2026/03/16
3月の香港は、春に花が咲くように、一気に芸術の花が咲く華やかなアート月間となります。今年も益々パワフルな大規模イベント満載。そしてギャラリーやミュージアム、街のあちこちでオープニングイベントが開催されるなど、アート好きにはたまらない企画がどっさりあります。
アートのトレンドを理解し、注目作品や、熟成された大御所の作品や、大規模なインスタレーションなどを鑑賞(購入)したい方は、アート・バーゼルがおすすめ。アート初心者でたくさんありすぎてどこに行ったら良いかわからないけど、もっとフレンドリーに楽しんでみたいと言う方は、楽しさではピカ1のアート・セントラルがおすすめ。値段的にも手に届きそうな作品や、革新的で楽しい作品もたくさんあるし、アーティストたちもその辺をウロウロしていたりとカジュアルにお祭り気分を楽しめる雰囲気です。小学生以上の子どもと一緒に訪れてるのもおすすめです。
今年初開催のセントラルヤーズ・エディブル・アートフェアは、体験型や没入型の企画や展示が多く開催される模様。アート・セントラルとは隣同士での開催となるので、ぜひこちらにも足を運んでみていただきたいです。
では、それぞれのイベントのご紹介をしましょう。
Courtesy of Art Basel
1)アート・バーゼル香港
開催期間:2026年3月27日(金)〜29日(日)
会場:香港コンベンション&エキシビションセンター
https://www.artbasel.com/hong-kong
すでに56年もの歴史を誇るアート・バーゼルは、近現代アートを紹介する世界随一のアートフェアをバーゼル、マイアミビーチ、香港、パリ、カタールで毎年開催しています。それぞれのフェアには開催都市や地域の特色を反映させた特徴があり、イベントは、アートの革新と地域の多様性に焦点を当て、次世代のギャラリー、アーティスト、キュレーターも取り入れています。
全世界4カ所で開催されるアート・バーゼルのうち 唯一アジアで開催されるのがここ香港。アート・バーゼル香港2026では、41カ国および地域から240のギャラリーが参加し、世界中の確立されたアーティストと新進気鋭のアーティストたちが結集します。参加ギャラリーの半数以上がアジア太平洋地域からのものであり、世界規模での文化交流を促進する役割を果たします。
From left to right: Isabella Tam (Curator of Visual Art, M+, Hong Kong), Mami Kataoka (Director of Mori Art Museum, Tokyo), Alia Swastika (curator, researcher, and writer, Jakarta), and Hirokazu Tokuyama (Senior Curator, Mori Art Museum). Courtesy of Art Basel and Ben Marans
大型の彫刻やインスタレーション、パフォーマンスを紹介する「エンカウンターズ」部門は、現在森美術館館長を務め国際的に活躍するキュレーター(学芸員)片岡真実が率いるチームにより企画・構成されています。展示ホール以外でも展開される本部門では、パシフィックプレイスにてオフサイト展示も実施されます。
今回は、アジアで広く共有されている宇宙観である「五大元素(空、水、火、風、地)」をテーマにキュレーションした12点の作品が公開されます。会場内の各エリアは、これらの元素をテーマに構成されます。主な見どころは以下の通りです。
Suki Seokyeong Kang, Mountain — autumn #23-02, 2023. Courtesy of Suki Seokyeong Kang Scholarship of Ewha Womans University and Kukje Gallery Photo: Chunho An, provided by Kukje Gallery
「空」をランドスケープとして描き出す、スキ・カン・ソギョンのマルチメディア・テキスタイル・インスタレーション(クッチェ・ギャラリー)。
Parag Tandel, Talisman for Coastal Futures 8, 2024. Courtesy of the artist and Tarq.
「水」を象徴し、海と祖先との深いつながりを探求した、パラグ・タンデルによる糸のインスタレーション(タルク)。
Masaomi Yasunaga, Melting Vessel, 2026.© Courtesy of Masaomi Yasunaga, Lisson Gallery and Nonaka-Hill Gallery.
「火」を形にした、安永正臣による釉薬を用いた陶のオブジェ(リッソン・ギャラリー)。
Geraldine Javier Courtesy of the artist and Silverlens.
「地」を木々の姿で表現した、ジェラルディン・ハビエルによるエコプリント・ファブリックの巨大な柱(シルバーレンズ)。
Emi Kusano, Ornament Survival – Nursing the Machine, 2026. Courtesy of √K Contemporary.
