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2025/07/04

Photo: Lok Cheng    Image courtesy of M+, Hong Kong

 2025年7月13日にて終了するPicasso for Asia—A Conversation「アジアのためのピカソ — 対話」。パリのピカソ国立美術館からの60点以上の傑作を特集しているだけでなく、ピカソ作品から影響を受けたアジアの現代アーティストたちとの対話形式を取って展示されています。

この展覧会は、2025年3月中旬から6月15日(日)までに約15万人以上の来場者を記録したそう。その人気ぶりからM+では最終日まで土曜日の開館時間を22:00まで延長し、7月2日(水)から7月13日(日)までの火曜日から木曜日、日曜日の開館時間を20:00まで延長することになりました。

Photo: Winnie Yeung @ Visual Voices     Image courtesy of M+, Hong Kong

60点以上の作品はピカソの作品を世界で最も多く所蔵しているピカソ国立美術館からで、M+コレクションからは、ピカソ作品に対話する作品として、30人のアジア出身またはアジア系の背景を持つアーティストによる約130点の作品も展示されています。また、他の美術館や財団、個人コレクションからの特別貸与作品も含まれています。

その中で今回、M+からの委託を受けて制作しました展示室後半に一際大きなサイズで目を引くサイモン・フジワラ氏による2024年の作品「Who vs Who vs Who? (A Picture of a Massacre)」(「誰 vs 誰 vs 誰?(虐殺の画像)」)があります。

Simon Fujiwara /Who vs Who vs Who? (A Picture of a Massacre) /2024/acrylic, charcoal, and pastel on canvas/Courtesy of Esther Schipper/Acquisition by commission in progress © Simon Fujiwara/Photo: © Ludger Paffrath/Image courtesy of Esther Schipper

これはピカソのMassacre in Korea(韓国の虐殺)(写真下)に対話する形で制作した作品です。アートを通じて人間の苦しみや不正に対する抗議を行い、戦争の影響を強く訴えかけた作品として、アートが社会的、政治的メッセージを伝える力を持っていることを示す重要な例とされています。

しかし、同時にピカソもまた偉大な画家マネやゴヤの同様の題材に影響を受けて制作しました。目の当たりにしたことのない状況を対話という形で描き出したピカソ、この真意はどこまで伝わるのか、それを問う作品がフジワラ氏の「Who vs Who vs Who? (A Picture of a Massacre)」です。

フジワラ氏の制作模様はこちらよりご覧いただけます。

Pablo Picasso /Massacre in Korea /1951/oil on plywood/Musée national Picasso-Paris © Succession Picasso 2025 Image: © GrandPalaisRmn (Musée national Picasso-Paris) / Mathieu Rabeau

今回の展覧会は、香港でのピカソの作品が10年以上ぶりに大規模に紹介される機会でもあり、観客にとっては、アーティストへの広範囲な影響力と、現代におけるピカソ作品の意味や役割についてなど、前例のないユニークな視点を楽しむことができます。皆さんは、今、ピカソ展を見て何を思うか、自分のしがらみを取り去って自由に感じてみてください。

Photo: Winnie Yeung @ Visual Voices     Image courtesy of M+, Hong Kong

M+
West Kowloon Cultural District, 38 Museum Drive, Kowloon
https://www.mplus.org.hk/en/exhibitions/picasso-for-asia/

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