2021/11/26

気が付くといつの間にか11月、そして、もうすぐ12月!? あっという間に過ぎてしまっている毎日に驚いています。光のような速さです。好きで住んでいるとはいえ、まだ2年位の初心者ですが色んな壁に当たって来たなとしみじみ思い返しています。正直とっても疲れてしまいました。その中でも自分の中で今年一番の貴重な経験となったのは、この地で「入院した」事です。幸いにも大事にならずだったのでこうして記録に残そうと思います。

事の始まりは暑くなってきた5月頃、特に今年は暑くいつも以上に気だるさを感じる日々が続いていました。住んでみてしみじみと思うのが、湿気が凄い。海が近い環境で育ったわたしでも、日本とは雲泥の差。これが思っていたよりも身体に堪える。体重も来てから15キロほど減ってしまい、痩せてラッキーくらいに思いつつきっとこれは夏バテなんだろうと漢方薬を試したり、涼茶を飲むようにしたり……と良いとされる方法をいろいろ試しておりました。コロナ禍ということで自分なりに健康にも気をつけてはいましたが、一向に回復せず胃も弱ってしまったため、初めて病院に行ってみたところお医者さんの「じゃ、胃カメラ飲もうか」の一声で約30万円という見積もりを出され(私立病院での一日入院時の見積もり、こっちのお医者さんはすぐ検査をしたがるとか!?)、別の意味で倒れそうになってしまい、どうしたもんかと考えていたところ、友人に別のお医者さんを紹介してもらいました。

*予約時点で二年先……これもこっちではよくある話だそうです。

こちらもプライベート医院でしたが、診察と検査予約をした後、次回からは自宅近所の公立病院に行けるようにと紹介状を書いて下さり、その足で予約もしておいでということで行きましたが、次の予約はなんと2023年の11月で具合が悪いのに、一体どれだけ待てばよいのでしょうかと呆然としました。別日に検査を終えてその日の夜、のんびりくつろいでいるとお医者さんから電話が来て「今すぐ近所の公立病院の救急センターに行って!」と。

*夜になると途端に雰囲気が変わる救急。行った時は怖く感じてしまいました。

動揺はしながらも、すぐ準備をして病院に向かいました。「これを救急医に見せればわかるから」と先生が携帯に検査結果を送ってくださり病院へ。不安もあったせいか、先日昼間に予約しに行った時とは雰囲気もだいぶ違って感じられました。自分の番が来て診てもらうなり「即入院」とそのまま病室へ。日本と違って言葉も仕組みもわからないまま、病院のおじさんと一緒に向かうのでした。病院のおじさんに「無問題だよ〜ゆっくり休みなよ〜」と励まされ、向かった先は「内科及老人科病房」と書かれた大部屋へ。すでに消灯後の22時半過ぎだったので、夜勤の怖めな看護師さんと陽気な業務支援(と胸に書いてある)の方に迎えられました。日本人が入院! という事もあって色々質問攻め。胃が弱っていたけど「オレンジ食べな!」や日本語で挨拶なんていうの? なんて周りが寝て静まり返っている中、お構いなしに話しかけてきます。パジャマに着替えコロナ、尿検査その後採血、問診と続き、最後に看護師さんに「なんでオレンジあるの?胃が弱ってるのに食べられないでしょ!」と怒られ、夜中2時にようやく開放されたのでした。

*初日の夜11時頃。緊張と検査ラッシュでした。次の検査待ちの時。ウェルカムオレンジ付き。

うっすらとしか眠れなくて迎えた二日目。まだ実感は沸かずだけどわたしは入院しています。そういえば少し前にクラブハウスで聞いていた「香港で出産した話」のエピソードを思い出していました。私立と公立の違い……でも私は出産じゃないしなぁ……。しかしながらよーく考えると、映画シーンで見た光景であると思い出す。公立病院はパジャマとガウンが支給されるので、あの入院シーンで見たのと一緒だ!好きな俳優とお揃いのを着てるではないかと、思い浮かべていました。

*あのアンディ・ラウも劇中で来ていたのがこのパジャマ。
映画「拆彈專家2(Shock wave 2)」より 出典元:香港01

*そんな数々の俳優が着たパジャマをわたしも。だらしないですが自撮りしてみました。

そうか、これはこの状況をあえて楽しむしかないと割り切ることにしました。日本で入院する時との違いは何かを比べてみると、先ほど述べたパジャマとシャワーの際のタオル以外は自分で持ち込み。今はコロナ禍ということもあり、面会禁止、差し入れは病室の入口まで来れば渡してもらえる。また必要があればテレビ電話で面会の対応をしてくれるなど、この大変な中ではありますが工夫がされているなとしみじみ思いました。病室では携帯も大丈夫なようで皆さんよく電話をしたりと、日中はとても賑やかでした。

*ある日の昼食。個人的には時折少し和食っぽさも感じる時がありました。常に温かく、美味しくお陰でさらに4キロ減量。

肝心の食事はチャーチャン店で出るようなおかずの薄味版でしたが、想像していた以上に美味しかったです。少し弱っていたせいもあって、身体にも沁みたのでした。先生に制限されなければ出前を頼むのも可能なようでマクドナルドや脂っこいものを頼んだりしている強者もいました。他は日本とほぼ変わらない気はします。また公立病院は扱いが雑だとか、古くて汚いとか看護師が怖いとか聞きましたが、わたしのいた病院は幾分かマシだったと思います。

*老人科!? 長寿地域ならではの専門科があるのはびっくりしました。

老人科とも書いてあり周りはお年寄りの方ばかり、長寿世界一の地域ならではの専門科があるようです。たまたま同日入院だった隣の婆様(あえてこう呼びます)がとびぬけて凄いキャラクターで、なかなかの聞かん坊。わたしには「九龍サイドに住んでるけど、たまたま香港(島)に来て麻雀に行ったんだ、途中あそこの米線をオイマイ(テイクアウトの事)したらお腹が壊れたんだ!」と数時間おきに力説してきましたが、具合がとても悪そう。早く帰りたい、お腹すいた、消灯時間ギリギリにまたテイクアウトを頼んだりと何かと忙しい方でした。我慢しなよと看護師にも怒られていましたが、婆様は何かを常に食べたかったようで、食べては吐いてを繰り返していたのです。そしてついにはわたしの友人が差し入れしてくれたチョコレート(これも謎だった差し入れ)を勝手に取って食べていました! これにはびっくりしつつも、食への想いが強いんだなと、怒りよりも笑ってしまいました。(つづく)

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プロフィール

wm_Journal

初香港は1996年の返還前。時を経て数年前から香港にどっぷりハマり、2020年から思い立って単身移住。コロナの最中も自己満レベルの広東語と陽気なノリで思い立ったら即行動をモットーに楽しく港活中。趣味は香港映画を隅々まで見る事と旅行とバスを終点まで乗ってみること。日々の香港をinstagramにアップしています。

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