2023/08/19
長いことコロナの影響で鳴りを潜めていた観光地マカオが、この間に粛々と進めてきた大規模な開発事業計画。今年に入ってから、満を持して続々と新規参入ホテルの開業を発表しました。ふた昔前まではマカオといえばカジノでしたが、今では一大エンターテインメントの観光地として、ホテルステイ、観光、食事、ショッピング、プール。レジャーやスパ、そしてコンサートやショーなど、マカオは朝から晩まで性別年齢問わず楽しめるデスティネーションへと発展しています。
そんな活気ある今のマカオを知る、マカオ政府公認日本語ガイドの椿さんに、今回特別にマカオのリアルをお聞きします。現地の生の声が聞けるここだけの特別企画！ 本日から３週に渡って３回でお届けします。前編の今回は、益々パワフルにテーマ性とコンセプト、そしてラグジュアリーさを前面に出してきたホテルの数々をご紹介します。回が進むごとにどんどん地元ならではのディープな情報が出てきますので、お楽しみに！
今回教えていただくのは、
福岡県福岡市出身。一児の母。澳門永久居民。九州大学卒業後、旅行会社勤務。2010年マカオに渡り、政府公認日本語ガイドの資格を取得。現在はYouTubeやSNSにてマカオの魅力や旅行情報を発信中。
Instagram：@macao_guide
YouTube：MacauGuideTsubaki
目次
前編
（８月19日公開）
【マカオの最新ホテル情報】
ザ・ロンドナー・ホテル／ロンドナー・コート
グランド・リスボア・パレス／カール・ラガフェルト
パラッツォ・ヴェルサーチ・マカオ
リスボエタ／ロクシタン／LINEフレンズ
ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ
アンダーズ マカオ／Wホテル
今なら見られる！ 期間限定イベント
（８月25日公開）
【目的別ホテル選び】
▶︎子連れアクティブ派におすすめ
▶︎「これぞリゾート！」を体験したい人
▶︎カジノよりのんびり派におすすめ
▶︎女子旅はやっぱりスパ重視！
▶︎アート好きにはココ！
（８月31日公開）
▶︎いざマカオへ！
基本情報
香港からマカオへ あなたは陸路派？海路派？
▶︎マカオに行ったら、ここを訪れよう
ショー／食事
マカオに住む観光案内人だから知ってる注目スポット
椿さんおすすめの絶対食べたいポルトガル料理
▶︎あれこれ情報！
椿さんに聞くあれこれ雑学
マカオ内の交通事情
椿さんがおすすめするマカオのお土産ショップと品物リスト！
最新マカオホテル情報
昨今のマカオのホテルは、ひとつの巨大リゾートエリアをシェアする統合型リゾート施設に勢いがあります。「サンズ・リゾーツ・マカオ」、「ギャラクシー・リゾーツ」、「グランド・リスボアパレス・リゾート」、「スタジオ・シティー」などそれぞれに複合型ホテルが入り、行き来や共通のサービス、特典などが利用できるというもの。今年は高級ホテルやコンベンション、コンサート会場などのオープンが目立っており、今後隅々まで電車なども開通してくるとマカオが益々便利に、さらに活気づくことが予想されます。
▶︎最近新規オープンしたホテル
ザ・ロンドナー・ホテルとロンドナー・コート
The Londoner Hotel＆Londoner Court
https://www.londonermacao.com/
ロンドンを模したホテルとして開業時にはデイビッド・ベッカム氏まで来て盛り上げたザ・ロンドナー・ホテルとロンドナー・コート。統合型施設のロンドナーにあるのは、セント・レジス・マカオ、コンラッド、シェラトン・グランド・マカオに加えて、ロンドナー・コートとロンドナー・ホテルが2023年５月にオープン。
courtesy by Tsubaki
ザ・ロンドナー・ホテルは、全室スイートで、総数約600室。インテリア・デザインの随所に、柄や家具、アートでさりげなく英国風のアクセントが施されています。エレガントにしつらえられたマスターバスルームには、ビクトリア様式のバスタブとスパアメニティを完備。高級クラブ「ザ・レジデンス」では、インターナショナル・ビュッフェ式朝食、アフタヌーンティー、ドリンク、イブニングカクテルを楽しめます。
courtesy by Londoner Hotel
ロンドナー・コートは世界的に有名なインテリアデザイナー、スティーブ・レオン氏のデザインによるもの。コンテンポラリーなアプローチをしながら豊かな伝統を反映しノスタルジックな英国を感じさせます。368室のレジデンシャル・スタイルのスイートは、１ベッドルームから４ベッドルームまであり、設備の整った英国のタウンハウスのような快適さと格式を備えています。また24時間体制で宿泊客に対応するバトラーサービスあり、訓練された専門のチームでサポートしてくれます。
courtesy by Londoner Court
ロンドナーの正面玄関は細部にわたる工夫が、まるで本当のロンドンにいるかのような高揚感さえ生まれるほど。
courtesy by Londoner
毎日執り行われる近衛兵交代式は、エンターテインメントとしても楽しませてくれます。
