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2026/09/26

AIFFJ

AIと人間が共創することによって生まれる新たな映像・音楽表現の可能性を探求する、日本初・アジア最大級の国際映画祭プラットフォーム「AI Film Festival Japan(AIFJ)」。単に完成した映像作品を審査して表彰する従来のコンテストにとどまらず、クリエイターによる制作実践の場である「ファンドリー」、企業やメディアとの対話を深める「フォーラム」、そしてその集大成として成果を発表・上映する「フェスティバル」が三位一体となって、クリエイターと産業界をつなぐ巨大なエコシステムとして、新たなカルチャーを創出しています。今回はAI日本国際映画祭の発起人の栗本一紀氏に映画祭についてお聞きするだけでなく、実際のクリエーター、ケニックス・マ(Kennex Ma)氏に創作者の立場からもお話を伺いました。


目次

AI Film Festival Japan(AIFJ)とは
AI日本映画祭発起人、栗本一紀氏に聞く

香港出身のクリエーター、ケニックス・マ氏にAI映画制作について聞く


 

AI日本映画祭発起人、栗本一紀氏

ニューヨーク、東京、パリ、ドバイなど20年以上にわたるグローバルな経験を持つ放送プロデューサー兼メディア・エグゼクティブ。報道の最前線、国際ジャーナリズム、最先端のメディア技術におけるエキスパート。AIとストーリーテリングの交差点におけるビジョナリー・リーダーとして、現在、日本初となるAI日本国際映画祭の創設者で実行委員長を務める。

栗本氏(中央白いシャツ)実行委員会のメンバーらと

栗本さんもご自身でAI作品を手がけるクリエイターだと伺いました。そもそも「AI日本国際映画祭」を立ち上げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

ーきっかけは、わたしの無二の親友であったジャーナリスト・後藤健二の十回忌(2025年2月)に向けて、自分自身でAIを使ったショートドキュメンタリーを制作したことでした。
健二は、世界中の紛争地や困難な状況に置かれた人々の現実を、命がけで世界に伝え続けたジャーナリストです。彼が遺した言葉は、わたしたちに命の尊さや家族の絆の温もりを強く問いかけるものであり、今なお多くの人々の心に響き続けています。十回忌を迎えるにあたり、彼の志を風化させず未来へと繋ぎ、混迷を深める現代にこそ必要なメッセージをもう一度届けたいと考え、映画の制作を決意しました。
その制作過程で、彼が遺した過去の著作や取材映像を基に最新の生成AI技術を用い、「もし健二が今の世界に生きていたなら、私たちにどんな言葉を投げかけただろうか」という問いを映像として紡ぎ出しました。AI技術を通じて、彼が伝えようとしたメッセージを現代の若者や視聴者に向けて再び息づかせることができたのです。
この経験を通して、わたしは「AIによる映画作り」は単なる技術の誇示や効率化ではなく、人間の記憶や祈り、想いそのものを時空を超えて形にする、芸術以上の力を持っていると確信しました。そうした可能性を秘めた作品を広く世界中から募り、クリエイターたちが国境を越えて発表し合える場を日本、そしてアジアに創りたいと思い、この映画祭を立ち上げました。

 

栗本氏が製作した『ジャーナリスト・後藤健二〜未来からのメッセージ』

AI日本国際映画祭はどのような目的で開催されているのか教えてください。

-AIFJの根底に流れているのは、「AIは人間の代替ではなく、創造性をどこまでも拡張するためのパートナーである」という思想です。この思想のもと、映画祭は主に三つの明確な目的を掲げて展開されています。

1つ目は、先進的なツールと独自のアイデアを駆使して新たな表現領域に挑む次世代の才能を発掘し、正当に評価すること。
2つ目は、クリエイターが生み出した素晴らしい作品やIP(知的財産)を単なる『一回限りの発表』で終わらせず、企業や制作会社、出資者、ひいてはグローバル市場へとつなぎ、商業化やプロジェクト展開を多角的に後押しする役割を果たすこと。
3つ目は、権利処理や倫理的基準も含めた『責任ある技術活用』の指針を示し、健全なクリエイティブ産業の発展を牽引していくことです。

どんな人が作品を応募していますか?

-映画祭に応募するクリエイターのバックグラウンドは多種多様で、国境やプロ・アマ問わず人々が集結しています。

既存の映画やアニメーションの第一線で活躍するプロの映像監督やCGクリエイターたちです。彼らは従来の制作ワークフローにAIを組み込むことで、これまでは莫大な予算と期間を要していたスケールの大きい表現を少人数かつ短期間で実現しようと挑んでいます。また、これまで資金面や人員の制約から大規模な映像化を諦めていた個人クリエイターやインディーズ作家たちにとっても、AIFJは最高の挑戦の場となっています。AIツールを駆使し、頭の中にある物語を自力で完全な映像作品へと昇華させてエントリーしてきます。そして、新設された劇伴音楽部門などを通じて、映像と音の融合を追求する音楽家やサウンドデザイナーの参加も急増しています。

同時通訳で展開されるトークセッション

今回の映画祭は3日間続くイベントになるそうですが、その内容はどんなものになりますか?

