2023/04/15
紅豆燒餅
(ホン ダウ シウ ベン)
【香港あんこ入り焼き餅】
わたしの香港での記憶はほとんど「花園街街市」(ファ ユン ガイ ガイ シ)という市場である。それは小さい頃、良く連れて行かれたからである。おばあちゃんや父に市場に連れて行かれて、ついでに近くのお店でストリートフードを買って貰い、帰り道で食べながら帰宅。脳内に残された記憶は数々の軽食、おやつ、果物、飲み物。何の心配もなかった一般の小学生。お金の心配をしたこともなく、家庭内トラブルもなく、3食ちゃんとお腹いっぱい食べられて、勉強のことをあまりうるさく言わない両親の元で育ってきた自分。実に幸せな幼少期。
香港の伝統菓子はたくさんあるが、時代と共にだんだん古臭くなったり、食べなくなったりして消えてゆく。最近、世界的に「Mochi」ブームで餅粉で作られているお菓子に一気に火が付いて、もちもちの食感と甘いあんこのマリアージュは海外の方の心を惹きつけたようで。「Mochi」ブームのおかげかもしれないが香港にある伝統菓子店は何度もミシュランガイドのストリートフード部門で選ばれた。
九龍サイド、旺角にある香港菓子専門店「奇趣餅家」(ケイ チョイ ベェン ガ)は「花園街街市」のそばにあり、市場の後に、次いでによく寄る場所だった。店舗の前にずらりと様々な中華菓子が陳列してあり、どれも素朴で華がないものだったが、わたしにとっては心が落ち着くふるさとの味。目玉商品は底穴がデカい通気性に優れた竹ざるの上に並んでいる『紅豆燒餅』(ホン ダウ シウ ベェン:あん入り丸焼きもち)、別名『豆沙燒餅』(ダウ サ シウ ベン)。程よい厚さのもちで中華あんこを包み、オーブンで焼いたものを熱いうちにざるに乗せて冷ます。通気性がよくないとくっつくから底穴がデカいざるを使っているのだろう。長い年月観察して得た知識だ。
値段はとても安く、2023年の値段はなんと1個でHK$6。5個でHK$25! 梅枝餅より全然安い!『紅豆燒餅』は九州の太宰府天満宮の梅枝餅にそっくりのため、無意識に値段を比べちゃう。焼目の香ばしさ、餅のモチモチさ加減、甘すぎないあんこ、冷めてもモチモチな生地、ついつい手を伸ばして食べちゃうオヤツ。これは危険!
さらに今回は、わたしのオリジナルアレンジをご紹介。コクが深いクリームチーズをあんこと一緒に入れるレシピにしてみた。これは間違いなく流行るシリーズになる!
Tips: 予めフライパンを200度で焼くことがポイント。生地をたくさんこねるとよりモチモチしてこしがあり美味しいです。 |
材料 (8個分)
生地:
白玉粉……………………………..100g
ラード………………………………20g
水飴………………………………….20g
水…………………………………… 75 g
あん:
あんこ…………………………….. 120g
(1個15gx8個)
クリームチーズ……………….. 40g
(1個5gx8個)
トッピング:
ゴマ
<作り方>
1.白玉粉をフードプロセッサーで砕く。粉状にする。ボウルに入れ、粉を外側に寄せて中央にくぼみを作る。
2.鍋にラード、水飴、水を沸騰させ、ゆっくり1の粉に入れながらかき混ぜる。手袋をはめて、よくこねる。滑らかにこねたら、ラップをしてしばらく寝かせる。
3.あんこを8個分丸める。
4. 生地を8等分に分けて、クリームチーズをいれ、あんをいれ、包んで閉じる。ゴマを付ける。
5.底が厚めのノンスティックフライパンと普通のノンスティックのフライパンを重ねて加熱する。下のフライパンが200度になったら、上のフライパンを取り出す、モチをフライパンに入れ、魚焼きホイルのくっ付かない面をモチのほうに敷いて、上から温めたフライパンを乗せ、1-2分焼く。焼き色を見て、足りないようならもう少し焼く。裏返し裏面も焼き色が着いたら完成。
6.出来たら穴が大きいざるに移し冷ます。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
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