2021/11/01

你呢排點啊?今日は、香港の街中に点在するオレンジ色のゴミ箱にも関連するお話です。

“Trick or Treat” 今年もハロウィンの季節がやって来ました。昨年はコロナで開催が中止された近所のハロウィンイベントも今年は無事に開催されるようで、わたしの住む街では至るところで飾り付けが始まっています。そんな中、流れて来た悲しいお知らせ。息子たちの通う学校の先生がステージ4のがんに罹患していることが判明したというのです。息子たちが直接教わったことはなかったけれど、まだ幼いお子さんを3人抱えた先生の病気のニュースは同じ母親として大きな衝撃で、数日気分が塞ぎました。手術後も必要となる高額な治療費のため、現在、クラウドファンディングが行われていますが、サイズアウトしたハロウィンコスチュームが学校で回収され、セカンダリースクールの生徒たちがボランティアとして参加し、近くの広場で催されたリサイクルセールの売上金が先生のご家族に寄付されるなどのチャリティ活動も実施されています。

手の込んだハロウィンの装飾が街のあちこちに出現。ハロウィン当日はリユース衣装に身を包んだ多くの子どもたちの元気な“Trick or Treat!”が聞けるはず。

2年前から住んでいるこの街は、自然が豊かな離島で息子たちはのびのびと育っているけれど、繁華街に出かけるには時間も交通費も余計にかかるし、荷物の配送には特別料金が加算される。東京都の面積の約半分、コンパクトシティな香港の中にあって、買い物をするには少し不便な土地柄です。一方で不要になったものをリユースする文化がコミュニティの中に根付いており、近隣の住民1万人近くが参加するフェイスブックのプライベートグループ上では「売ります、買います」のやり取りがとても盛んです。今回の先生ファミリーへの支援も、コスチュームだけでなく不要になった絵本やおもちゃが回収されセールが催されるなど、自分たちにできる無理のないサポート活動が積極的に展開されています。

空港が近く、航空関係者も多く住むこの街。昨年の秋、キャセイドラゴン航空が運航停止になったときは、多くのファミリーが本国に引き揚げ街を去りました。毎日、街のどこかしらで行われていたオープンハウスセール。「売ります、買います」サイトで情報を仕入れ、わたしも息子たち用の古着を購入したり、自転車を譲り受けたり、ほとんど使用されていないバスタオルを購入したり(義母には「人が使ったタオルなんて気持ち悪いわ」と言われましたが、ホテルのタオルだって不特定多数の人たちが使っているし、目の前にいるファミリーが数回使っただけの上質コットンバスタオル。抵抗感はありませんでした)。リユース品のやり取りは通常、値引き交渉が行われるのですが、選択肢の残されていない彼らの再出発へのエールを込め、この時ばかりは相手の言い値どおりの金額をそのまま気持ちよく手渡し、皆にグッドラックを告げました。

街に設けられている資源ゴミ回収所。香港全体の資源ゴミ総回収量164万トンの内訳は、金属54%、古紙32%、プラスチック5%となっている(2019年実績、注1)

とにかく物価が高いこと、コロナ禍で収入が減ったこと、買い物しにくい場所に住んでいること、リユースすることが特別なことでない環境の中で暮らしていること、、、色々な要素が重なって、日本にいたときより格段にモノを大切に扱うようになった我が家。次男の幼稚園には、授業で使う工作用の材料として空の牛乳パックや紙箱、プラスチックの空容器等を回収するボックスが設置されています。通園時、自分のバックパックはお手伝いさんに背負ってもらい、エコバックに入れた材料(!)を自ら持つのが次男の毎朝の日課。ビニール袋だけでなく紙袋をもらうにもHK$0.5かかる香港では、いつ買い物することになっても良いように大きさ違いのエコバックを複数個、鞄に入れて持ち歩くのがわたしの新たな習慣となりました。食料品は特価に惑わされず吟味して必要な分だけしか購入しなくなったし、我が家に限って言えば、日本にいたときより自宅から出るゴミの量は大幅に減りました。

そうそう。前出の「売ります、買います」サイトですが、去年のちょうど今頃、好評連載中の『香港内引越し大作戦!』ではありませんけど、我が家も香港内引越しをし、売り手としてもこのサイトのお世話になりました。折込広告に出ていた自宅から数ブロック先にあるバス停に近いアパートメント。少し狭くなるけれど、内装がシンプルでわたし好みの明るい床のフローリング。家賃がちょっぴり安くなることもあり、この島に引っ越して1年足らずでしたが、2度目の引越をすることを即断即決したのです。カナダに移住するファミリーが“持って行かないから、是非使って”と残していってくれた二段ベッド。子供たちはカラフルなそのベッドが一目で気に入り、これまで使っていた自前のマットレスと入れ替えられたベッドは、彼らの「お城」兼「隠れ家」として新たな子ども部屋の一角に鎮座することになりました。

1人になりたいときは2階に上ってブランケットに包まるのが、なぜだか兄弟共通の習性。微笑ましい。次男はお気に入りのベッドに寝ることで、入眠時の母親の添い寝から卒業できました。

