2023/03/07

今回ご紹介するのは、香港の道教のお寺のイメージとは真逆の仏教の寺院と関係する場所です。風水的にも大変こだわって建設されたパワースポットで、静かに時を過ごしたら、頭の中のゴチャゴチャをリセットできるかもしれません。今回は編集部も大好きな都会の喧騒から離れて心静かに静寂を楽しめる場所。題して『「静」を味わう香港パワースポット3選』をお届けします。

※サムネイルの写真は慈山寺

)心經簡林へのハイキングと天壇大仏でリフレッシュ

2)慈山寺の修行体験で心を整え良い気を感じて

3)癒される南蓮園池と厳かな志蓮浄苑
~喧騒の中の隠れスポット~


 

)心經簡林へのハイキングと天壇大仏でリフレッシュ

香港の大嶼(ランタオ)島の天壇大仏と言えば、知らない人はいないほど香港を語る上で必ず登場するアイコン。世界最大級、標高520mの昂坪高原木魚峰に鎮座する大仏として、香港を訪れたら一度は拝むべき名所ともなっています。

今回わたしは大仏様のリノベートが終わって初めて訪れました。平日ということもありまだまだ観光客も少なくそこまで混雑を気にせず、のんびりと過ごすことができました。

実は今回いつもと全く違うルートで天壇大仏を目指すことにしました。連れて行ってくれたのは、レイキ師範で香港在住20年以上の笹木さとえさんです。びっくりするようなルートで盛りだくさんの1日となりました。

朝、セントラルフェリー6番乗り場から梅窩(ムイオー)行きのフェリーに乗船。梅窩から30分船に揺られ石壁貯水湖まで行きます。そこはちょうど天壇大仏の背中側になり、まずは心經簡林(ハートスートラ)の入口を目指してハイキングとなります。しかも!帰りはケーブルカーかバスという選択もあり、歩いて帰らなくても良い(笑)ルートです。到着すれば無限大のように建つ38本の柱が香港のパワースポットとも称される心經簡林で、マインドフルに静かに8の字に沿って歩いてまわることが可能。柱には《 摩訶般若波羅蜜多心經 (中国語版の般若心経)が記されています。

さて、鳳凰山の鳳凰径(Lantau Trail)は全長70km 、ハイキングは難易度の異なる12セクションがあるそうで、今回はその初心者コースを歩きました。とはいえ、わたしのように出不精、運動不足の人は、やっぱりちょっとしんどいと思うかもしれません。なにしろ、約500mを徒歩で上がっていくわけですので、やっぱり多少は急な階段や坂道はあります。息が上がることもあります。でも総じてそこまできついハイキングではありません。小学生高学年の子どもも一緒に歩くことができるでしょう。

歩いて行くとパッと視界が開けることもあり、その時に見る絶景はハイキングの醍醐味。土の香り、木々の香りを思いっきり吸い込みながら歩くとだんだんとハイになってくるようでもあり、五感を使ってリフレッシュできる素晴らしい経験でした。初心者コースとはいえ、歩きやすい靴、服装、水筒、帽子、タオル、スナックなどは持って行かれることをおすすめします。サンドフライなどの虫刺され対策もお忘れなく。Hong Kong LEIではこのコースをレイキの呼吸法とともに体験できますのでよかったら<こちら>をご覧ください。2023年上半期のイベントの最終日は4月2日になります。その後は秋冬シーズンでの開催となります。

途中で少し休憩をしながら、わたしたちはおよそ2時間半かけて心經簡林の入口に到着しました。心経簡林は、2005年に完成した比較的新しいスポットです。梨の木で作られた38本の柱に中国語版の般若心経が書かれています。柱は長さ約8~10m、幅約1mで、無限を表すの形で配置されています。丘の最も高い位置にある柱(23番目)は、般若心経の「空」の概念を象徴するため、何も刻まれていない空白の柱となっています。

実際生で見ると、柱の大きさと迫力ある存在感に圧倒され異次元にいる気分。ここは一説には地球のおヘソにあたる部分と言われているそうで、それがパワースポットの所以かもしれません。ここでは気持ちを整えて、足裏の感覚に注意を向けて、丁寧に観察しながら歩いていく「歩く瞑想」をやってみてください。

心經簡林(ハートスートラ)wisdom path

The Wisdom Path (tourism.gov.hk)

 

さて、一通り歩き終わったら、ちょうどお昼時。寶蓮寺(ポーリン寺)の中にあるベジタリアンレストランの寶蓮禪寺齋堂で精進料理の昼食をすることに。

窓口でセットメニューの料金HK$150を支払います。お料理は3人のコースで一汁四菜とご飯がいただけます。全てシンプルで優しいお味。ハイキングの後の疲れた身体にはちょうど良いランチです。

