2024/12/25
香港の老舗の歴史にまつわるお話を香港老舖記錄冊 Hong Kong Historical Shopsさんとのコラボでご紹介したいと思います。香港老舖記錄冊さんは、Facebookなどで香港の歴史的なお店を独自で取材して発信しています。香港文化の象徴として老舗の存在は欠かせない、老舗が存続していくことが香港の文化を盛り立てることだと言います。香港を愛するHong Kong LEI編集部のわたしたちもまた、昔から愛され続けている香港で誕生した商品が、どんな会社によって作られ、どんな背景で誕生したのか、また、どんなところで、どんなふうに作られていたのかなどを垣間見たくなりました。題して「香港オタクのための愛すべき香港老舗の歴史をたどる」です。でも長いのではしょりまして(笑)「香港老舗の歴史をたどる」と命名いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今回ご紹介するのは、質屋「德生大押」です。日本ではもとより、香港在住の日本人が香港で質屋を利用したという話は聞きませんが、街を歩くと目につくのは「押」のネオン看板です。他のお店のネオン看板は続々と撤去されていても、質屋の看板はそのままなので不思議ですね。
德生大押 – 油麻地
創業: 1940年
経営: 質屋
住所: 香港油麻地上海街178號
商品: 質屋業務
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「德生大押」は香港の繁華街にある最も伝統的な建築スタイルを持つ老舗の一つで、油麻地の上海街にあります。建物全体は戦前のアーケードも含め、すべて德生大押が所有しています。このアーケードはその面積が大きいだけでなく、香港らしい特徴が色濃く見られます。
まず、角地に位置する德生大押は、道路に面した両側に伝統的な「お金をぶら下げたコウモリ(福の象徴)」のネオン看板が残っています。そしてアーケードの最上部には「1940」という年号が緑の枠に白い背景、赤い文字で描かれており、建物の建設年を示しています。2階から最上階の4階にある緑色の鉄の欄干は主に防犯のためです。なぜなら多くの質屋は、顧客の預け物を保管するために広いスペースを設けているからです。この建物は数少ない香港スタイルの建築物であり、状態も非常に良好で、油麻地地区のランドマークと言っても過言ではありません。
質屋が時代を超えて維持されている主な理由の一つは、多くの質屋の建物がすべて自己所有の物件であり、賃料の上昇や所有者からの立ち退き要求に影響されないからです。しかし、家賃収入を得るために建物の所有者が質屋を解体して再建することがあり、湾仔にあった「同德大押」は、2015年にこのような背景で解体されました。
香港の質業は歴史が古く、現在でも香港と九龍の各地で質屋を見かけることができます。近年では質業が香港の証券取引所に上場しており、このビジネスが今でも利益を見込めることがわかります。もちろん、現代の質屋がどのように経営し利益を上げているのかについては、さらに調査が必要です。しかし、2018年現在に香港で見ることができる香港スタイルの戦前のアーケード建築が現存していることは、非常に貴重なことなのです。
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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