2022/10/07

みなさん、こんにちは!
今回のOld Hong Kong in Colour (彩られ蘇る香港今昔)は、中環にかつてあった映画館「King’s Theatre(娯楽戲院)」(以下、キングスシアター)が写っている写真をご紹介します。

皇后大道中にあったキングスシアターは、1931年から営業を開始しました。6階建てのビルで、オフィスやショップ、レストランもあったそうです。映画館の設備も香港初のものが多く、初公開の洋画もここで上映されたりと香港の中心的な映画館でした。途中に戦時下の閉鎖や再建期間がありつつも1990年1月1日まで営業は続いたといいます(※1)。

1989年いっぱいまで営業していたわけですから、その頃に旅行や駐在で香港に来た方は、この映画館を懐かしいと思われるかもしれないですね。

現在この場所には、1993年に完成したEntertainment Building(娯樂行)があります。この商業ビルにもEmperor Cinemas(英皇戲院)という映画館が入っています。

今回ご紹介する写真は、1940年撮影のキングスシアターですが、その4年前に香港で映画鑑賞をした日本偉人がいました。

LEIのコラム「偉人たちが見た香港」第3回で取り上げた作家の武者小路実篤は、1936年5月にヨーロッパ旅行の途中で香港に寄りました。香港では映画館でチャップリンの最新映画「モダン・タイムス」を観たといいます。

〈コラム本文抜粋〉

この旅で、他の日本人旅行者には味わえない特別な香港体験を挙げるなら、港から南十字星を見たことと、喜劇俳優チャールズ・チャップリンとビクトリアハーバーですれ違ったことだ。
武者小路実篤は平岡貞と数名の文学仲間と昼食をとった後、映画館でチャップリンの最新映画「モダン・タイムス」を観た。その後、チャップリンが向かいの船で日本に向け出港する予定だと聞いた。


 

チャップリンは、1936年5月7、8日香港に滞在。「モダン・タイムス」でヒロイン役だったポーレット・ゴダードらも一緒の船旅でした。「モダン・タイムス」は7日夜にキングスシアターで封切られました。ただし、その夜、チャップリンはポーレットと広東に小旅行に出かけており、映画館には現れなかったそうです(※2)。

武者小路実篤が、「モダン・タイムス」を観た映画館や時間帯ははっきりとは分かりませんが、キングスシアターだったかもしれません。そして、もしチャップリンが映画館に現れていたら、武者小路実篤は喜劇王チャップリンと会えていたのかもしれないですね。

そんなことを思いながらこの写真を眺めるとさらに面白みが増します。
ぜひ、じっくりご覧ください。

 

〈 参考サイト〉
※1 King’s Theatre in Hong Kong, CN – Cinema Treasures
※  2 https://discoveringchaplin.blogspot.com/2016/05/day-by-day-1936_8.html

 

 

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