2023/03/07
今回ご紹介するのは、香港の道教のお寺のイメージとは真逆の仏教の寺院と関係する場所です。風水的にも大変こだわって建設されたパワースポットで、そこで静かに時を過ごしたら、頭の中のゴチャゴチャをリセットできるかもしれません。今回は編集部も大好きな都会の喧騒から離れて心静かに静寂を楽しめる場所。題して『「静」を味わう香港パワースポット3選』をお届けします。このページはパート2です。
2)慈山寺の修行体験で心を整え良い気を感じて
3)癒される南蓮園池と厳かな志蓮浄苑
~喧騒の中の隠れスポット~
2)慈山寺の修行体験で心を整え良い気を感じて
慈山寺は、香港の大富豪・李嘉誠(Li Ka-Shing)の李嘉誠基金は、土地の取得や建設費、修道院の運営費として32億香港ドル以上を出資して建てたお寺で、2015年に一般公開されました。一説には風水的に見て、最高の場所を時間をかけて探したと言われており、厳かでありながらも穏やかに流れる空気感が、気の良さを感じさせてくれる場所です。唐朝時代の建築様式を取り入れた仏教寺院なので、日本人のわたしたちが訪れると懐かしさを覚えます。慈山寺の象徴とも言えるのが、遠くからも見える全長76mの真っ白な観音像。少し前屈みに立っており、人の心を見透かしているようにも見えます。
境内に足を踏み入れると、「静」(静かに)という札があちこちに掲げられていて、参拝者は大声で話たり、はしゃいだりしないように求められます。また短パン、タンクトップでの入場もダメです。元々は修行寺として建立し、今も頻繁に修行者用の行事が行われています。そのため観光地ではないことから1日の入場者数の制限を設けており、参拝者の入場には事前予約が必要になります。特に年末年始、春節を挟んだ4〜5ヶ月は1ヶ月先まで予約でいっぱい。訪れてみたい方は、Web上で1ヶ月先の訪問予約が毎朝8時に受付開始になるので、時間になったらすぐにアクセスするのをおすすめします。
訪問には事前オンライン予約が必要です。個人での予約以外に、グループ代表者が予約を入れることも可能です。
慈山寺 – 登記來寺 (tszshan.org)
毎年春節の時期には特別なイベントが行われています。なかなか予約を取るのは難しそうですが、今回コラム「ダーリンは香港人 李家の休日」で今年の春節に訪れた様子を紹介してくれました。こちらもぜひご覧ください!
「ダーリンは香港人 李家の休日 第22回 予約困難。香港には珍しい静寂のパワースポット慈山寺の旧正月」
慈山寺は観光地ではないので、ツアーガイドのようなサービスはありませんが、慈山寺のアプリから音声ガイドを利用したり、QRコードを読ませて説明を見聞しながら各自が静かにまわることができます。
正面から入場する場合は、階段を上がったところにある門から入りましょう。
正面に向かって立つブロンズ製の2体の金剛力士。僧院を守っているそうです。
門の上部の札には、この門をくぐると、世俗の貪欲、憎悪、無知を傍に置き、清らかで平和で中庸な心で時を過ごすことになるという意味が刻まれています。
慈山寺広報のシンシアさんに案内いただきました。
大仏殿は、正面が7つの柱に分かれ、屋根の高さは18メートル。内部には、釈迦牟尼仏、薬師如来、阿弥陀如来の3つの仏像が安置されています。釈迦牟尼仏の両脇には、釈迦牟尼仏の弟子であるマハーカーシヤパ尊者と不動明王尊者が立っています。これらの仏像は、クスノキから彫られ、金粉、あるいは金箔が貼られています(大仏殿の内部は撮影禁止)。
さて、そろそろ、今回のハイライトをお伝えしましょう。慈山寺ではさまざまな「静」を実践する修行体験が可能です。仏教徒でなくとも希望すれば一通り何でも体験することができます。心を整えたい人や、特に気持ちがザワザワする人にはおすすめの体験は、観音様への供水、写経「抄經」、歩く瞑想です。
1.観音様へお水をお供えに(供水)。
慈山寺ではお線香をお供えしません。その代わり、お椀にお水をいっぱいにくみ、それを観音様が見下ろす先にある大きな釜へ注ぎにいきます。お椀を持って行く際は、マインドフルに。お水をこぼさないように足の運びに意識を集中して歩きましょう。一度のみならず、集中できるまで何度でもどうぞ。
かなり大きな鉢です。
2.観音様の足元を時計回りに3周歩く
供水の後に目の前の階段を上がり、観音様の足元の台座を静かに時計回りに3周歩いて心を整えましょう。願い事がある場合は、最後に正面に立ち、お願い事を。
時計回りに
3.写経「抄經」
時に場所が変更することがありますが、本堂などで写経を体験できます。写経用の用紙と筆ペンは用意してもらえます。とにかく静かに心を落ちつけて、意識を集中して1文字1文字下書きに沿って丁寧に書いていきます。隣の人と比べることなく、自分のスピードで書いていきましょう。書き終わったら、受付に持っていくとスタッフが印を押してくれますので、それを自宅に持って帰れます。
(室内は、撮影禁止です)
恥ずかしながら。参考までに、こんな感じでいただけます。
4.歩く瞑想
今年2月から始まったばかりの森の中で行われる歩く瞑想。現在は広東語でのみの開催となっていますが、観音像の裏の森をマインドフルに歩く方法を学びます。じっと座っての瞑想が得意ではない人は、この歩く瞑想の方がすんなりと集中できるかもしれません。実はこの方法は、日頃の生活にも取り入れやすいのでぜひ参加してコツを掴んでみてください。
観音像の裏手の山道を歩きます。人数制限があるのでレセプションで到着したらすぐに予約をしましょう(現在は広東語のみ)。
(ワークショップは撮影禁止です。一般の参拝者はユニフォームなどを着て行いません)
そしてー
慈山寺ではコロナ前にボランティアによるコーヒーやケーキが無料で振る舞われていましたが、おそらく再開ももうすぐと期待しましょう!(無料とはいえ心付けはした方が良いです)現在はテラス席で持参した軽食を食べることが可能です。ただしベジタリアンのものに限ります!
また観音像の足元で開館中なのがアジアで唯一の「佛教芸術博物館」。歴史的に多様な釈迦像や観音像などをインドや中国、日本からも収集。貴重な仏像を見ることができます。
QRコードを読ませてみると、仏像が3Dで360°背面、頭上、底面などからもみることができます。
これらをゆっくり回ると3時間ぐらいはあっという間に時間が経ってしまいます。
慈山寺への行き方は、ミニバスもありますが、予約の入場時間があるので行きは駅からタクシーをお勧めします。およそHK$70〜HK$80。観音像の写真を見せればどの運転手もすぐにわかります。
帰りはミニバスが境内から出ているのでそれに乗るとMTR駅まで乗車できます。ただし、本数が少なく、混んでる時は乗れないという事態もあるので、ミニバスに乗るなら早めに並んで待つことが得策です。
慈山寺
住所)香港新界大埔普門路88號
開放時間: 9:30~17:00
慈山寺 (tszshan.org)
慈山寺 佛教藝術博物館
毎週月曜休館(月曜が祝日の場合を除く)
10:00~13:00(最終入館12:15)
14:00~17:00(最終入館16:15)
Tsz Shan Monastery Buddhist Art Museum (tszshanmuseum.org)
行き方
https://www.tszshan.org/home/new/en/visit.php#transaction
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