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2026/09/01

この夏、一時帰国中に『ドリフターズ』 の番組を観ました。5人だったメンバーは、今はもうカトちゃんとブーさんの2人だけ。しんみり昔の思い出を手繰り寄せているうちに、昔『長さん』 こと、いかりや長介の書いた本を読んだことを思い出しました!ドリフって、元々はミュージシャンだったではないですか!しかもビートルズ来日時には前座まで務めていたなんて!

「普通の男の子」がいきなり芸能界にデビューという経歴のMIRROR。ⒸLinda Hung-Hom

考えてみれば、日本ではドリフのように複数の世界を行ったり来たりし、マルチで活躍しているアーティストが多いですね。福山雅治、星野源、古くは美空ひばりや山口百恵は音楽と演技のどちらの方面でも溢れる才能を発揮。SMAPや嵐などのグループでも、各メンバーが歌、演技の他にバラエティ番組や司会業もこなしていました。

香港でもMIRRORのメンバーは歌に演技、司会業にバラエティ出演と、様々な分野で活躍。サミー・チェン(鄭秀文) 、ルイス・クー(古天樂) 俳優としても歌手としても絶大な人気を誇りますし、香港でも日本でも、芸能の神様は特定の人にたくさんの才能を与えているようです。

左:歌手としてのコンサートを大成功させたばかりのルイス・クー。(写真は5月のChill Club)右:サミー・チェンは歌手でもあり、香港アカデミー賞主演女優賞獲得経歴もアリ。ⒸLinda Hung-Hom

興味が湧いて少し調べてみたところ、この『スターのマルチ分野で活躍』 傾向にはテレビの登場が大きく関係している様子。それまでスターと言えば、銀幕などで「高嶺の花」 と崇められ、ファンには手の届かない存在。が、テレビという新しいメディアができた時、芸能事務所はこれを使って、スターの人間味のある部分や意外な一面を視聴者に見せたところ、それが大成功したのだとか。「イケメン俳優なのに、面白い」 といったギャップ萌えを生んだり「演技もいいけど、歌もいい」 とさらなる人気の種となったり、多くのファンを獲得するきっかけになったというのです。以降、「ひとりのスターを多方向から楽しむ」スタイルが一般的になり、一部の芸能プロダクションでは養成所を設け、最初から多角的に活躍できるスターを輩出するようになった、という経緯があるそうです。(※諸説あります)

ふむふむ。そう言われれば詳しくないわたしでも、日本のタレント養成事務所の1つや2つ、名前を知っています。香港でも同様に、テレビ局TVBが養成所を持ち、スター、もとい『明星』を養成。芸能界を夢見る若者に歌、ダンス、演技、さらには香港らしく、アクションのレッスンを施しているとのこと。「1人のスターを多方向から楽しむ」 という構図は日本でも香港でも積極的に行われているようです。

タイガーはMIRROR初期の名作『破鏡』MVの共同監督。Feel the Passion Tourでも彼の作品が使われました。

芸能界に入るルートは多様でしょうが、上記の流れが『王道』だとしたら、オーディション番組を経て、すぐに芸能界にデビューしたMIRRORは、こういった方程式から外れているように感じられます。養成所などで稽古を重ねた上完成された形でデビューしたスターは「温室育ちの花」の様なもの。対してMIRRORは、生き馬の目を抜く芸能界でどんな花を咲かせるか分からない12本の新芽のままのデビュー。その後、果敢に歌・ダンスを始めバラエティ番組、テレビドラマ、イベント、舞台などに挑戦してきました。そこには視聴者に多方向を見せる、という側面のほかに彼ら自身の成長にふさわしい土壌を探すため、という意味合いがあるように思えます。ラテンダンスが美しいタイガー・ヤウ(邱傲然) が短編映画やMV制作を手掛けたり、フランキー・チャン(陳瑞輝)がミュージカルで輝いたり。ロックマン・ヨン(楊樂文 )は今年初め大人のアニメ映画のボイスアクターを務めましたし、イーダン・ルイ(呂爵安)も最近は自分のソロ歌曲のMVを監督しています。

左から:アンソン・コン、アンソン・ロー、フランキー・チャンⒸLinda Hung-Hom

特にMIRRORのメンバーの活躍が著しいのはやはり演技の世界! 銀幕はもちろん、TVドラマに舞台劇にと縦横無尽に活躍しています。特に銀幕での活躍は顕著。メインボーカルで安定の美声を誇るイアン・チャン(陳卓賢) は間もなく日本でも公開の『ラスト・ソング・フォー・ユー 邂逅の浜辺』(原題:久別重逢 Last Song for You)の主演の一人。ロックマン・ヨンは『マッドフェイト狂運』 (原題:命案) 、スタンリー・ヤウ(邱士縉) が『祥賭必贏』でそれぞれ主演を務めました。

左:イーダン・ルイ 右:イアン・チャンとナタリー・スー(許恩怡)ⒸLinda Hung-Hom

イーダン・ルイ とジャー・ラウ(柳應廷) は香港アカデミー賞と呼ばれる金像奨でのノミネート歴もある実力派。アンソン・コン(江※生) は今後も語り継がれるであろう名作『我們不是什麼』で迫真の演技を見せましたし、アンソン・ロー(盧瀚霆) はジョニー・トー(杜琪峯) の作品に出演することが決まっています。デビューから8年、12本の新芽はこんな風に様々な土壌で養分をたっぷり吸収して、成長しています!

アンソン・コン 

12人がそれぞれ自分に合った土壌で得た栄養を使って美しい花を咲かせることができるのならば、12人全員で作るブーケは更に美しく輝くはず! これからもいろんな分野で輝いてね、MIRROR!

 


紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
移住とともに人生で初めてアイドルに目覚め、MIRROR 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。2025年は66回 MIRRORのコンサートやイベントに参加する程の中毒に。大学院はどうやら無事修了できたらしいが、証書が届くまでは安心しないことに決定。

Instagram リンダ【星版】
linda_qedan

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