2023/03/07

今回ご紹介するのは、香港の道教のお寺のイメージとは真逆の仏教の寺院と関係する場所です。風水的にも大変こだわって建設されたパワースポットで、そこで静かに時を過ごしたら、頭の中のゴチャゴチャをリセットできるかもしれません。今回は編集部も大好きな都会の喧騒から離れて心静かに静寂を楽しめる場所。題して『「静」を味わう香港パワースポット3選』をお届けします。このページはパート3です。


心經簡林へのハイキングと天壇大仏でリフレッシュ

2)慈山寺の修行体験で心を整え良い気を感じて

3)癒される南蓮園池と厳かな志蓮浄苑
~喧騒の中の隠れスポット~

3)癒される南蓮園池と厳かな志蓮浄苑~喧騒の中の隠れスポット~

南蓮園池は、香港のど真ん中にありながら派手さのないものの美しい石庭、池、唐朝時代の建設を模した寺が見ものの観光スポットとなっています。実は筆者は10年以上香港にいながらにして初めての訪問。いつもバスなどで横を通り過ぎて、素敵な庭園があるなと思いつつ素通りしていました。なんと勿体無いことをしてきたことかと今回猛省しました。

こちらも例に漏れず、土地の流れなど地勢を見ながら建築物と池や水の流れを配置。風水的にも陰陽のバランスをよく考えられているのです。

志蓮浄苑は、1930年代に僧侶たちの修行場所を作ったことが始まりで、1990年代に全面的に移築、改築され2000年5月に現在の姿になりました。唐朝時代の形式と釘を使わないなどの伝統技法を厳格に守り、仏教「伽藍七室」に沿った唐木造りの模像仏殿として建てられました。その後香港政府の協力により、寺院に隣接する敷地に隋唐時代の庭園「江湖荘」を参考にした唐風公園「南蓮園池」を建設、2012年に中国の世界遺産に登録されたそうです。

https://chilin.org

さて、MTRの鑽石山(ダイアモンドヒル)駅から徒歩2分程度。総面積33000㎡の割には地味な門構えの南蓮園池から足を踏み入れましょう。

入場無料、予約など必要なく、思い立った時にフラッと立ち寄れます。中に入ってみると、庭園らしく観光客で賑わっていました。かなり気軽に散策できそうな場所です。

南蓮園池
住所)九龍鑽石山鳳德道60
開放時間):0021:00
志蓮淨苑聯系我們 (chilin.org)

 

志蓮浄苑の唐朝時代の木造建築を模したとても精巧なミニチュア模造建築物が展示されていて、その様式や作り方などを俯瞰して学ぶことができます。

中國木結構建築藝術館 Chinese Timber Architecture Gallery
10:00 – 18:00

 

以前、コラム「キリ流香港散歩」でもご紹介させていただいています。

第4回 キリ流香港散策🇭🇰「古き良き中国」は現代香港の志蓮淨苑にあり:鑽石山の唐風建築屋敷

 

石の展示スペースもあります(石館 Rockery 10:00 – 18:00)。また、池を挟んで反対側には年間さまざまな催し物が行われる展示スペースもあります。

香海軒 Xiang Hai Xuan Multi-purpose Hall
10:00 – 17:00

 

奥には精進料理を出してくれるレストラン。点心などを食べに定期的に訪れる香港人も少なくないようです。

滝の奥がレストランです。人気のレストランなので予約した方が良いとのこと。

志蓮素齋
營業時間)

月曜~金曜
 Lunch 12:0015:0
 Dinner 18:0021:00

土曜
Lunch 12:0015:30
Afternoon Tea 15:3017:30
Dinner 18:0021:00

 日曜、祝日
 Lunch 12:0015:30
Afternoon Tea 15:3017:30
Dinner 18:0021:00

Booking and enquiry
3658 9388

志蓮素齋(Chi Lin Vegetarian) | Hong Kong Tourism Board (discoverhongkong.com)

 

日本の参道を思い浮かべる通りがあり、ヌードルやジュースなどがいただける軽食屋さんや、お土産屋さんが並んでいます。

 

今回わたしたちは中国茶が大好きな友達と一緒に中国茶館を訪れました。なんとメニューを見るとかなり高額なお茶が目に飛び込んできたので、少々たじろいだのですが、これらは一人一人お茶をオーダーしなくてもシェアして良いそう。

