2023/10/15


目次

〈1〉

啟德空港跡地にできたモール

40以上の飲食店が楽しめる

Dog Lover 必見!

啟德空港が学べる体験型展示

香港のモール初!飛行機の実物展示も

〈2〉

啟德空港跡地は開発地域

開発した南豐集團とモールのこだわり

南豐集團とは?

環境に優しいがテーマ


啟德空港跡地は開発地域

啟德空港稼働当時は、空港周辺は低いビルしか建てられない制限が設けられていました。現在はそういった規制がなくなったため、景観が一変して高層ビルが連立するようになっています。この地域の最初の開発は、全長360メートルのカイタック・クルーズ・ターミナルの建設で、豪華客船のような大型クルーズが接岸できるようにしました。その後、地下鉄ラインが開通し、啟德駅も作られて、開発が一気に本格化しました。

今回オープンした複合施設のAIRSIDEは地下鉄直結で、ローカルな地域にしては少しラグジュアリーにも受け取れましたが、開発が完了した暁の人の流れを計算した上での設計なのだそうです。西九龍地区がアートの中心として人が集まる場所となっていますが、ここは、そのスポーツ版。その名も「スポーツ・パーク」と言い、今後、スタジアムや運動場が含まれている香港最大の複合スポーツ施設が誕生します。竣工は2024年下半期が予定です。このパークに建設される施設3つをご紹介しましょう。

メインスタジアム
「東洋の真珠」をテーマに設計された5万人収容のピンクと青に輝くメインスタジアムは、開閉式の屋根と柔軟なピッチサーフェスを誇り、天候に左右されることなく、国際的なものからローカルなものまで、多様なイベントを幅広く開催できます。
この施設は、様々なイベントや観客の規模に対応できるよう、カスタマイズ可能なステージングと座席構成で、国際イベントの基準を満たすように設計されています。また、フレキシブルなピッチシステムを採用しており、プレミアサッカーやラグビーイベント用の上質な天然芝から、無数のスポーツ、エンターテインメント、コミュニティイベント用のサーフェスまで、切り替えが可能。南スタンドは、香港ラグビーセブンズの伝統に敬意を表し、ビクトリアハーバー方面の素晴らしい眺望を提供するパノラマガラスの壁を背景に、広大なアクティビティプラットフォームが設置されています。

また、開閉式の屋根が防音機能を持つため、スポーツだけではなく、コンサート会場や地域のイベント会場としても多目的に利用される予定です。

屋内スポーツセンター
最大10,000人収容可能なインドアスポーツセンターは、座席の80%が開閉式または取り外し可能で、さまざまなイベントに対応でき、バドミントン、バスケットボール、体操、テニス、卓球など、主要な国際大会に対応できるよう設計されています。付属のスポーツホールは、500人収容可能。

公共運動場
学校の運動会、陸上競技大会、地元のサッカーやラグビーの試合、チームやアスリートのトレーニングセッションの開催に利用されます。大きなイベントを除き、公共運動場は毎日ジョギングやクオリウォークに無料で開放されます。楽しみですね!


開発した南豐集團とモールのこだわり

さて、話をAIRSIDEに戻しましょう。こちらのモールの内観をご覧ください。茶色い壁面部分を見て何か気がつきませんか?

この建物の中、やけにくねくねしてると思いませんか? 実はこの複合施設を開発したデベロッパーは南豐集團と言って、元々は香港の繊維工場から始まった民間企業です。このうねりはデベロッパーにちなんで、カーテンのような布のドレイプを表しているそうです。

南豐集團とは?

香港では1954年に設立された世界中で事業と金融投資と不動産開発で実績を上げている、65年以上の歴史を持つ香港の民間グループ企業。元は、南豐繊維と言って、その名の通り繊維を扱う企業で、1950年代に誕生しました。
香港の製造業ブームの黄金期で、ビジネスは急速に成長し、一時は香港で最も生産量の多い製糸工場のひとつとなり、業界をリードする地位を占めていました。 その後、香港での繊維産業は下火となり、南豐集團として、不動産開発や投資サービスなど幅広い事業分野をカバーする香港最大級の民間企業に発展しました。
2014年には、創業60周年を記念して、イノベーション、文化、学習体験を組み合わせた画期的なプロジェクトの「南豐糸工場の再生」を発表しました。その昔繊維工場として使われていた建物を現在では香港の複合施設「The Mills」とその中にあるテキスタイルの美術館の「CHAT」として生まれ変わらせ、とてもおしゃれでたくさんのイベントが開催される、多くの香港住民にとっての憩いの場として愛されています。

▶︎CHATの館長である日本人の高橋 瑞木さんのインタビュー記事はこちら。
https://hongkonglei.com/2020_1_coverstroy/

▶︎複合施設The Mills
https://www.themills.com.hk


今回AIRSIDEのオフィスビルを含めたデザインを担当したのが国際的に高い評価を得ているノルウェーの建築設計事務所Snøhetta。

内装のあちこちで南豐集團へのオマージュを意識したそう。ドレイプを意識した茶色い壁面も、布の質感を表現するように、細かいパターンをわざわざ入れたという懲りよう。細かすぎて近くに行かないと見えないのですが、こういうこだわりが高級感が出る秘密でもあるのでしょう。

こうした、かつての繊維会社だった南豐集團を意識したこだわりのインテリアデザインが色々なところに見られます。自然光を取り入れた天窓も、布のパターンのような格子にしたそうです。

隣接するオフィスビルを見てみましょう。

大理石とカスタムメイドのアーティーな照明です。よく見ると紐が結ばれているように見えませんか?

大理石はイタリアから輸入したそうです。


環境に優しいがテーマ

AIRSIDEは、人間と自然の調和する都市生活をコンセプトとしています。
敷地の3分の1以上を緑地としたAIRSIDEは、約1万8,000平方メートルの静かなオープンスペースを一般客やテナントに提供しています。屋上庭園、円形劇場、都市農園などがあります。AIRSIDEの6階にある屋上庭園には、熱帯植物や原生植物が植えられており、煌びやかなスカイラインを背景に豊かな緑に囲まれながら、都市の豊かな生物多様性を鑑賞することができます。

さらに、AIRSIDEには6,000平方フィートの都市農園があり、モール2階のAIR FARMでは50種類以上の季節の作物を栽培しています。AIRSIDEは、一般客やテナント向けに都市農業ワークショップを定期的に開催するほか、収穫した農産物をモール内の飲食店に供給し、来店客に農場から食卓までの真の体験を提供する計画があるそう。

モール内には香港初の自動ごみ収集システム、スマート駐輪システム、電気自動車(EV)充電設備を備えた850台の駐車スペースなどがあります。また、香港で初めて電気・機械サービス局(EMSD)のカイタック地区冷房システム(DCS)を採用した香港で最も環境に優しい商業施設の1つとなっています。

スマート駐輪システム

最後までお読みいただきありがとうございます!今回は新しくオープンしたモールのご紹介でしたが、紐解いてみるとさまざまな歴史的背景やこだわりを発見でき、楽しんでいただけたのではないかなと思います。皆さんもぜひ訪れてみてくださいね!

 

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