2024/04/08
皆さんこんにちは。今回の香港暮らしで見つけた、ちょっといいものは香港製のおいしいお醤油です!
香港では昔ながらの調味料を販売する小さな老舗がどんどん少なくなっている中、地価も恐ろしく高い香港のど真ん中、中環という場所にお店を構えている『九龍醤園』をご紹介します。
ガイドブックなどでも「一流レストラン御用達」と時折紹介されています。と言っても、ファンシーな店構えではなく、小さな八百屋が立ち並ぶ路地の一角に違和感なく佇む昔ながらのローカル店です。それにしても、こんなストリートが中環のど真ん中にあるにも驚きですね。
九龍醤園は1917年創業。香港製の添加物を使わない醤油を生産販売していることで知られています。香港では20ものお店に卸しているそうです。
九龍醤園は、品質の良いものに敏感な友人が、ここの醤油は、添加物が入っていない素朴なお醤油でおいしくてクセになるとおすすめしてくれました。
足を踏み入れると、スタッフのおじさんが即座に声をかけてきました。
醤油が欲しいのですがというと、おじさんは、甘いの? 甘くないの? と聞いてきました。
う〜んと首を捻っていると、日本人? と聞いてきました。どうやらこの店は日本人の客が多いようです(ちなみにスタッフの中に日本語を喋る人もいるそう)。
3つのサイズがあります。
おじさんは即座に、
「それならこれ」
と言って、ためらいもなく1本650mlのプラスチックのボトルをボンとわたしの目の前に置きました。いくらですか?と聞くと、
「126ドル」
と笑顔で元気に答えました。値段の高さに耳を疑い聞き返すと、おじさんは笑顔を崩さずに、
「126ドルだよ」
と。650mlの醤油が126ドル(2024年4月のレートだと2400円程)は聞いたこともない金額で
「本当の金額ですか?」
と思わず目を細めて疑いの眼差しで聞いてみたら、またもや
「本当の金額です」とにこやかに回答。
「た、高い!!」
と叫ぶと、もっと小さいのがあるよと言って、中、小サイズを出してきました。中が250mlで66ドル。小が125mlで36ドルとのこと。
うーんと唸ってると、おじさんが、
「日本に持って帰るならお得サイズの大きいのがいいでしょう?」
と言うので、
「観光客じゃないんです。ここに住んでるんですよ」
と言うと、
「あーそうなんだ、ならこれがいいよ」
と言って今度は瓶詰めされた醤油を出してきました。これは500mlで108ドル。ローカルの人がよく買っていくというので、今回はこちらを購入しました。ちなみにこんなに高い醤油でも、お客様の味見はやっていないとのことです(涙)。また購入は現金のみだそうです。
おじさんが、
「うちには特製の醬もあるよ。日本人の好きな、甜麺醤や豆板醤も。どう?」
とこれまた誘惑が。麻婆豆腐が大好きなわたしは、豆板醤があるの?と聞くと、
「あるある、ちょっと待って」
と言って裏の冷蔵庫から冷えた瓶詰めの豆板醤を、すごくおいしいよと言いながら持ってきました。
「いくらですか?」
と聞くと、
「50ドル」
ちょっと高いけど、麻婆豆腐が好きなわたしは大衆ブランドのものしか買ったことがなかったので、この機会に買ってみることに。我ながらすぐに、いくら?と聞いてしまうあたり、随分香港人になったなと苦笑いしてしまいました。しかし、その辺は大事なところなのです。最初にはっきり聞くというのは、日本人が苦手でもありますが、慣れると全てがシンプルになって良いものでもあります。
この店には、そのほかに、乾燥梅や、らっきょうや生姜の酢漬けなどもありました。
さて、自宅に帰って、値段と味が比例していなかったらどうしようとドキドキしながら封を開けてみました。ぺろっと舐めてみると、おいしい!。
私見ですが、塩っぱさばかりが目立つ醤油ではなく、しっかり後味に醤油らしい風味と、旨味のような深みとほのかな甘さが広がります。さすが一流レストラン御用達だけあるなという感じです。甘くないと言っても、わたし的にはちょっと甘いなと思いました。ちなみに味にうるさい子どもにも舐めさせてみると、やはりおいしいとのこと。この醤油は、高額というのもあって、我が家では、お料理でドバドバ使うよりも、お醤油そのものを楽しめるような使い方や、中華風ドレッシングや、チャーハンや炒め物に活躍しそうです。
れっきとしたMade in Hong Kong こちらは甘くない方のお醤油です。
水、大豆、小麦、塩というシンプルな素材
早速醤油を使って、中華風豚バラサラダに、胡麻油とお酢とお醤油(1:1:2ぐらいの塩梅ですが適当に調節してください。お好みで辣油を入れてもおいしいです。)のドレッシングを作ってみました。シンプルですが、とてもおいしくいただきました!
お店への行き方はとっても簡単です。目安としては中環街市から徒歩1分。中環街市を背に目の前のQueen’s Roadの右手2ブロック先の9 Graham Stへ。夕方6時には閉店してしまいますので、気をつけて訪れましょう!
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