(繁体字、廖崇興氏執筆):https://hk.epochtimes.com/news/2022-02-28/11308303


キリ
日本語教師で旅行作家。唎酒師と観光ガイド資格。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)、『爐峰櫻語』(2022)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
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