他方、サイトに出品したこれまで使っていた長男と次男のベッドの枠組み。1つならHK$600、2つならHK$1,000。自宅まで取りに来てくれてベッドの解体も自前で行える人という条件で値付けしたIKEAのベッド。ネット上でメッセージをやり取りしていたのは女性だったのに、指定の日時に現れたのは体格のいい男性。よくよく聞いてみると、わたしたちが会話をしていた女性は彼の上司にあたり、お互いが2人の子持ち。このたび、自分と上司(=現パートナー)、子どもたち合わせて6人で同居をすることになり、彼女に言われて4人の子どもたち用のベッドを調達すべくやって来たとのこと。“今日は元の奥さんに自分の子ども2人を預けてここに来たんだ”と、相関図を書かなければ頭がこんがらがってしまいそうな身の上話を陽気にしながら慣れた手つきでベッドを解体し部材を肩に彼は我が家を後にしたのでした。

以前はベッドの2階部分を就寝場所として、1階部分を収納スペースとして使用していた。今は新しい持ち主たちにどんな風に使われているかな?

少し傷の入った木製のコーヒーテーブルHK$250は若いカップルにHK$50引きで引き取られ、汎用性の高い金属製ラックHK$100は複数の家族間での争奪戦となり、新居の窓のサイズには合わない1年使用済みの遮光カーテンHK$200までも出品して瞬く間に売れていきました。サイトには“使用済みでいいので引越用の段ボールをください”とか“ストックしていたけれどサイズアウトした紙おむつ誰かもらって”など、無料での取引に関するメッセージも飛び交っています。

さて、そんな香港。昨年末、環境保護署から発表された最新の数字1,470g(注1)。日本の918g(注2)の1.6倍にもなるこの重量は1人あたり1日のゴミの排出量です。計算すると私たちは年間平均0.5t超のゴミを出しながら生活をしていることになります。大気汚染への懸念の声が上がったことから焼却施設が閉鎖され、1997年以降香港ではリサイクルできるものを除き、ゴミは焼却処分されずに埋立処分されているのですが、現在香港内に3つしかない埋立処分場(注3)。このままでは近い将来、満杯になってしまうことは明らかです。

ゴミの分別の習慣のなかった香港にも、オレンジ色のゴミ箱に加え街中に分別用のゴミ箱が徐々に増えて来た。(上)近所のショッピングプラザ内、(中)MTR構内、(下)海港城Harbour City内。

深刻化するゴミ対策の一環として、香港立法会は今年8月、企業や飲食店、一般家庭から出るゴミに対し、有料の政府指定専用ゴミ袋の使用を義務付ける草案を可決しました(注4)。正式な実施時期については再度立法会に諮られるそうですが、18ヵ月の準備期間を経て早ければ2023年には有料化がスタート。一般的な3人家族が使用する1ヵ月あたりのゴミ袋の料金はHK$33~51程度になりそうだと試算されています(注5)。

ニュースを聞いたときは「えー、ゴミ捨てるのにお金取るの?」と思ったけれど、香港の現状を知り事情を理解することができました。比較的、合理的に物事を考える香港の人々。有料化後はゴミの量がかなり減るのではないかというのがわたしの予想です。そして、思い出の詰まったモノをそれらを必要とする人々の間でリレーしリユースすること。そこにちょっとしたコミュニケーションが生まれれば、生産・輸送・廃棄に係る環境負荷の低減に加え、優しく人に寄り添うこともできるような気がして、そんな経験を多くの人が味わい実践するようになれば素敵だなと密かに考えています。

“サイトには載せてなかったけれど、このスクール水着もおまけに付けとくわ。気にならないようなら是非使って”職を失い本国に帰るファミリーから購入した少し色褪せているけれど、まだまだ充分使える大量の学校の制服。「行ってきます!」長男より2学年先輩のあのファミリーの息子さんも今頃は新しい学校の制服を着て毎日笑って登校しているといいなと、お古の水色シャツを着て学校へ向かう息子の背中を見送りながら切に願った、いつかの朝。

Emi in HK。多謝收睇。下次見!

 


【出典】
※注1…香港廢物統計數字2019概要(香港特別行政區政府 環境保護署)
https://www.wastereduction.gov.hk/sites/default/files/msw2019tc_ataglance.pdf
※注2…一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)について(環境省)
https://www.env.go.jp/press/107932.html
※注3…香港資源循環藍圖2035(香港特別行政區政府 環境保護署)
https://www.enb.gov.hk/sites/default/files/pdf/waste_blueprint_2035_chi.pdf
※注4…政府歡迎立法會通過《2018年廢物處置(都市固體廢物收費)(修訂)條例草案》(香港特別行政區政府 新聞公報)
https://www.info.gov.hk/gia/general/202108/26/P2021082600291.htm
※注5…東網on.cc「立會三讀通過垃圾徵費草案」
https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20210826/bkn-20210826100457212-0826_00822_001.html

 


Emi
経済団体にて、経済産業省・法務省との折衝から、中小企業の事業転換・倒産回避の相談現場まで、多岐にわたる業務に従事。2019年6月、15年間の東京・丸の内オフィス生活に別れを告げ、夫の仕事の都合により香港へ移住。錆びついた英語と、初学者レベルの広東語・中国語を日々勉強中。気分転換は映画・ドラマ鑑賞、25年振りに再開したピアノ、甘い物。小学校、幼稚園、やんちゃ男児2人の母。

Twitter @emi_m_wang
E-mail  emiinhkg@gmail.com

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