2026/07/12
2019年の「広東語研究スクール(School of Cantonese Studies)」の集合写真
在港外国人や語学ファンにとって見逃せない「広東語研究スクール(School of Cantonese Studies)」が、2026年もいよいよ開催されます!
第4回目を迎える今年は、8月3日から5日までの3日間、香港都会大学(Hong Kong Metropolitan University)にて熱い講義が開催されます。大学の本格的なレクチャーホールで学生気分を味わいながら、無料でエキサイティングな講義が聴ける、まるで「大人のための公開集中講義」のようなこのイベント。今回はその魅力をご紹介しましょう。
香港都会大学、MUタワー
「広東語研究スクール 2026」とは?
本スクールは、香港都会大学の教育・外国語学部が主催する学術イベントです。2019年に香港教育大学で初めて開催されて以来、2021年、2024年と回を重ね、今回で4回目。
今年のテーマは「言語接触(Language Contact)」。 言語は出会い、混ざり合い、変化していくもの。広東語は中国南部にあった「別の言葉(非漢語)」との交差点であったり、英語や日本語の言語との交差点であったり、北京語や潮州語や客家といった中国のの方言とも影響を与え合ってきました。多様な言語による伝統の交差点に位置する広東語は、歴史や地理を超えて、これまで接触してきた数々の言語を吸収し、また同時に影響を与え合ってきました。言葉のなかに残された痕跡は、かつてその言葉を話していた人々の生活や移動、交易、文化交流の歴史を覗く「窓」そのものです。
スクールでは、国内外から第一線の研究者を講師として招聘。基層言語の影響や借用語(外来語)から、言語接触がもたらす多くの魅力的な側面を、多彩な事例研究を通じて紐解いていきます。
右)片岡 新 博士
日本語と広東語の深い関係も!気になる贅沢な講義内容
講義は毎日午前と午後に各2時間半程度、3日間で合計6つのレクチャーが用意されています。どれも知的好奇心をくすぐられるおもしろいトピックばかりです。
なかでも、わたしたち日本人にとって見逃せないのが、香港の広東語研究において絶大な信頼を得ている研究者・片岡新博士と李燕萍(クリーム・リー)氏のご夫婦によるセッションです。
お二人は、名著『港式日語』や『用漢字學日本慣用語』、『我手寫我口:中外人士廣東話書寫(1535–1935)』などの共著者としても有名。今回は「日本語と広東語の言語接触」をテーマに、日本語と広東語がどのように関わり合い、香港の街の中で「港式日語(香港式日本語)」や日本由来の言葉がどのように進化を遂げてきたのかを語ります。以前、インディペンデント書店「Book Punch(一拳書館)」で話題を呼んだトーク内容のエッセンスも含まれており、より深く学べる貴重な機会となります。
このほかにも、以下のような魅力的な講義がラインナップされています。
19世紀のピジン英語と広東語の関係(かつての交易地・香港ならではの歴史ロマン)
東南アジアにおける広東語(海を渡った広東語が現地でどう変化したか)
広東語に含まれる非漢語成分(チワン語など、広東語の形成過程に迫る発見)
広東語と中国語の別の方言とのかかわり
基本の講義言語は広東語ですが、内容に応じて日本語、英語、北京語も適宜使用されるため、広東語を勉強中の方にとっても、言葉の壁を恐れずにチャレンジしやすい環境となっています。
参加のメリットと耳寄りな情報
1) 参加費は無料!(要事前申し込み) これだけ贅沢な講師陣による本格的な大学の講義が、なんとすべて無料で聴講できます。
2) シングル・セッションからの聴講もOK!全部受講で修了証も! 「3日間丸々は時間が取れない……」という方は、全日程ではなく、自分の興味のある好きなセッションだけを選んで聴講することも可能です。なお、すべての講義に出席した参加者には、記念となる修了証(Certificate)が授与されます。
3)キャンパス体験 & オンラインの可能性も? 今回の会場となるのは、香港都会大学、黃埔新校舎です。冷房がしっかりと効いた大学の広々としたレクチャーホールで、現役学生のような気分で授業を体験できるのは、このイベントならではの醍醐味です。 なお、現在は「オンラインでも同時に受講できるようにするかどうか」が主催者側で議論されているとのこと。遠方に住んでいる方や、どうしてもスケジュールが合わない方にとっても朗報となるかもしれません。詳細が決まり次第、香港都会大学Webサイトにてアップデートされるでしょう。
2024年にレクチャーをする片岡 新 博士
片岡 新 博士(Dr. Shin Kataoka) 片岡新氏は独立した研究者であり、香港教育大学(EdUHK)の元助教授です。専門は広東語言語学。香港中文大学(CUHK)にて博士号(PhD)を取得しました。氏の研究は、広東語の歴史言語学、および香港における日本語由来の借用語の進化に焦点を当てています。主な共著に『港式日語』、『用漢字學日本慣用語』、『我手寫我口:中外人士廣東話書寫(1535–1935)』などがあります。
李 燕萍 女士(Ms. Cream Lee)李燕萍(クリーム・リー)氏は、広東語言語学を専門とする独立した研究者です。香港理工大学(PolyU)にて中国語言語学の修士号(MA)を取得しました。香港中文大学(CUHK)、香港科技大学(HKUST)、香港城市大学(CityU)、香港大学(HKU)といった現地の教育機関において、留学生や中国本土出身の学生を対象に広東語の指導を行ってきました。氏の研究は、広東語の歴史、および外国語としての広東語教育に焦点を当てています。片岡氏との共著に『港式日語』、『用漢字學日本慣用語』、『我手寫我口:中外人士廣東話書寫(1535–1935)』などがあります。
語学としての広東語だけでなく、香港の歴史や文化、日本との繋がりまで多角的に学べる絶好のチャンスです。周囲に「言葉の歴史が好き」「広東語のディープな話に興味がある」という方がいれば、ぜひこの耳寄りな情報をシェアしてあげてくださいね。
【イベント概要】
日時: 2026年8月3日(月)〜5日(水)午前・午後(各2時間半・計6講義)
場所: 香港都会大学(MUタワー。MTR黃埔駅から徒歩10分程度)
費用: 無料(事前申し込み制)
お申し込み:こちら
詳細: 公式サイトをご確認ください。
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