香港の「楽しい」をいっぱい詰め込んだ情報サイト

2026/10/06

ヤングマンを演じる剛多さんのビジュアルポスター©️Hong Kong Ballet

今回は香港バレエ団のワールドプレミア『Dunhuang: In Search of Light  (敦煌: 本当の自分を探して)』 についてお読みいただいています。

▶︎『Dunhuang: In Search of Light ( 敦煌: 本当の自分を探して)』とは?
▶︎香港バレエ団のレジデント振付家、リッキー・フー(胡頌威)さんと共同振付・脚本担当のマイ・ジンウェン(麦静雯)さんに制作秘話を聞く。


香港バレエ団の今シーズン第1弾『Dunhuang: In Search of Light  (敦煌: 本当の自分を探して)』 で、主役を務める日本人ダンサーのお二人こと、プリンシパルダンサーの加藤凌さん、そして今シーズンからソリストに昇格した関剛多(ゴウタ)さんのお話を、リハーサルの合間を縫ってお聞きしました。今作で演じる役柄への思い、クリエイティブな制作の舞台裏、そして表現者としての挑戦についてたっぷりと伺いました。

加藤凌さん (左)、関剛多さん(右)©️Hong Kong LEI

今回の『Dunhuang: In Search of Light  (敦煌: 本当の自分を探して)』 で、お二人が演じる役柄について教えてください。(敬称略)

凌: 僕たちが演じるのは、劇中では「ヤングマン(Young Man)」 という名称になっている役です。原案であるヘルマン・ヘッセの小説『シッダールタ』 の主人公がベースになっていて、裕福な家庭に生まれた青年が自分探しの旅に出るという物語です。

剛多: 振付・演出のクリエイター(リッキー・フー(胡頌威)氏ら) がインドの文化や仏教の精神世界にインスピレーションを受けて制作しており、インドテイストを取り入れつつ修行や葛藤を経て成長していくストーリーです。今回は僕と凌さん、そしてゲーリー(Garry CORPUZ) の3人でこの「ヤングマン」役をトリプルキャストで務めます。

©️Hong Kong LEI

演出家のリッキーさんからは「このプロダクションをやる時、真っ先に剛多さんが思い浮かんだ」という驚きのエピソードをお聞きしました。

剛多: シンプルにすごく嬉しいですね!  理由を聞いたら「目」だと言われました(笑)。以前のリハーサル中、中国語で細かな指導や修正を受けた際、僕が「え?」と目を丸くしてよく分かっていない顔をしたらしくて……。「その目がすごくピュアで、キャラクターのイメージにぴったりだ」とインスピレーションを受けたそうなんです。面白い理由だなと思いつつ、そう言っていただけたのは本当に光栄です。

リハーサル風景 演出家のリッキーさんから指導を受ける凌さん (左)、剛多さん(中央)©️Hong Kong LEI

演出面ではいつもと違う指導があったそうですね。

凌: クラシックバレエは言葉を使わない分、身振り手振りを大げさにしてストーリーを伝える文化があります。しかし彼らが求めているのは、より現代的で自然なリアリズムです。僕が以前出演した『バタフライ・ラバーズ』でも、「感情は極限まで高めつつも、身体は大げさに動かさないでほしい」と言われました。振付家の美学を尊重し、そのバランスを意識しながら役を深めています。

剛多: 感情を爆発させつつも、内面では常に静けさと冷静さを保たなければいけない役です。ハチャメチャに感情を出すほうが簡単なくらいで、演出陣からは「もっと落ち着いて、静かに」と頻繁に言われます。力を抜くのではなく、常に身体をコントロールしながら抑えた演技をするのが非常に難しいポイントです。

リハーサル風景 演出家から指導を受ける剛多さん(中央)©️Hong Kong LEI

剛多さんは、ソリスト昇格後早速の主役ですが、チャレンジはありますか?

剛多: 僕の場合は、振付家からは「常に全身に力を満たしコントロールされた強い踊りをしてほしい」と言われています。これまでの流れるように踊るタイプの自分のスタイルとは正反対のアプローチで基礎から見直す感覚ですが、壁を突き破った先により良い表現が待っていると確信しているので、全力で挑戦しています。

今回の作品になぞらえると、これを乗り越えたら新しい光が見えそうですね(笑)。

剛多:はい。ストーリーラインに共感するところがありますね(笑)。古典のバレエなど共感するところはあまりない場合も多いですが、この話は僕だけでなく、対象や目標は人それぞれ違えど、皆さんが共感できる話だと思います。

子どもの話に顔がほころぶ凌さん ©️Hong Kong LEI

凌さんは、経験も豊富で、剛多さんとはまた違った形で作品に共感されているのかなと思いますが、いかがですか?

凌: 私生活では娘が生まれまして、今1歳8ヶ月になり、毎日幸せを噛み締めているところです。今回の『Dunhuang(敦煌)』 では、主人公が成長した後に自分の息子と対峙し、ぶつかり合う人間くさいシーンがあります。父親という立場を実際に経験しているからこそ、以前よりも確かな深みをもって親子の葛藤や愛を演じられるのではないかなと感じています。

ファンとしては見逃せないシーンですね!

凌:はい、ぜひご覧ください(笑)。

剛多さんのリハーサルを真剣に見つめる凌さん©️Hong Kong LEI

最後に、公演を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。

剛多: お話の美しさに加えて、強いメッセージ性のある作品です。衣装や音楽も素晴らしく、実は僕らはまだセットを見ていないのですが、圧巻らしいので楽しみにしていてください。

凌:この作品はワールドプレミアで、クラシックバレエとは一味違うタイプの作品です。ダンスの技術だけでなく、濃厚な人間ドラマや芝居の深みが、世代によって受け取り方が違うものになるかなと思います。見終わった後も、ご家族、友人同士で話し合える時間が持てると思いますので、ぜひ見に来てください!

剛多さん曰く、凌さんは何でも悩みを聞いてくれる頼りになる大先輩なんだそうです。©️Hong Kong LEI

多忙を極めるリハーサルの合間をぬって行われたにもかかわらず、朗らかにインタビューに答えていただきました。過酷な挑戦を楽しみながら、意欲的に表現の幅を広げ続けるお二人の姿からは、プロフェッショナルとしての強い情熱と、ダンサー同士の信頼と絆が感じられました。

雄大な音楽とともに繰り広げられる舞台で、二人の「ヤングマン」がたどり着く「自分」とは何か。その旅路は、客席で見守る私たちの心にも静かな問いかけと感動を投げかけてくれるはずです。

世界初演となる注目の舞台は、わずか5回限りのスペシャルな上演です。この貴重な機会を、どうぞお見逃しなく。

『Dunhuang: In Search of Light ( 敦煌: 本当の自分を探して)』とは? 1へ
香港バレエ団のレジデント振付家、リッキー・フー(胡頌威)さんと共同振付・脚本担当のマイ・ジンウェン(麦静雯)さんに制作秘話を聞く。2へ

1ー2ー3


Hong Kong Ballet
Dunhuang: In Search of Light
(敦煌: 本当の自分を探して)

公演日程:
2026年10月16日(金)19:30
2026年10月17日(土)14:30 / 19:30
2026年10月18日(日)14:30 / 19:30

会場:香港文化中心(Hong Kong Cultural Centre)グランドシアター(大劇院)
チケット:こちら
HK$1,380 ( VIP tickets), HK$1,100, HK$880, HK$680, HK$480, HK$280

ローカルの学生、シニアは半額
6歳以上推奨
公演は1時間50分(1回休憩含む)

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください

意見を投稿する

Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

Translate »