また、2025年12月のアート・バーゼル・マイアミビーチでのデビューに続き、デジタル時代のアートに特化したグローバル・イニシアチブ「Zero 10」が、アート・バーゼル香港にてアジア初登場を果たします。
Jiyen Lee, Stain-Rainbow Forest. Courtesy of the artist and nächst St. Stephan Rosemarie Schwarzwälder.
「キャビネット」部門では、各ギャラリーのブース内で35のテーマ別展示が行われ、アジア太平洋地域の歴史的な作品や現代的な実践に重点が置かれます。 「フィルム」「カンバセーションズ」「エクスチェンジサークル」、そして香港各地の文化機関と共同で企画したプログラムが、今年も一般に無料公開されます。アート・バーゼルは3年連続で大館(Tai Kwun)と提携し、3月27日に「アーティストナイト」を開催。新進気鋭の実験的なパフォーマーやミュージシャン、ビジュアルアーティストにスポットライトを当てます。また会場内では、香港バレエ団とのコラボレーションによる『State of Wonder 』を実施。会場の環境を活かし、短編ダンス作品を披露します。
Bosco Sodi, Untitled, 2025. Courtesy of the artist and Axel Vervoordt Gallery.
2026年の新たな試みとして、「アート・バーゼル・ショップ」が登場し、アート・バーゼル香港のために特別に制作された限定アイテムやコラボレーショングッズを販売します。
その他たくさんのイベントやトークなども開催されます。
詳しくはWebサイトをご覧ください。
Art Central 2025. Image courtesy of Art Central
2)アート・セントラル
開催期間:2026年3月25日(水)〜29日(日)
会場:セントラルハーバーフロントイベントスペース
Art Central
香港の象徴的なセントラルハーバーフロントで11回目の開催を迎え、香港、アジア、さらにはその他の地域からの先駆的なギャラリーによって構成されます。新進気鋭のアーティストと確立されたアーティストの多様な作品を特集。ビクトリアハーバーを見渡す建築の傑作の中で行われるこのフェアでは、100を超えるギャラリーが出展し、500人のアーティストの作品が展示されます。パフォーマンス、インスタレーション、映像アート、トークを含む5日間のプログラムが用意されており、卓越したダイニングも楽しめます。毎年3月に開催されるアート・セントラルは、コレクターや業界関係者、アート愛好家にとって、前向きな現代アートを探求し、有意義な文化的つながりを育むための特別なプラットフォームを提供しています。
Taeko Tsunoda, Theatre, 2025. India ink, mineral paint, gold leaf on Japanese paper, 38 x 45.5 cm. Courtesy of the artist and SMART SHIP GALLERY
今年のアート・セントラルは、デジタル文化がアートに与える影響を探るクリエイティブプログラムを展開します。インスタレーション、映像、パフォーマンス、対話を通じて現代の社会や仮想生活の摩擦と親密さを考察します。
Kaitlyn Hau, ‘Colleting the Color’ scene visual demo still from Recursive Feedback Ritual 0.01, 2026. Realtime computational sculpture, 715 × 830 × 300 cm. Courtesy of the artist
今回はアート・セントラルのコミッションにより制作された、香港のアーティストKaitlyn Hauによる大規模なインスタレーション「Recursive Feedback Ritual 0.01」が初披露され、アート、テクノロジー、および経験の交差点を探ります。
Arahmaiani, I Love You (Large), 2010. Cotton drill, styrofoam, 95 x 5 cm. Courtesy of the artist and ISA Art Gallery
また、アートフェアのセントラルステージでは、Arahmaiani、Esther Mahlangu、Arno Rafael Minkkinenなどの昨年とは異なる新たな国際的なアーティストが特集され、彼らの作品が見られます。
Esther Mahlangu. Courtesy of the artist and LIS10 Gallery Hong Kong
動画アートプログラムでは「Reading the Room」が、AIと新たな技術が感情的コミュニケーションに与える影響を探ります。特別パフォーマンスプログラムでは「Endless Night and Midnight Sun」が、現代生活の時間の圧縮をテーマにした作品を展開します。
Adrian Wong, With Hate from Hong Kong, 2025. Single‑channel video, 18’00”. Commissioned by Singapore Biennale 2025. Courtesy of the artist

3)セントラルヤーズ・エディブル・アートフェア (香港初開催!)