また毎晩行われる音と光のショーは、イギリスを代表するジェームズ・ボンドの映画「ダイヤモンドは永遠に」の主題曲、ビートルズの名作「ツイスト・アンド・シャウト」、ロビン・ウィリアムズの「レット・ミー・エンターテイン・ユー」などにのって、１万を超えるライトがダイナミックに行き交います（詳細は後編でご紹介します！）。
👍ビッグベンやウェストミンスター教会をモチーフにしたエントランスが美しいです。特に夜景は必見です。館内は写真スポットがあったり、ハリー・ポッターの世界のような動く肖像画があったり、歩いているだけで楽しめます。コタイエリアの中心地にあり、アクセスもいいです。
courtesy by Tsubaki
👎ロンドナーホテルは宿泊費が高いですね。ベッカム・スイートなどがあり面白いと感じますが、泊まりたいかと言われると……建物自体は古いですし……
グランド・リスボア・パレス・マカオ / ザ・カール・ラガフェルド / パラッツォ・ヴェルサーチ・マカオ
Grand Lisboa Palace Macau＆THE KARL LAGERFELD＆Palazzo Versace Macau
https://www.grandlisboapalace.com/en/hotels
グランド・リスボア・パレス・リゾート内にある古城をイメージさせるグランド・リスボア・パレス2021年7月のオープンに続き、今年新たにオープンした、ザ・カール・ラガフェルド、そしてパラッツォ・ヴェルサーチ・ホテル。他のホテルのように目立つ建築スタイルや彫像などはありませんが、さすがファッションの頂点に立つブランドだけあってセンスの良いホテルとして、マカオトップクラス。
courtesy by Grand Lisboa Palace
グランド・リスボア・パレス・マカオは、シノワズリにインスパイアされたモダンなインテリアから、地元の有名アーティストによる特注のアート作品まで、東洋と西洋が融合したエキゾチックな壮麗さを表現。1,350室の現代的なゲストルームからは、コタイ地区、またはリゾート内のシークレット・ガーデンの息を呑むような美しい眺めを見ることができます。
courtesy by Grand Lisboa Palace
今年2023年６月にオープンした、ザ・カール・ラガフェルドは、ファッション界の伝説的人物が内装をすべてデザインした世界で唯一のホテル。中国と西洋の美を独自にミックスして表現した比類なきラグジュエリーな、ラガフェルドならではの世界観です。ゲストはホテルに一歩足を踏み入れたらファッションの領域を超えた彼の独創性をすぐにわかるはず。271室の随所にあるパターンや素材は、デザイナーが個人的に考案、または選択したもので、滞在中は、彼の創造性とその才能に驚かされるでしょう。
courtesy by THE KARL LAGERFELD
今年８月にオープンしたアジア初のパラッツォ・ヴェルサーチ・マカオは、真のヴェルサーチのライフスタイルを味わえるそう。ドナテラ・ヴェルサーチ氏のスタイリッシュでクリエイティブなディレクションのもと、細部まで注ぎ込まれたヴェルサーチのシグネチャースタイルを楽しめます。ヴェルサーチ好きにはたまならい体験になりそう。
courtesy by Palazzo Versace Macau
👍リスボア系列で、とても豪華で綺麗です。歩いているだけで貴族のような気分になれます。グランド・リスボア・パレス内にはスーパーもありますので、ちょっとしたお酒やおつまみにも困りません。お土産探しにも最適です。カール・ラガーフェルドのホテルはデザイナーズ・ホテルだけあり、センスが光ります。おしゃれな方に特におすすめです。アフタヌーンティーは人気ですよ。バーではマカオのクラフト・ジンなどを楽しむことができます。👎アクセスが少々悪く、人が少なく閑散としています。アクティブに観光を楽しむタイプの方の拠点にはおすすめしません。
リスボエタ／メゾン・ロクシタン／LINEフレンズ
Lisboeta／MAISON L’OCCITANE／LINE FRIENDS PRESENTS CASA DE AMIGO
https://www.lisboetamacau.com/en/
courtesy by Tsubaki
テーマパーク型複合リゾートのリスボエタ・リゾートには3つのホテルが併設。自前ブランドのリスボエタホテルのほか、いずれも世界初となるフランスのコスメティックブランド「ロクシタン」、通話アプリ「LINE」のキャラクターブランド「ライン・フレンズ」とコラボしたホテルをオープンしました。
courtesy by MAISON L’OCCITANE
リスボエタには574の客室とスイートルームがあり、1960年代のマカオを彷彿とさせるインテリアデザインは、マカオの伝統的な店舗の折れ戸や古いマカオのイメージなど、伝統的な要素に現代的なアレンジを加え、過去から現在までのマカオの進化を反映しています。
courtesy by Tsubaki
メゾン・ロクシタンの館内インテリアは、南仏プロヴァンス地方をイメージしたというシンプルかつエレガントな雰囲気に。客室数は164室。ロクシタンを代表する4つの天然植物成分（イモーテル、ヴァーベナ、チェリーブロッサム、シアバター）をテーマにした客室が用意されています。
