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2025/10/18

2007年、「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」という、映画が日本で大ヒットしました。主人公が母の闘病と死という悲しい現実に向き合うストーリー。日本中で号泣する人が続出、一大ブームを巻き起こした映画ですが、これはマルチタレントとして活躍するリリー・フランキーの実話に基づく小説が原作でした。

Photo: Courtesy of Golden Scene Cinema

あれから間もなく20年。リリー・フランキーは再び「死」について考えさせられる作品を提供してくれました。今回は自らの世代の孤独死を考える映画『DIAMONDS IN THE SAND』(中国語:沙中瑰寶)です。『万引き家族』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞にノミネートされた彼が主演を務め、香港では10月30日から公開されます。

Photo: Courtesy of Golden Scene Cinema

離婚を経験し、仕事にも行き詰まり、虚しさを抱えながら日々を過ごしていたヨージ(リリー・フランキー)。活気のない職場、深みのない友人関係……。彼の存在を唯一気に留めてくれていた母親が他界してしまい、生きる意味を疑いながら過ごしていた彼はある日、同じマンションの住人の孤独死を発見してしまいます。「同じような最期を迎えたくない」そんな思いに駆られ、ヨージは一人娘のために東京で働いているフィリピン人介護士ミネルバ(マリア・イザベル・ロペス)の誘いに乗り、日常を捨てマニラへ行くことを決意。そこで日本人の父に捨てられたジャピーノ(日本とフィリピンのハーフ)である、ミネルバの娘エンジェル、そしてミネルバと3人で暮らす日々が始まります。喧噪と混沌に満ちた街でこれまでにない温かさと活気を感じ、再び「生きること」や「人とつながること」の意味を見つめ直す彼が見たものとはーー?

Photo: Courtesy of Golden Scene Cinema

日本アカデミー賞最優秀主演男優賞にノミネートされたリリー・フランキーの演技は本作でも魅力的。とらえようのない、迷える中年男性をリアリティーたっぷりに演じています。監督はフィリピンの新鋭ジャナス・ヴィクトリア。本作は彼女の長編デビュー作にしてウディネ・ファーイースト映画祭のホワイトマルベリー賞(最優秀新人監督賞)受賞作でもあります。彼女は過去にも東京のアパートでの孤独死を題材にした短編ドキュメンタリーを制作しており、孤独死というテーマに並々ならぬ関心を持っていることがうかがえます。ベテラン撮影監督の芦澤明子による、日本とフィリピンの空気感を対照的に映し出す映像も素晴らしい!

文化を越えた対話と心の再生を繊細に描き出す静かな感動作、どうぞお見逃しなく!

 

DIAMONDS IN THE SAND(邦・英題)(中国語:沙中瑰寶)
日本、マレーシア、フィリピン合作 / 2024年 / 103
監督・脚本:ジャヌス・ヴィクトリア
出演:リリー・フランキー、吉行和子、マリア・イザベル・ロペス、ソリマン・クルス、チャーリー・ディゾン、

 

上映情報はこちらでチェック↓
Golden Scene Cinema:
https://goldenscene.com/

WMOOV
https://wmoov.com/

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