2023/06/02
Mizukiです。
今回は少しわたしの事についてお話ししたいと思います。
最近、わたしがなぜ香港に居て、なぜ着物を着ているのかと聞かれることが何回かありました。
それから自分自身の香港生活について振り返る気持ちが溢れてきたので、こちらで書かせてください。
わたしが香港に来たのは2011年1月。
たまたまmixiで見つけた日系飲食店の求人を見て香港にやってきました。
5W1Hもわからない英語力にもかかわらず、
高校生の時に修学旅行でオーストラリアに数日ホームステイを経験したおかげで海外に対するハードルが低く、国境を越える事になんのためらいもありませんでした。
当時の香港はHK$1=¥10
わたしが利用したワーキングホリデーは2010年1月から香港⇔日本が開始されたのであまり知られておらず、円高も相まってわたしと同じような人はほとんどいませんでした。
全く言葉も話せず、友達もいない、スマートフォンなどもない時代だったので日本の友達と話すのはパソコンからメールで。
もともとすごく香港に行きたいと夢と希望を持ってきたタイプではなく、たまたま見た求人がたまたま香港だっただけ。
孤独との戦いの毎日で香港を楽しむ事もできずに毎日毎日泣いて過ごしていました。
無駄に背の高いビルや、汚い街も大きな声で話し、やたらと距離が近い香港人も大嫌い。
そんなに辛い思いをしているならと友人達は帰っておいでと声をかけてくれました。
ただわたしはこんなに辛い毎日をここで逃げだしてしまったら今まで泣きながら乗り越えた1日、1日が無駄になってしまうような気がして帰るという選択肢はありませんでした。
わたしは、香港で暮らしたことがあるって胸を張って言えるまで香港から逃げないと自分に約束しました。
そんな中、2011年3月あの大地震が起こりました。
たまたま銅鑼湾あたりを散歩していたらTimes squareの大きな液晶スクリーンに震災のニュースが流れていて、そこには大きな人だかりができていました。
それからはどこに行っても、香港人が「あんた日本人やろ! 家族は大丈夫か? 大変やな!」と声をかけてくれました(わたしには広東語は大阪弁に聞こえます。笑)。
ある日スターバックスに行くとそこには小さな募金箱が。募金箱には日本を応援しようというような手書きのメッセージが書かれていました。その募金箱を見た時に自分のこころがすごく開放されて香港に対するバリアがスゥーとなくなっていったんです。
だって、その小さな募金箱にはもうお金が入りきらないぐらいにギューギューに詰まっていてそれでもどうにかして募金しようとする人がいたんです。
そこからわたしの香港生活は変わってきたのかも知れませんね。
大きな声で話す距離感の近い香港人はおせっかいなくせに、他人の事を気にしないし、困っていれば助けてくれる、カバンが空いていると危ないでーって声かけてくれる。子どもやお年寄りにすぐ席を譲る。
背の高い煌びやかなビル群の中にある生活感あふれるストリートやまったく手をつけられていないような路地裏。
華やかな街並みのなかにいる、Tシャツめくってお腹だけ出しているおじさん。
毎日泣いて過ごしていた香港。
そして結婚し、2人の子どもに恵まれ、その子ども達は香港で産まれ香港で暮らす。
嫌で嫌で仕方なかった香港がわたしの人生が詰まったわたしの場所になった。
なぜ香港で着物を着て写真撮ったりしているのって聞かれます。
なんでだろう。ただ香港が大好きなんです。
ここで経験したすべてが大好き。
ここで出会う個性豊かな人達も大好き。
だからもっとみんなにも知ってほしい
ガイドブックには載っていない、生きた香港を。
もしわたしにできるならわたしがそれをしたい。
大好きな香港で大好きな着物を着て、わたしがそれをしたい。
また違った角度から着物も香港も「魅せ」たい。
そんな想いでわたしは香港で着物を着たいんです。
mizuki
2011年ワーキングホリデーを活用し香港に来港。
仕事をきっかけに着物の楽しさにハマり、普段の生活の中で着物をきて暮らす。
香港で二人の子どもを出産。
2021年香港で出会った友人と共にイベント企画やパーティー装飾を手掛けるM’s select を設立。
2022年11月、着物マイスター、着付け方インストラクター資格取得。
Mizuki no kimonoインスタ @kimono_hongkong
M’s selectインスタ @ms_select_hk
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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1 件の意見
ええこと書いてるやん❤️
クリントイーストウッド風に言うと、
Marvellous !
日本語訳だと、
泣けるぜ!