開催期間:2026年3月26日(木)〜4月5日(日)
会場:セントラルハーバーフロントイベントスペース
セントラルヤーズ・エディブル・アートフェアは、2026年に香港でデビューする革新的で没入型の体験であり、アート、味覚、想像力を融合させたイベントです。このユニークなイベントは、世界中の文化的に好奇心旺盛な訪問者を対象にしており、象徴的なアートムーブメントを体験するインタラクティブな体験を提供します。
今回は香港初開催なので、詳細は後ほどリポートしたいと思いますが、内容を見る限りバーゼルやアート・セントラルと一線を画す企画が多そうです。お祭り気分を味わえるアートフェアな予感も! 主な特徴は以下の通りです。
10のギャラリーでは、特定のアートムーブメントを没入型の環境での中で体験できます。また、好奇心を刺激し、参加者がアートに新たな方法で関わることを促す文化体験ができるそうです。
Gallery Rendering – Pop It! (Courtesy of Central Yards Edible Art Fair)
「Pop It!」ギャラリーは、ネオ・ポップ運動に触発されたインスタレーションで、さまざまなサイズの反射的なバブルの形状で展示室が装飾されています。スペースの中心には、巨大なクレーンゲームから取り出されるジェリーバルーンドッグのフィギアもありますよ!
Gallery Rendering – Feast Your Eyes (Courtesy of Central Yards Edible Art Fair)
シュールレアリズム運動を表現する「Feast Your Eyes」。カーテンのヴェールの中に完全にセッティングされたテーブルがあり、来場者はそのヴェールに頭を突っ込むことで、鮮やかなセッティングを発見します。ダリ風の予想外な仕掛けもあるそうです。
そして、10の食べられる体験(!?)も!
Banana at Go Bananas! (Courtesy of Central Yards Edible Art Fair) Go Banana展示室の本物のバナナ。
各ギャラリーごとに、アートムーブメントの精神を反映する一口サイズの「エディブルモーメント」が用意されるそうです。エディブルモーメントとは、食べ物を通じてアートを体感できる瞬間のことを言います。どんな体験になるのか楽しそうですね。
The Tin at Feast Your Eyes (Courtesy of Central Yards Edible Art Fair) The Tin at Feast Your Eyesの展示室の食べられる真珠の缶。
セントラルヤーズ・エディブル・アートフェアはアート・セントラルのすぐ隣で開催します。

詳しくはセントラルヤーズ・エディブル・アートフェアのWebサイトへ
M+で開催中のInstallation view of Lee Bul: From 1998 to Now, 2026 Photo: Lok Cheng Image courtesy of M+, Hong Kong
4)その他の独立機関との連動プログラム
2026年度のアート・バーゼル香港の開催に合わせ、香港を代表する美術館や文化施設でも、充実した魅力的なプログラムや展覧会が展開されます。
美術館の展覧会および文化施設におけるイベントとキャンペーンの主な内容は以下の通りです。
▶︎1aスペース
「down to earth (exhale) 」
▶︎アジア・アート・アーカイブ
「At 25: Artists’ Early Worlds, Part I」
▶︎アジア協会香港センター
「Hung Hsien: Between Worlds」
▶︎CHAT
「CHAT Spring Program 2026: Threading Inwards」
「Artefacts of ‘Blue’」
「Snuggle and Stitch: Childhood Textiles of Hong Kong」
▶︎香港藝術館
「Wu Guanzhong Art Sponsorship Thematic Exhibition Series: Wu Guanzhong: Encountering Landscapes」
▶︎M+
「Robert Rauschenberg and Asia」
「Zao Wou Ki: Master Printmaker (co-curated with Zao Wou Foundation)」
「Ryuichi Sakamoto | seeing sound, hearing time 」
「Lee Bul: From 1998 to Now (co– Ki Foundation) 」 organised with Leeum Museum of Art) 」 「Shahzia Sikander: 3 to 12 Nautical Miles」
▶︎ パラサイト
「Siteseeing」
▶︎ 大館
「Stay Connected: Supplying the Globe」
▶︎WMA
「Doris Wong Wai Yin: Pollyanna and the Glad Town」
皆さん、3月の香港のアート月間を、脳みそを柔らかくして思いっきり楽しんでくださいね!
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