2021/09/15

~わたしたちのカラダは食べたものでできています~
本物の食材を求めて。日本の伝統調味料をお伝えするコラム。

~甘味について~

前回のコラムでは、つい食べちゃう、クセになる、砂糖の依存性(①潜在性②増量性③習慣性)についてお伝えしました。
お砂糖を摂取すると、身体の中ではどんな反応を起こすのでしょうか?どうして砂糖依存となってしまうのでしょうか?

香港の生徒さんで、子どもにお砂糖をあまり食べさせないようにしているママさん。
子どものお友だちがすごく甘いお菓子や、コーラをのむのですが、よく人を叩いたり、キレやすいから、お友だちとして困るという話を聞きました。イライラしたり、キレやすくなる行動は砂糖を食べると起こりやすく、決してそのお子さんが悪い訳ではないのです。
お砂糖は麻薬に近い中毒性があるから、子どもは我慢できずについ食べたくなってしまうし、子どもがぐずってしまうとお母さんもしんどいから、ついお菓子を渡してしまう。負の連鎖になってしまっているのです。

〜砂糖は本能的においしく感じる〜

甘いものは本能的においしく感じるようになっており、甘味を感じると脳内の心地よさを感じる部分が刺激されるのです。
赤ちゃんの頃から、母乳の乳糖の甘味をおいしいと感じ、成長するにつれ穀物の甘味をおいしく感じるのです。これは、甘味が身体に必要なエネルギー源(糖類)ということが関係しています。甘さへの欲求は本能的に起こりやすいということです。

甘いものを口に含むと、まずは舌の味蕾(味細胞)が反応、電気信号を発信し、脳へダイレクトに刺激が伝わります。甘味は脳内の心地よさを感じる部分を刺激して、βエンドルフィンという快楽ホルモンを分泌するのです。
βエンドルフィンは、「体内で分泌されるモルヒネ」という意味があります。甘いものを食べると「気持ちよい」という快感を感じる脳内報酬系が活性化されるのです。

糖質は脳の主なエネルギー源です。糖質の多い食事で血糖が上がることは脳が快感となり、これが、もっともっと食べたいという欲求を起こさせて中毒性を増すのです。特にジュースやアイスクリームに使われているコーンシロップ(果糖ブドウ糖)などの強い甘みは、脳の報酬系が強く活性化され中毒性が高くなります。
お子さんでジュースがやめられない場合、依存になっている可能性が高いので、果物やお茶に代えていきましょう。

〜血糖値の乱高下がイライラをひきおこす〜

ごはんやお砂糖などの糖質を摂取すると、消化吸収されてブドウ糖(グルコース)となり、血液中に入り、運ばれ、体のエネルギーとなります。この血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度が血糖値となります。血糖値が上がるとすい臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖が体の細胞に取り込まれエネルギー源として利用されます。余分なブドウ糖はグリコーゲンに変換され、肝臓や筋肉に貯えられて血糖値を下げてくれるのです。

白砂糖は体内への吸収が早く、血糖値が急激に上がりやすくなります。インスリンが過剰に分泌され、一気に血糖値は下がり、低血糖状態となります。低血糖状態が続くと、眠気、無気力感、倦怠感などを感じるようになります。どんどん低下していくと意識を失ったり昏睡状態に陥ったりと体には危険が生じるため、脳はアドレナリンを分泌するように指令し、血糖値を上昇させ、交感神経を高め、体を緊張状態へともっていくのです。これが続くと、無気力と攻撃的な状態を繰り返すことになるのです。

お子様にすこやかに育ってほしいなら、体に素早く吸収される砂糖は控えて、吸収が遅く血糖値があがりにくい、穀物やお芋などのでんぷん質をおすすめします。
まずは「お菓子」から、食事の代わりになるようなさつま芋やおむすびなどの「おやつ」に変えていきましょう。

 

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~毎日のごはんで身体を調える~ 自然食療法家・国際薬膳師・マクロビオティック講師KYOKO
毎日のごはんが、明日の自分をつくる。薬膳マクロビオティック教室では「料理+考える力」を大切にしています。多角的視点で、体調・体質・季節にあわせた食材の選び方や調理法を学びます。生徒さんの様々な体調の質問を皆で読み解き、身体の声が聞こえるようになることが目標です。※現在は香港教室は休校。大阪にて、薬膳マクロビオティック料理教室を開催中。

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