2024/10/28
Photo by Takeshi Yao
9月27日から約2ヶ月にわたって開催されるAsia + Festival。アジアを中心におよそ30の国から、100以上のパフォーマンスが香港にやってくるこのイベントに、今回、日本から『+1+1+1+』(プラスワン、プラスワン、プラスワン、プラス)が登場!
型にとらわれない緻密で正確なダンス、コンピューターで作り上げられる音楽、そして舞台上に繰り広げられる立体的な光と映像の交錯。その全てが混ざりあって織りなす光景はまるで近未来へ迷い込んだかのよう……。
ディレクション・音楽・映像の真鍋大度さんは、この作品について
“古典的な音楽構造と現代的なリズムの反復を融合させ、音楽とダンスの境界を超える試みを行います。伝統と現代が交錯するこのプロジェクトでは、デジタル技術を駆使し、観る者に未知の体験を提供することを目指しています。音楽とダンス、そしてテクノロジーが織りなす新しい芸術表現の可能性を探求することで、感覚の境界を超えた新たな発見を追求しています” と以前述べています。
Hong Kong LEIでは、今回このお二人に、インタビューを行い、作品に関してや香港の皆様へのメッセージをお伺いしました。
ディレクション・音楽・映像担当の真鍋大度氏。メディアアーティスト、プログラマー、作曲家として多方面で活躍中。音楽家の両親のもとに生まれ、小学生の頃は、好きが高じてコンピューターでゲームを作っていたという。東京理科大学理学部数学科および国際情報科学芸術アカデミー卒業。その後参加したダンスプロジェクトがきっかけで『身体』と『テクノロジー』に着目した作品を作るようになる。2006年株式会社Rhizomatiks(ライゾマティクス)設立。Björk、坂本龍一やPerfumeなど著名人との数多くの仕事でテクノロジー面の制作や演出を担っている。
演出・振付担当のMIKIKO氏。「“心・技・体”はもちろん、センスの磨かれた素敵なダンサーが生まれますように」との願いを込めて、2009年、ダンスカンパニーELEVENPLAYを立ち上げた。Perfume、BABYMETALを始めとする数多くの有名アーティストの振付やライブ演出を行う。またRhizomatiksとのコラボレーションでメディアアートパフォーマンス等の海外公演も精力的にこなしている。
― 演目名『+1+1+1+』はどのようにしてつけられたのでしょう?
MIKIKOさん(以下M):ダンサー4人に、紗幕に映る幾何学模様がプラスされてステージが成り立っています。その全体的なイメージを文字に反映しました。
― 作品はお二人で話し合いながら作り進めるのですか?
大度さん(以下D):ダンスに関して僕は口出しすることはありませんが、映像とダンスの関係性を作る時は、スタジオに入って実際に実験をして話し合います。今でこそそんなに激しい議論はないですけど、昔はね、ありましたね(笑)。
M:(笑)15年も一緒にやっているので、もう“ここは大度さんの言うことを聞いた方が絶対に良くなる”などポイントがだいぶわかってきました。あとは、二人の中心に音楽がありますが、振付の為に意識したいポイントは言わなくてもわかってもらえる、というような信頼感があります。
Photo by Takeshi Yao
― ズバリ、公演の見所を教えてください。
M:細かい振りのシンクロ性の高いダンサー達が映像とコラボレーションをします。その仕掛けはシンプルなのですが、シンプルだからこそ「ハッ」とする気づきがあるので、是非そこを見てもらいたいですね。また大度さんが全て作曲なさっていますが、今までとちょっと違ったアプローチの音楽の意外性も楽しんでいただきたいです。
D:それぞれ緻密に作り上げられた音楽、映像、ダンス。それらの融合がこれまたかなり精度高く仕上がりました。それは同じチームで15年も一緒にやってきたからこそ達したクオリティだと思っています。そこを是非、堪能していただきたいです。
Photo by Takeshi Yao
― 観客が『香港の人』というのを意識された部分はありますか?
D:それはないですね。自分たちがいつもやっていることを忠実に表現することが一番大切だと思っています。世界中をツアーで回りますけれど、作品を作る時に『日本らしく作る』ということは一切意識しないでやっています。でも、日本っぽいとよく言われるんですよね。そこが面白い部分だな、と思っていて、ぜひその部分を皆様にも感じとってもらえたらいいな、とは思っています。
― 香港の皆さんへのメッセージをお願いします。
M:香港で上演できること、とても嬉しく思っています。コロナ禍も手伝い、皆さん、画面上で色々なものを見ることに慣れてきているとは思いますが、でもやはり舞台で、進化した映像技術と生身の人間のダンスがかけ合わさった時の、ライブでしか得られない感動があります。ぜひ、皆様に劇場で見ていただき高い没入感を体験してもらいたいと思っています!
言葉では伝え切ることのできない、精密に作り上げられた音楽、映像、そしてそれらが人間の踊るダンスと融合されていく舞台。世界で羽ばたく真鍋大度xELEVENPLAYの最新作を香港で見られるまたとない機会ですので、ぜひ香港文化センター大ホールに足を運んでみてくださいね。
Photo by Takeshi Yao
Rhizomatiks x ELEVENPLAY の作品 “multiplex” (2021)
『+1+1+1+』
日時:11月8日(金)及び9日(土)午後7時半
場所:Grand Theatre, Hong Kong Cultural Centre
チケット価格:HK$580, HK$480, HK$360, HK$240*
*一部視野制限席
学生及びシニア料金:半額
チケットはURBTIXにて販売中
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