2020/09/15

こんにちは、キリです。

テレワークのおかげ、自宅で料理を始めた友達は大勢いたので私も時々彼女たちからおいしい手作り料理やパンなどをいただきました。

それでは質問です!料理好きな香港人はどこで調理道具を購入しますか?

答えは「上海街」ですね。

「上海街」といえば、調理道具のイメージが強いではないでしょうか?いわゆる香港の「かっぱ橋道具街」です。上海街の場所は、蚤の市としてよく知られている「廟街」の近くにあります。

廟」は日本語で「寺」に近い、つまり「神様を祀る場所」と言うことです。今回はこの上海街の近くにある、1864年に建てられた「天后廟」をご紹介しましょう。

 

日本語でも「天后廟」について説明された立て看板。

その他、自由に取れる説明書、隣には書院などがあり、由緒ある歴史などを学ぶことができます。
書院ではお香も販売されています。

 

天后廟の扁額(へんがく)には「天后古廟」(写真下)と他の場所に「光緒丙子遷建」の文字が刻まれています。(廟は1876年(光緒丙子)に移転再建したとあります)

隣には「福德廟」が建てられています。

 

少し民間宗教について説明しましょう。

「天后」と「福德」も元来中国人が尊敬してきた神様です。

航海漁業守護神として、沿海地方を中心に信仰を集めています。昔話の話ですが、天后は人間の家庭で育てた娘「林默娘」で、崇高で近寄りがたい、神聖高貴なお心を持つ女性で29歳の時女神「天后」になったそうです。台湾では「媽祖(まそ)」と呼ばれて、日本でも弟橘媛(おとたちばなひめ)信仰と混淆しつつ広まったということです。

「福德」は「土地公」のことで、「土地の神」として祀られています。今でも部屋を借りるとき、土地の神霊をなぐさめる儀式を行う香港人が多いです。特にお年寄りの多くは、儀式を通じて入居をお願いして、神霊が自宅にいて守ってくださっているという考え方を持っています。

(天后廟正面。写真上向かって右側:特に有名な樹齢100年を超えるバンヤンツリー。廟の前に広がるのは「榕樹頭公園」)

1860年代の天后廟は佐敦駅の辺り、今官涌市場のところにありましたが、1876年油麻地の大きいバンヤンツリーの隣に移転されました。そのバンヤンツリーを中心に地元の庶民が集まっていたことにより、当時の政府が公園を建設したそうです。

この公園の名を広東語で「榕樹頭公園」(写真上広場)と言い、文字の通り「バンヤンツリーの公園」という意味です。

 

天后廟は魚介類を捕獲したり養殖する産業をする人たちを守ってくれるので、昔はずっと九龍地方漁業者達に尊敬されて、参拝者や家族連れ等で大変賑わっていたそうです。

今でも「天后誕」の旧暦3月23日と「觀音開庫(観音様が力を貸してくれる日)」のお正月25と26日に、数えきれないほどの参拝者が毎年訪れます。

 

これからの中秋節でも、地元の子どもたちがこの公園で、天后様のご加護をもらいながら、ランタンで遊ぶかもしれませんね。

 

オフィシャルウェブサイト
天后廟-油麻地(Tin Hau Temple at Yau Ma Tei)

http://www.ctc.org.hk/en/indirectcontrol/temple10.asp


キリ
日本語教師で旅行作家。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
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