寶蓮禅寺は、天壇大仏に面した昂平高原にあり、以前は「大茅蓬」という名でした。1906年に建てられ、1924年に寶蓮禅寺と改名されました。香港四大禅林の中で一番有名な寺と言われており、世界的にも有名な寺院の一つです。

現在2つの展示会が開催されています。天壇大仏は、高さ34m、250トンのブロンズを12年かけて鋳造し、1993年に開眼供養されました。

ここでは去年2年半に渡る補修工事を終了した大仏の工事の模様をドキュメントしたものや、大仏の詳細について学ぶことができます。香港の高温多湿の気候や、海風や太陽の日差しにさらされて劣化したことから2020年6月から補修工事を開始。20221210日から一般公開を再開しました。

 

LEIコラム「Old Hong Kong in Colour(彩られ蘇る香港今昔)」で写真をシェアしていただいているインスタグラム「Old Hong Kong in Colour」に、1990年に撮影された天壇大仏の様子があるのでご覧ください。

 

さて、本日の最終目的地、大仏を目指しましょう。

天壇大仏に行く前に、大仏様にお話ができるスポットがあるということで行くことに。寶蓮禅寺と大仏の間にある広場には、「北京天壇圜丘(皇帝が天に祈りを捧げる場所)」を想起させる三層の円形石壇があります。この石壇の中央に立つと、ちょうど真向かいにある天壇大仏と一直線に繋がります。大仏様にお話をしたい人、自分の目標を伝えたい人、お願いをしたい人はこの中心に立って、声を出して語りかけましょう。大事なことは声を出すことです。驚く音響効果を体験することが!!

ひとしきり驚いた後は、いざ天壇大仏の268段の階段へ!これがかなりきつい(笑)ゆっくり登ります。大きな大仏様に吸い込まれるように、なんとか最後まで登り切りました。

大仏の座り方は、釈迦が菩提樹の下で悟った時の座り方になっているそうです。また、右手はすべての生き物を痛苦から救いたいという慈悲の願いを表す「無畏印」を、左手は手のひらを見せ、すべての生き物の祝福を意味する「与願印」を示しています。(「無畏印」「予願印」は日本の仏教の意味とは少し違います)

台座の左右に三体ずつ、六天母像が大仏を囲んでいます。大仏に向かって捧げている物は、悟りを開くための修行徳目「六波羅密(佈施、持戒、忍辱、精進、禪定、智慧)」を象徴しているそうです。

またもや一望できる展望台より。

間近に見ると半眼の表情までしっかりわかって迫力満点。展望台をぐるりと歩くこともできるので後ろ姿もしっかり間近で見ることも可能。台座の中は展示室になっています(撮影禁止)。

さて、下界に降りると、このあたりにはのんびりと散策中の牛やゴロゴロ昼寝をしている野良犬ののどかな風景が見られます(笑)。

 

昂坪村ではお土産やアトラクションなどもあります。スナックなどが食べられるレストランもあります。

帰りはケーブルカーを利用することに。最近クリスタルと呼ばれる底が透明なケーブルカーも登場し、数台に1台回ってくるので特別料金で乗ることも可能。ただしかなりスリリングなので高いところが苦手な方は、普通のケーブルカーでも十分です。

乗車時間はおよそ25分、距離にして5.7km。方向転換するポイントが2か所あり、特に高い位置で接続変更して向きが変わる時はケーブルカーが揺れて肝を冷やしました。が、乗り心地は悪くありませんでした。強風の時は運行を見合わせる時もあるようですが、普通であれば左右に揺れることもなく安定性はあったように思います。

ハイキングしている人を発見!

一台に10人乗れるので相乗りになる場合もあります。また土日は混雑するので待ち時間が1時間となることも。最終が18時までなので乗車を希望する場合は計画的に!またトンチョンまでのバスもケーブルカーより安価で往復運行していますが、平日と土日では本数と時間も変動するのでしっかり調べていきましょう。

昂坪(ゴンピン)360
昂坪360 官方網站 | 香港旅遊必去景點 (np360.com.hk)

素晴らしい眺め。

この日は結局、家を出てから帰宅するまで2万3千歩、距離にして13.2km歩いたのでした。ちなみに消費カロリーは1800でした。日頃運動をあまりしないわたしは、帰ってきてからぐったりするかと思いきや結構元気で気分も良く、数日してもひどい筋肉痛になることもなく快適に過ごせました。気の良い所に行くと元気をもらえるのではと思いました。

大嶼山昂平寶蓮禅寺
住所)新界離島大嶼山昂平寶蓮禅寺
開放時間)
寶蓮寺 10:00-18:00 
天壇大仏 10:00-17:30

 

慈山寺の修行体験で心を整え良い気を感じて 

  1ー

 

 

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください

意見を投稿する

Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

Translate »