一番小さい量の6gでおよそ3人〜4人で2回ぐらいは十分飲めるようです。

ちょっと入り口が奥まったところに。

靴は脱いでスリッパに履き替えます。目の前には立派な石庭が。

中は、撮影禁止ですが、バーカウンターのようなところと、ブース席が3列に渡って配置されていて、ブースがそれぞれ分かれているのでかなりプライベート感はあります。お友達と行かれる場合は5名以上になると席が離れてしまいます。

この茶館の面白いのは、お茶を自分で沸かして淹れる楽しさもあることです。注文の仕方としては、一人最低1つのお茶料金と決まっているので、一番安いお茶料金のHK$160を一人使えば良いことになります。お茶を1つ頼んで、点心と組み合わせて頼むなどしても良いです。

席に着いた途端に目の前に広がる中国茶道セットにワクワクします。とはいえ「静」(静かに)と注意書きが出ていますので、大声でのお喋りは慎みましょう。

今回わたしたちが選んだのが岩茶の肉佳王という烏龍茶です。キンモクセイの香りがするお茶と知られています。肉佳に王というからにはグレードは高めの肉佳なのかもしれません。お茶は淹れても、飲んでも心が整う気がします。

やさしい香りのするお茶でした。結局5煎ぐらいは飲んだかもしれません(笑)。

松茶榭 Song Cha Xie Teahouse
12:00 – 19:00

 

さて、お茶を楽しんでゆったりした気分になったところで、いよいよ志蓮浄苑に足を踏み入れます。志蓮浄苑は道路を境に庭園とお寺が分かれているので、南蓮園池から志蓮浄苑に行くには白い歩道橋を渡って入場します。ここから俄然観光客が少なくなっていました。

志蓮浄苑
住所)九龍鑽石山志蓮道五號
開放時間):0016:30
志蓮淨苑 (chilin.org)

開放感のある広場がまず目の前に広がります。美しい蓮の浮かんだ池に龍の口から水がほとばしっています。前に進んでいくとだんだん厳かな気分に。

ここからはインテリアの写真は禁止なので仏像が気になる方はWebサイト志蓮淨苑 (chilin.org)をご覧ください。まず最初は仏を守る門番の天王殿があります。

そこを抜けると正面の大雄殿(本殿)に向かって左手に観音殿、右手が薬師殿、そして正面の大雄殿には中央に釈迦、左手に文殊菩薩、右手に普賢菩薩が両脇を固めて鎮座しています。どれもとても大きな黄金の仏像なのでその迫力に圧倒されてしまいました。

大雄殿
観音殿
薬師殿

廊下には「静」の札が掲げられ、また戒律も掲げられています。

これらの建物は中庭を取り囲むように配置されているので、気を鎮め回廊をゆっくり歩き、順々にお参りすると良いでしょう。とにかくこんな街中の喧騒から隠れた場所に、落ち着いた素晴らしい寺院があることに驚いたのでした。

今回ご紹介している3ヶ所の中で一番アクセスがしやすいという面では、ちょっと気が向いた時にサクッと行けて、隙間時間を見つけて静かに自分を見つめることができる場所としては断然おすすめです。

そうしてもう1つ、寺院の裏手には、仏教や仏教哲学を学べたり、養老院や幼稚園、クリニック、夜間学習や文化学習(主に広東語)などができる学習施設、図書館などがあります。一般の人でも学びたい人は申し込みすれば参加できたり使用できますので、興味がある人は問い合わせてみてください

またお土産なども買えるブックストアーもあります。書籍や仏具、お香やお茶、お年寄りが利用するのであろう食材などを販売しています。

意藝品 Souvenir Shop
10:00-18:30

最後に南蓮園池に戻り、小腹がすいたので小食屋で軽食をいただきました。焼売やヌードルのセットなどがHK$50以下で食べられます。わたしは粽(ちまき)とスープのセットをいただきました。

お友達とでも1人でも楽しめる隠れスポット。少し時間が空いたら庭園をちょっと散歩するだけでも頭がスッキリしたリ、心が整ったりすると思います。

小食屋 Snack Shop
:30 – 17:30

 

今月のHello from Editor、「静」を味わう香港パワースポット3選はいかがでしたか? 始まりと終わりが交差する春に、静寂の中で自分と向き合って新しいスタートを切ってみるのもいいかもしれません。

 

「静」を味わう香港パワースポット3選/Hello from Editor

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