-2026年秋開催される映画祭は、、さらにスケールアップした内容が予定されています。まず、作品の出願の締め切りは9月30日です。興味ある方は忘れずに提出してください。今回間に合わなくても年に2回映画祭は開催されますので、ご自身で納得するものを提出するのが良いでしょう。

期間中はノミネート作品の上映や授賞式をはじめ、映画・アニメ・テクノロジー業界のキーパーソンが登壇するトークセッション、さらにはパートナー企業による最新AIツールの体験ブースなど、多彩なプログラムが繰り広げられます。作品公募は国際的なエントリープラットフォーム「FilmFreeway」を通じて行われており、「AI映画」「AIアニメーション」といった定番の部門に加え、音で作品を彩る「劇伴音楽部門」など新たな表現の窓口も広がっています。

見どころが盛りだくさんですね! 観客として訪れる際のおすすめの楽しみ方を教えてください。

-映画祭の会場(Tokyo Innovation Base)は、単にスクリーンを眺めるだけの場所ではなく、最先端のクリエイティビティを五感で「体験し、語り合う場」になっています。
まずはぜひ、世界数十カ国から集まった選りすぐりのノミネート作品を大画面と良質な音響で体感してください。実写と見紛うシネマティックな短編から、ケニックス・マ氏が審査に携わった独創的なアニメーション、そして今年新設された「*劇伴音楽部門」まで、既存の映画の枠組みを超えた多様な表現に出会えるはずです。(*劇伴音楽部門については次のページで詳しくご紹介しています)
そして上映の合間には、パートナー企業による「最新AIツールの体験ブース」にも立ち寄ってみてください。普段は触れる機会のない最先端の映像・音楽生成ツールをその場で体験でき、「自分も何か作ってみたい!」という創作のスイッチが押される感覚を味わっていただけると思います。
さらに、会場には国内外から監督やクリエイター、第一線のプロフェッショナルが集まります。トークセッションを聞くだけでなく、ネットワーキングの場などで気軽に作り手たちと言葉を交わし、作品の裏側にあるアイデアや情熱に直接触れていただくのが、この映画祭ならではの最高の過ごし方です。

 

最後に『Hong Kong LEI』の読者へメッセージをお願いします!

-「AI映画」と聞くと、どこか未来的で難解なもの、あるいは専門的な知識を持った一部の人たちだけの世界のように感じられるかもしれません。しかし、わたしが親友の映画を作ったとき、そして今回ケニックス・マ氏のような才能あふれるクリエイターと国境を越えて協業する中で実感したのは、AIの本質とは「誰もが心の中に持っている物語や感情を解き放つための、新しい筆(キャンバス)」に過ぎないということです。
香港は、古くから多様な文化が交差しいつも新しいエネルギーに満ちた、アジア屈指のクリエイティブな街です。そうした街で暮らす読者の皆様の中にも、日々の生活の中で感じたことや、誰かに伝えたい大切な想いがあるはずです。AIという新しい道具は、これまで映像制作に関わりのなかった方々のその想いを、映画という形にする扉を開いてくれます。
東京の会場にお越しいただける方はぜひ、人間とAIが共に紡ぎ出す新しい物語の息吹を肌で感じてみてください。そしていつか、香港の読者の皆様が作った素晴らしい物語が、この映画祭のスクリーンに映し出される日を心から楽しみにしています!

AI日本国際映画祭は、これまでの映像制作の常識を打ち破り、「誰もが胸に秘めた物語を形にし、世界へ発信できる時代」の到来を象徴する場所です。最新技術がもたらす映像体験に刺激を受ける観客として参加するも良し、自らのクリエイティビティを世界へ問う挑戦者として応募するも良し。そしてそれをIP利用する企業として参加するも良し。AIと人間が織りなす新しい映画史の1ページを一緒にめくってみてはいかがでしょうか。(編集部)

写真はhttps://filmfreeway.com/AIFilmFestivalJapan2026/photosから転載しました。

第2回 AI Film Festival Japan:  AI日本国際映画祭

会期:2026年10月31日(土)から11月2日(月)まで
会場:東京・丸の内の「Tokyo Innovation Base(TiB)」
第2回、作品出願締め切りは2026年9月30日

映画祭Webサイト:https://aifilm.jp/
お問い合わせはこちら

香港出身のクリエーター、ケニックス・マ氏にAI映画制作について聞く

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