2017/09/14
本物の調味料が大好きな筆者が、日本の伝統調味料をお伝えするコラム
赤いお味噌について知ろう
赤いお味噌について
赤味噌とは、地域性や素材を問わず、見た目が赤っぽく、濃い色をしているお味噌で、米麴で作る米味噌や大豆麴で作る豆味噌などが含まれます。以下、今回は赤味噌の中でも栄養価の高い豆味噌についてお話しましょう。
豆味噌: 原料は「大豆と塩と水」のみ。熟成期間が長く、主に東海地方で作られます。
赤だし:豆味噌をベースに、米味噌やだしなどの調味料を配合しているもの。
八丁味噌: 愛知県岡崎市旧八丁村で作られている豆味噌で、旨味がありながらも塩分は控えめです。
「食育は毎日のごはんの積み重ねから」。簡単で、しかも身体にとって大切なお味噌汁を、ぜひ子どもと一緒に作ってみてはいかがでしょうか? 次はお父さんにお味噌汁とお粥を作れるようになってもらうにはどうしたらいいかと思案している筆者です。
八丁味噌って?
八丁味噌は、歴史的に見ても興味深く、地域限定で独特の作り方をしています。重石を山のように積み上げて二夏二冬を過ごし、水分を減らして長期間熟成させます。江戸時代に岡崎城より八丁(約870m)離れたところ(現在の愛知県岡崎市八帖町〈旧八丁村〉)にある2軒の味噌蔵で作られたことから、八丁味噌と呼ばれるようになりました。その後、この2軒の味噌蔵が東海道沿いにあったので、お伊勢参りによって、全国へと広がっていきました。現在でも、この2軒の味噌蔵が伝統製法で作っている豆味噌を八丁味噌と呼びます。
戦国武将が食べていた八丁味噌(豆味噌)
尾張の織田信長、豊臣秀吉、三河の徳川家康。これらの武将たちは、現在の愛知県の出身です。江戸時代の有名な大名の7割は愛知県近辺、つまり豆味噌文化圏出身であると言われているのです。
大豆と水・塩のみで作る豆味噌は、米味噌や麦味噌よりもたんぱく質などの栄養価が高く、抗酸化作用や疲労回復効果があり、気持ちを落ち着かせる成分なども含まれているので、体力的にも能力的にも優秀な武将が育ったという説があるほどです。また豆味噌は、水分が少ないぶん保存性があるため、三河兵士の兵糧として岡崎藩の御用達となり、桶狭間の戦いで徳川家の「戦陣にぎり」として八丁味噌が兵食になったとも伝えられています。
大豆を発酵させ、消化吸収しやすくした八丁味噌はベジタリアンの方のたんぱく質摂取や、抗酸化作用が高いので、活性酸素に働きかける作用もあり、おすすめです。教室では、いろいろなレシピの隠し味に登場します。ぜひご自宅でも、夏の疲れたカラダに八丁味噌をとり入れてみてください!
医食同源を学ぶ
薬膳&マクロビオティックedu+u kitchen 講師Kyoko
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