2023/11/02
mizukiです。
香港もやっと涼しくなってきて、外で過ごせる時間が増えてきました。
暑さや雨で野外で心地よく過ごせる時期がなかなか短い香港なので、この貴重な短い秋のうちにできる限り外にでたくて無駄に街をちょろちょろとしています。
さてさて、今回は着物を”着付ける”ではなく”着付けてもらう”側のお話を語らせてもらいます。
着物を着るようになって早10年が経ちました。
着物を着るきっかけとなったのは当時の仕事の関係で、身近な知り合いにお願いをして着付けを教えてもらったのをきっかけにわたしの着物ライフがスタートしたのですが、振り返ってみると着付けてもらったことはここ10年の間に一度もありませんでした。
そしてわたし自身が誰かを着付ける他装に手を出し始めたのは3年ほど前からです。
なので着付ける側としての経験はゼロではないのですが、着付けられる側の経験は、それこそ10代の時にお祭りに行くために近所の呉服屋さんとか知り合いのおばちゃんに着付けてもらったり、あとは成人式の時ぐらい。
それに昨日の記憶もあやふやなわたしが何年も前の記憶なんてほぼ維持していないので、着付けられる側の経験は人生の中でほぼないに等しいのです。
そんな中ひょんな事から着付けをさせてほしいとご相談いただきました。
もちろん着付けられる側の経験がないわたしは兼ねてから着付けられたい願望があったので、
是非!とお返事させていただきました。
初めての着付けられる側。
そして着物は白無垢。
白無垢も着たことも見たこともなかったので
どんな着付けをするのかや構造のしくみなど着物好きとしてはもうそれはそれはワクワクです。
今回は撮影の為の着付けでしたので、当日はメイクさんにバキバキにメイクをしていただき、
さぁいよいよ着付けです。
補正の仕方や、長襦袢の種類、ほぉ〜。長襦袢はこれで良いのかとか、補正はそこに足すタイプなのねとか思いながらどの瞬間も逃すまいと喰らいつくような目で着付けの作業をみていたので着付けする方はやりにくかったことでしょう。
ササーと、とっても綺麗に着付けていただき、
初めての自分の白無垢姿に何故かお嫁にいく気分になりウルっとなってしまいました。
初めて着付けてもらう側となって感じたことは、紐が苦しい、、、伊達締めが苦しい、、、。
着物を普段から着ているわたしでもとても苦しかったので、着物を着る習慣がない方はもっと苦しいと感じるかもしれません。
自分で着付ける時は自分の身体なのでどこまで締め付けても苦しくないかや、経験からこれぐらい緩くても大丈夫という感覚のバランスがあるので苦しいと思うことはそうそうありません。
ですが他装となるともちろん同じわけにはいきません。
そこはもう経験とテクニック、あとはコミュニケーションで補って行く必要があるのかもしれません。
そして足がかなり冷えたことと、膝が痛くなったこと。
着付けの間の30分ほどは動かずに真っ直ぐたったまま。
ここは正直盲点でした。
こんなにも冷えるんだと。
こんなに膝が痛くなるんだと。
素早く手早く着付ける重要性に気づくことができました。
“着物は苦しいから着たくない”
この言葉の意味がやっとわかったような気がします。
何事も実際に相手の立場や相手の視点にならないと気づけないことがたくさんあるんだな改めて思います。
着ていて苦しくない着物、心地よい着付け。
いつもの自分とは反対側の立場にならせてもらったことで得た大きな気づきは着物を着付ける人として知っておかなければいけないことでした。
そして、お嫁にいかないのにお嫁に行く気分になってしまう着物マジック。
着物を着ると、女性をもっと美しく幸せにするんだなぁと再認識。やっぱり着物大好き。
ひょんな事から進んだ今回の経験のおかげで
今年の秋は学びの秋となりました。
みなさんは香港の短い秋をどのように過ごされましたか?
mizuki
2011年ワーキングホリデーを活用し香港に来港。
仕事をきっかけに着物の楽しさにハマり、普段の生活の中で着物をきて暮らす。
香港で二人の子どもを出産。
2021年香港で出会った友人と共にイベント企画やパーティー装飾を手掛けるM’s select を設立。
2022年11月、着物マイスター、着付け方インストラクター資格取得。
Mizuki no kimonoインスタ @kimono_hongkong
M’s selectインスタ @ms_select_hk
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