2021/07/11


ライターの杏さんは、2020年家族とともに英国から香港に越してきたばかり。街を歩くたび、目に飛び込む広東語(中国語)に驚きを隠せないといいます。次々と繰り出される杏さんの「妄想解釈」のあれこれを、連載でご紹介します!

それは香港に越してきて初めて近所の公園に家族で散歩をしに行った時のことでした。入り口に置いてある大きな地図を見ようと、家族全員、一旦そこに立ち止まり、自分達の現在地を確かめようとしたのですが、その時、私の目に飛び込んできた漢字、それは

『閣下在此』

閣下、此処ニ在リ

閣下、ってもしかして、私のことですか!?

思わず目を見開いてしまった私、横にいる旦那の反応を確かめようと、彼を見上げたのですが、そうだ、彼、漢字読めないんだった。何も変わったことはないかのような態度で地図を見つめる彼の顔はどうみても、You Are HereYOU。その濃いめの顔の真ん中にある濃いめ眉間にシワを寄せ、何やらビーチへの道を探しておりました。いっぽう子供たちは、おもちゃの取合いを始めたようで地図は眼中に入っていない模様。 

ということは、やはり、此処にいる閣下とは。。。吾輩のことに違いない!

今時の日本では、閣下などという敬称は、大統領や大使等というお偉い方への公式外交文書くらいでしか、もしくは聖飢魔IIのデーモン小暮くらいしか使用していないのではないかと思います。少なくとも、一般市民にとっては全く馴染みのない言葉ですし、ましていわんや、自分に『閣下』という敬称が用いられるなどという光栄にあずかることは無きに等しいのではないかと思われます。

香港の地図、吾輩は非常に気に入った!!

一人閣下気分を楽しんで家族との公園の散歩を終えた私ですが、さて、その後ちょっと気になったので、ちょこちょこ地図を見ては現在地の表示を確認しております。今のところ『閣下』が主流ですが、でも、日常に使う『あなた』という意味の『你』を使っている地図もあります。

訳すと『あなた、此処いる』でしょうか。

気分が全く盛り上がりませんね。やっぱり吾輩は『閣下、此処に在リ』が好きだ!

ちなみに、香港で『閣下』という言葉がどのくらい使われているのかを広東語の先生に聞いてみました。とてもフォーマルな書き言葉、もしくは書簡の出だしで目にすることもあるそうですが「日常の会話では絶対に使わない。」とのことでした。ただ法廷、裁判所などで『法官閣下』と呼びかけには使われているそうです。とすると、一般の香港の人々もまた、日常で『閣下』と呼ばれるのは地図を確かめる時くらい、ということですね!

さて、皆様もお出かけの際には是非、地図でご自身の身分をチェックしてみてください!BGMに聖飢魔IIの「蝋人形の館」を準備していかれることをお勧めしますヨ。

ではまた次回。

 


小林杏 (Anne Kobayashi)


東京都出身、青山学院大学仏文科卒。ニュージーランド、日本、フランス、英国での就業経験あり。ロンドンでの出産子育てを経て、2020年に来港。今まで住んできた土地のように、香港も愛おしい場所となりつつある今日この頃。趣味は読書、舞台芸術鑑賞とカンフー映画鑑賞。

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WRITER書いた人

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