courtesy by MAISON L’OCCITANE
世界初のLINE FRIENDS PRESENTS CASA DE AMIGOは、LINEフレンズが全面的にデザインした82室の客室とスイートルームを備え、宿泊客はLINE フレンズの仲間たちと一緒に、まるで彼らの家を訪れたような体験をすることができます。「BROWN’sルーム」、「CONY’sルーム」、「LINE FRIENDS’ルーム」の３つの個性的なテーマの客室は、ポルトガルの建築様式からインスピレーションを得た華麗な色彩で装飾され、特に流行に敏感なミレニアム世代や家族旅行では楽しさ間違いなし！
courtesy by Line Friends
👍リスボエタは昔のマカオを再現したレトロエリアと、アトラクションや映画館などを楽しめるアクティブエリアに分かれていて、どちらも楽しめます。間違いやすいですが、リスボア系列ではありません。
レトロエリアでは焼きイカなどのグルメと一緒に地元のミュージシャンのライブを楽しんだり、お汁粉（糖水）に舌鼓を打ちました。アクティブエリアではZIPCITYや室内スカイダイビングが楽しめますので、刺激的な体験が好きな方におすすめです。
ロクシタン・ホテルは、ロクシタンのアメニティがあり、部屋はロクシタンのテーマカラーで揃えてあり、落ち着きました。お風呂場が広く、ゆったりと入浴を楽しめます。LINEフレンズ・ホテルはロビーに写真スポットがあり、宿泊しなくても楽しめます。
courtesy by Tsubaki
👎ロクシタンとLINEフレンズはそれぞれ雰囲気などとても良いのですが、ライセンスを借りているだけなので、サービスが思ったほど充実していません。記念日など特別な日の宿泊にはリスボエタ・ホテルがベターです。またプール３つのホテルで１つの小さな屋内プールを共有するので、夏休みは大変な混雑が予想されます。アクセスが悪く、観光しづらいのが難点です。観光送迎と食事込みのパッケージツアーなら過不足ないホテルですが、ステイケーションや観光旅行ならちょっと考えた方が良いかも。
▶︎大注目！これからオープンするホテル！
ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ
Raffles at Galaxy Macau
https://www.galaxymacau.com/hotels/raffles-galaxy-macau/
ギャラクシー・リゾーツの中にある約450室のスイートルームを備えたラグジュアリーなホテル。エレガントな内装でまるでハイクラスな個人邸宅のよう。白とグレーを基調とし柔らかな印象と、緑豊かなインテリアに、リッチなワインレッドと温かみのある木材がアクセントを添えています。中には専用の温水プールと庭園があったり、デュプレックス・スイートなどもあります。2023年8月16日にソフトオープンしたばかり！
courtesy by Raffles at Galaxy Macau
アンダーズ マカオ
Andaz Macau
https://www.galaxymacau.com/hotels/andaz-macau/
今年、2023年9月15日にオープンを予定しているアンダーズマカオ。こちらもギャラクシー・リゾーツの中にあり、同時期にオープンするギャラクシー・インターナショナル・コンベンション・センター（GICC）と、16,000人収容のイベント会場になるギャラクシー・アリーナに合わせて開業するというもの。客室とスイートルームを合わせて700室以上があります。すでにアリーナでのコンサートチケットの販売も始まっており、今後大規模なエンターテインメントや一大イベントがこのあたりを中心に生まれそうです。
courtesy Andaz Macau
W マカオ
W Macao
https://www.marriott.com/en-us/hotels/mfmwh-w-macau-studio-city/overview/
2023年9月8日、統合型リゾートStudio CityにオープンするWマカオ。世界的に評価の高いザハ・ハディドの建築事務所が設計を担当。建築スタイルはザハらしいモダンなデザインと、1950年代にマカオで撮影されたハリウッド映画の影響も受けているそう。客室は127室のスイートを含む557室。スパ、フィットネスセンター、屋内プールほか最先端のオーディオ・ビジュアル・テクノロジーを備えた会議・イベントスペースも。また、ホテルには珍しく、レコーディング・スタジオ「Wサウンド・スイート」も同時オープンします。
courtesy W Macau
▶︎編集部おすすめ！現在開催中のイベント 今なら見られる！期間限定イベント
ミュージカル「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」
言わずと知れたミュージカルの王道が現在マカオ文化センターの大公会堂にて上演中。本当に久しぶりのミュージカル公演です！
