2024/10/08

なんとも絶妙なタイミング! 9月のCover Storyにてアクション監督、谷垣健治さんをご紹介しましたが、このタイミングで、香港アクション映画界に関わる人たちを題材としたアクションドラマ映画『武替道』が公開されました!

主役3人のうちの一人を務めるトン・ワイ(董瑋)氏は、無名だった頃の谷垣さんに手を差し伸べたというあのエピソードの、有名なアクション監督でもあります。また他の二人、テレンス・ラウ(劉俊謙)氏とフィリップ・ン(伍允龍)氏は、谷垣さんがアクション監督を務めた大ヒット映画『トワイライト・ウォリアーズ  決戦!九龍城砦』で重要な役柄を演じている、今、話題沸騰中の俳優さん達です。

写真:Rolling Stars Workshop提供

物語は、香港アクション映画の勢いがあった時代にアクション監督をしていたけれど、事情があって現場から遠のいていた李森(トン・ワイ)が、昔の仲間に誘われて現場に戻ってくる、と言うところから始まります。李森は偶然に知り合ったスタントマン志望の若い龍仔(テレンス・ラウ)を引込み、アクション監督として現場に行くのですが、時代は変わっていて……。

映画好きなあなたも、「家で韓国ドラマは見るけど、最近映画館にはあまり足を運ばないわ」というそこのあなたも! ワタクシ、LEIライター小林杏が、LEI読者年代別にこの映画の見所をお伝えしますので、ぜひ、これを読んでから映画館にGoしてください。そして、香港カルチャーを、映画を、今よりまた少し好きになってくださいね。

 

*20代の皆さん*

学生として、研修生として、はたまた新社会人として香港にいる若いあなた! そんなあなた達は、まず、大注目のイケメン俳優テレンス・ラウ(劉俊謙)君に注目してみましょう。彼の演じる『龍仔』は、子どもの頃から大好きだった香港アクション映画の世界で生きたい、と自身の夢を追い求めるわけですが、現実はそんなに甘くないと悩みます。夢と現実に揺れる彼の姿は、20代のあなた達の心に響くはず! ちなみに、テレンス君は香港のみならず、台湾ドラマ「次の被害者」(Netflixで配信中)にも出演など、中国語圏で広く活躍している、今、大人気の俳優さんです。彼の話題に詳しくなれば、香港人の友人との会話も弾むこと間違いなし!

写真:Rolling Stars Workshop提供

*30代の皆さん*

職場で、熱血!根性!!みたいな上司に辟易させられたことはありませんか?この映画を見ると、住む場所や業種が違っても、ジェネレーションギャップという問題は存在するんだなぁ、ということがよくわかります。

映画の中では、どの世代の人間も「素晴らしいアクション映画を作りたい!」という情熱があるものの……『世代間の壁』が厚くてうまくいかない。まさに30代のあなた達が「いいものを届けたい」と仕事を頑張っているのに、上司のやり方が理解できない……そう思う姿と重なるはず。

映画後半、そんな情熱について、“無論風多大浪多大、團火都不可以熄滅”(どんなに風波が強くても、炎を絶やすな)というセリフが出ます。ここで胸熱〜になって、明日からの仕事も頑張ろう!という気分を盛り上げてください!

 

*40代の皆さん*

40代の皆さんは、「最近の若いもんは……」と思いながらも、パワハラという概念を知らずに横柄に振舞う上司に怒りを覚え、でも昭和の良い所だって知っている。

映画でフィリップ・ン氏が演じる『梁志威』が、ちょうどそんなお年頃です。彼は爽やかで格好良く、言うこともバシッと言うし、実力(アクション)もすごい!現実社会でお手本として実践するには少しハードルが高いですが、彼のようになれたらいいな、と目をキラキラさせながら見る価値大です!

しかも、フィリップ・ン氏の若々しい風貌!あれで、実年齢47歳にはとても見えない!『バース・オブ・ザ・ドラゴン』(2017)でブルース・リー役を務めた彼は、そのアクションも本格的です。同世代のパワーみなぎる香港アクションスターを一緒に応援しようではありませんか!

写真:Rolling Stars Workshop提供

*50代以上の皆さん*

年配役のメインキャラクター『李森』を演じる、トン・ワイ氏に注目です!ジャッキー・チェンやサモ・ハンと同年代の彼は、彼らと同様、京劇出身で身体能力抜群。スタントマン、アクション俳優として活躍、その後はアクション監督として数多くの賞を受賞してきた香港ではとても有名な方です。ブルース・リーの『燃えよドラゴン』にも少年役で出ています。

皆さんが少年少女の頃に「うわぁー。すごーい」と口を開けたまま見入った香港アクション映画。彼はその黄金時代を築いてきた一人であるわけです。

写真:Rolling Stars Workshop提供

彼が演ずる役もまた、香港映画黄金時代のアクション監督なのですが……その姿は一体どれくらい当時のアクション監督たちの姿に忠実なのだろうか……?そんなことを考えながら見ると映画が10倍楽しめます。

また、実生活でのトンワイ氏は、谷垣さん曰く「面倒見の良い人」なのだそう。元スタントマンですから運動神経も抜群で、度胸もある。顔もハンサムだし、その上、心は優しい人。もう惚れない理由がありませんね!笑

 

最後に、全ジェネレーションの皆さん。監督は双子の兄弟、梁冠堯(Albert)氏と梁冠舜(Herbert)氏。彼ら自身もスタントマン出身で、『龍仔』のように夢を追いかけてきましたが、香港アクション映画が勢いを失っていくと共に、仕事がなくなっていくという現実を突きつけられてきたと言います。

その彼らが、香港アクション映画そしてそれを支えているスタントマン達への愛を込め、そして香港映画のプライドをかけ制作した映画です。ぜひ、香港の映画館でお友達と、恋人と、ご家族と、お楽しみください!

左から谷垣健治さん、梁冠堯さん(監督)、フィリップ・ンさん、梁冠舜さん(監督)。写真:Rolling Stars Workshop提供

谷垣健治さんのインタビューもお読みください。
Cover Story vol.75 谷垣健治さん「アクション一筋、全力で駆け続ける!」 – 香港で暮らす編集者が送るカルチャー、イベント情報 HONG KONG LEI

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