2025/04/14
高層ビルのイメージの香港ですが、その約70%は自然地形、約40%が保護された自然公園です。4大トレイルをはじめ、総長600kmにもなる無数のトレイルがたくさんあり、ハイキングは香港の最大の魅力の一つです。わたしも香港に来てすぐにハイキンググループに参加し、すっかりハマってしまいました。
3月は香港のアート月間。刺激的なイベントで忙しかった後は、自然の中でお茶を飲みたい気分になりました。BBQの設備があれば、お湯を沸かすのも問題ないですし、茶杯やちょっとした茶道具を用意していくだけでも、ちょっとした非日常な時間を過ごせます。今回は、山の方へ行ってみましょう。
潭崗瀑布、滝壺にも降りられるようです/貯水池の眺め
市街地の背後に広がる深い自然
まず最初は香港島にある、潭崗瀑布(瀑布=滝)と貯水池の大潭水塘(Tai Tam reservoir)。香港島の東、MTR西灣河駅前から14番のバスに乗り「大潭水塘北」で下車。そのすぐ近くのトレイルの入り口についたのは14:30でした。涼しい時期なら、こんなにのんびりスタートでも全く問題ありません。歩くこと20分くらいで橋があり、そこが潭崗瀑布です。鳥の声と水音を聞きながら、岩場でお茶で一服。
その後は貯水池方面へ向かいます。深い緑のなだらかな丘陵に囲まれた、翠の水面の貯水池の周りを歩くのは、開放感があってとても気持ちが良いです。香港トレイルのセクション6を逆行するこのコースは、大風坳(Quarry Gap)、拍架山(Mount Mount Parker)を越えますが、傾斜は緩やかで、街市(市場)の横を通り鰂魚涌の市街地へ出てゴール。ちょっと朝の散歩に、という人も多いですね。
香港最大の島
ランタオ島の連なる山々/村落はこんな感じ
ランタオ島(大嶼山/Lantau island)は山ではなく、香港島の約2倍の大きさの島で、香港の南西に位置します。空港、香港ディズニーランドがあるのがこの島です。ロープウェイや高さ34mの青銅製の天壇大仏、伝統的な水上家屋(棚屋)が残る漁村、大澳などでも知られています。ランタオトレイル(全長70km)は、鳳凰山、大東山をはじめとした山々を含み、島の深く豊かな自然を堪能できるコースになっています。周回するこのトレイルのスタート地点となる梅窩(Mui Wo)は、セントラルから高速船で約30分です。
フェリーターミナルからサイクリングトラック沿いに歩くと、すぐに銀礦ビーチにでます。小川の橋を渡り、村落や畑、水牛がのんびりしている中を行くと、1996年に閉鎖された鉱山の跡地があります。鉛鉱石から少量の銀も取れたようです。銀礦瀑布(silver mine waterfall)はそこから案内通り、すぐの場所にあります。
野生の水牛/鉱山跡地
さらにその近くにあるもう一つの銀龍瀑布(Pearl waterfall)は、少し獣道的なところから入ります。どちらも小さいながら、水量が多い時期は、なかなか迫力があり、夏場に改めて訪れたいところです。
乾期の銀礦瀑布/銀龍瀑布 ぜひ雨季の画像をググってみてください
おいしい食事も好アクセス
この辺でお腹が空いたらフェリーターミナル方面へ戻ると、レストランやカフェがいくつかありますが、香港らしい、熟食(市場のフードコート)内の海鮮レストランへ行きました。
お店の人はみんな明るく、いつも家族連れやハイキンググループで賑わっています。お茶のチョイスはプーアール熟茶かジャスミン茶でしたが、お湯だけもらって、持参した茶葉で淹れることもできます。ゴーっという中華鍋の音を背に聞きながら、海を前にのどかな雰囲気の中で「鑊氣」溢れる料理をいただきました。「鑊氣(wok hei)」とは、特に広東料理で重要視される概念で、高温の中華鍋で強火を使って短時間に調理される際に生まれる、独特の風味や香り、食感を意味します。大火力で鍋を扱う、料理人の腕の見せ所です。
この火力/香港らしい海鮮料理
香港ハイキングは、消費したカロリーはすぐに補充されてしまうのが悩ましいところです。ちなみにわたしのハイキングのグループ名は「hiking for good food」です。お茶セットを持参して、「hiking for good tea」でもいいですね。
Chikako
トロント、NY、シンガポール、今は香港に在住。
各地のライフスタイルや食文化にインスパイアされた器を製作してきた。
香港では中国茶器を楽しくコツコツ製作。
お茶のワークショップも不定期に活動中。
IG : cnycstudio
お茶のワークショップIG : sound_and_tea_room
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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