2023/06/12

ラクサ:ラクサ(Laksa)は、ガランガルやターメリックなどの香辛料が効いた東南アジアの麺料理(Wikipedia「ラクサ」の項より)。

 

いよいよ香港の暑い夏がやってきました。ジリジリと照り付ける太陽に、いきなりやってくる雷雨、そしてひたすら続く蒸し暑さ。こんな時期にはそうめんのようにひんやりした食べ物もさることながら、あえてホットでスパイシーなものを食べて、新陳代謝を活性化させたくなりませんか? そう、ラクサとか!

九龍の中心部、尖沙咀から電車に乗ること30分、そこからさらに徒歩10分。のどかな新界・錦田の、これまたのどかな平屋の建物にある「林園冰室」は、地元の人で賑わうどこにでもありそうな茶餐廳です。それほど広くない店内にはあちこちに荷物が置かれていて、左右に並ぶボックス席の間を丸テーブルがいくつか、そして入口の上にはテレビという、「田舎の標準茶餐廳」とでもいえるようなお店ですが、ここの名物はなぜかラクサ。

ラクサといえば、シンガポールやマレーシアなど東南アジアでお馴染みの、シーフードなどが入ったちょっとスパイシーな麺料理。香港でも、都心部やショッピングモールの中にあるようなシンガポール・マレーシア料理店では定番メニューのひとつとなっていますから、目にする機会があるかもしれません。地域によって具や味付け、使われる麺が異なるので、「ペナンラクサ」「ジョホールラクサ」「カトンラクサ」というように地名が頭についていたりもします。

マレーシアの『ジョホールラクサ』

そんなラクサが、国際色豊かな都心部ではなく、のんびりした雰囲気を持つ錦田の、それも茶餐廳でなぜか名物メニューになっているのです。どう考えてもシンガポーリアンもマレーシアンもそれほど住んでなさそうですし、お店の人がそちらにゆかりがあるように思えません。しかしこのラクサ、わたしのように一部の好事家を虜にしてしまう、あなどれない味なのです。

林園冰室のメニュー

数多くのバラエティーを誇る東南アジアのラクサの中でも、ここのラクサはおそらくクアラルンプール式のカレーラクサに近い、スープにココナッツミルクが入ったもの。麺は米線(ライスヌードル)や米粉(ビーフン)だけでなく、本場っぽさが出る黄色い油麵(かん水麺)も選べます。エビや魚片(香港式かまぼこ)、豆朴(厚揚げ)、ゆでたまごといった具材と麺、そしてココナッツミルクのおかげでマイルドな辛さのクリーミーなスープとが交じりあうと、新界にいることを忘れて舌だけ東南アジアにワープできそうです! 洗練された味わいではなく、どちらかというとローカルなこってりテイストなのですが、何故かクセになって何度も食べたくなってしまうし、気が付くとスープを飲み干してしまう、不思議な魅力が林園冰室のラクサにはあります。

ちなみに林園冰室は、ラクサだけでなく凍檸茶(アイスレモンティー)もおいしいお店です。最近はすっかり3ー4枚が標準になってしまった凍檸茶のレモンの枚数が、ここでは平均5枚! ちょっとスパイシーなラクサと、すっきりとした飲み口の凍檸茶との組み合わせは、おそらく本場シンガポール・マレーシアでも出来ない体験ではないでしょうか。

とにかく出しているメニューのバリエーションが多い香港の茶餐廳、林園冰室のラクサ以外にも、茶餐廳らしからぬ、海外のご当地メニューを取り入れたお店がまだまだあるかもしれません。世界を、東南アジアを感じるメニューがある茶餐廳、あなたも探してみませんか?


akiramujina

九龍を拠点に「茶餐廳愛好家」を勝手に名乗り、ほぼ毎日茶餐廳や冰室に足を運んでいる在港日本人。
趣味は旅行と茶餐廳めぐり。コロナ禍で旅行ができない今は年100店以上の茶餐廳訪問と、年300杯以上の港式奶茶を目標にしています。
どこへでも行くフットワークの軽さが自慢ですが、どこででも食べてばかりいるせいで自身の重さが悩み。
TwitterとInstagramでも食べ物の話ばかりしています。

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