開催期間：2023年８月22日まで
場所：マカオ文化センター
チケット購入はこちら
https://www.macautic
ket.com/TicketWeb2023/en/programme/P-003670
チームラボ SuperNature Macao
https://www.venetianmacao.com/entertainment/teamlab.html
今や日本のみならず世界でも認知されたチームラボのマカオ展示会。5,000平方メートルに及ぶ高低差のある非常に複雑な３次元のインタラクティブ空間で、世界への新たな認識と、人間と自然の連続性を探求しようとする体感型イベント。
開催期間：継続中
場所：Cotai Expo ,The Venetian Macao
チケット購入はこちら
https://www.cotaiticketing.com
👍マカオのチームラボは世界一天井が高く、没入感が抜群です。今年エリア内にカフェもオープンしました。アートとグルメを同時に体験できます。
併設展 「アート・マカオ：マカオ国際アートビエンナーレ2023」 – ワルキューレ・ミス・ディオール
https://www.mgm.mo/en/cotai/entertainment/valkyrie-miss-dior-joana-vasconcelos
MGMでは、「マカオ国際アートビエンナーレ2023」の併設展の一環として、著名なポルトガル人現代アーティスト、ジョアナ・ヴァスコンセロスの最新作「ワルキューレ・ミス・ディオール」展示中。これはワルキューレシリーズの最新作で、パリと深センで開催されたディオールの2023-2024年秋冬プレタポルテ・ショーに期間限定で登場したのに続き、MGM COTAIがこの作品を一般公開する最初のステージとなります。
北欧神話に登場する、力強く勇敢な女性像であるワルキューレからインスピレーションを得たこの作品は、有機的なフォルムで作られ、建築としても調和がとれています。長さ24メートル、高さ7メートルのこの作品は、縫製、編み物、かぎ針編みなどさまざまな手工芸の技法を駆使して丹念に作られ、鮮やかな布地、レース、刺繍、スパンコール、羽根、LEDライトなどの素材で構成されています。メゾンのアーカイブからインスパイアされた20種類以上の花柄の斑点模様のファブリックを使用し、ミス ディオールの花々と、創業者であるクチュリエが親しんだ自然の素晴らしさへのオマージュであると同時に、女性へのオマージュでもあります。
開催期間：2023年10月８日まで
場所：The Spectacle at MGM COTAI
光の輪郭 ：レオナルド・ダ・ヴィンチとの出会い
https://www.wynnresortsmacau.com/en/wynn-macau/whats-on/art-macao-2023
最先端の光投影技術により、天才レオナルド・ダ・ヴィンチの作品と新たな出会いを体験することができます。デジタルアート、バーチャルリアリティ（VR）やホログラム技術、そして多角的に鑑賞できるリアルな立体イリュージョンを通して、実際にそこにいるかのように空間を探索できる没入型の多感覚体験で、ダ・ヴィンチの作品を新たな角度から再発見してみましょう。
開催期間：2023年10月15日まで
場所：Wynn Palace Art Center
チケット購入はこちら
バーチャル・ヴェルサイユ
https://www.grandlisboapalace.com/en/arts-n-events/virtually-versailles
フランス、ヴェルサイユ宮殿は、ユネスコの最も権威ある世界遺産のひとつです。グランド・リスボア・パレス・リゾート・マカオで開催されるアート・マカオ国際ビエンナーレの一環として開催される、五感を使ったインタラクティブなバーチャルエキシビションです。
独創的なデザインと最先端のマルチメディア技術を駆使したこの国際巡回展では、ヴェルサイユ宮殿の建築と歴史、過去から現在への変遷を3Dで再現したり、ルイ14世が愛した花の香りをこの展示のために特別に作られた香水で嗅いでみたり、マーキュリーの間、鏡の回廊、ロイヤル・オペラハウスなど、王宮の最も有名な部屋を360度見渡すこともできます。マカオのヴァーチャル・ヴェルサイユだけの特典として、世界的に有名なファッションデザイナー、カール・ラガーフェルドの部屋も見学することもできます。
開催期間：2023年10月15日まで
場所：Level 1, Grand Lisboa Palace Resort Macau (South Entranceの近く)
チケット購入はこちら
https://www.ticketing.sjmresorts.com/virtually-versailles
マカオ旅行を楽しく、快適に！
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次は【マカオ中編、目的別ホテル選び】です！
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