2023/12/12

目次

(1)
▶︎香港バレエ団と、ダンサーたち
▶︎香港バレエ団ならではの「くるみ割り人形」の楽しみ方

(2)

▶︎リハーサルを訪問!
日本人ダンサーのご紹介
ドレスリハーサル

▶︎インタビュー
神崎開さん(公開中!)

Cover Story:高野陽年さん
( 2024年1月20日に公開しました)
(3)
▶︎舞台裏を覗いてみよう!
▶︎セット
▶︎衣装の工房に入れていただきました!
ー鬼才ディレクター
ー工房で作っているもの
ー衣装の工夫
ーおもしろ衣装
▶︎シーズンの演目、注目など

※3ページ目は、12月15日に公式LINEで配信します!


【リハーサルを訪問】

今回最初に取材をさせていただいた11月後半、「くるみ割り人形」のリハーサル真っ只中で、広報の人曰く、現時点で70%ぐらいの仕上がりとのこと。ただ毎年やってるいる演目なので通常よりはリラックスしたムードのよう。毎日、場面ごとや曲目ごとに分刻みでリハーサルが行われていました。

香港版くるみ割り人形を演出した芸術監督が、キューバ系アメリカ人のセプティム・ウェバー氏。1999年から2016年までの17年間、米国ワシントンDCのワシントン・バレエ団の芸術監督を務めていました。今回で3年目のセプティム版の香港文化を色濃く表現したくるみ割り人形は、彼が香港バレエ団の芸術監督として在籍する間のみ観劇できるものなのかもしれません。全てが消えてなくなってしまうライブパフォーマンスである舞台芸術は、生でしか感じることができないものもあります。チャンスがある方はぜひともその息遣いを受け取りに行ってみましょう。

芸術監督のセプティム・ウェバーさん(中央)

【日本人ダンサーたち】

ー格付けがあるバレエの世界
バレエの世界は、その実力や経験などによりダンサーの格付けが階級別になっていて、階級が上にいくほど出番が多くなったり、注目度が増すパートを踊ることが多くなっていきます。階級は、バレエ団によっても呼び名が違いますが、大まかには群舞などをこなすコール・ド・バレエ、群舞のリーダー格となるコルフェ、1人または2〜3人で踊るソリスト、そして主役を踊るプリンシパルと、在籍していく中で格付けが上がっていきます。プリンシパルになる人はコール・ド・バレエも、ソリストも全ての場面で踊れる経験と実力があるだけでなく、バレエ団そのものを引っ張っていけるほどのカリスマ性や華があると認められた人です。2023年12月現在で、日本人でソリストは高野陽年さんと酒井那奈さんのお二人。そしてコルフェが、若手の神崎開さん、関剛多さん。コール・ド・バレエが福永理王さんと江口健仁さん。全てのダンサーたちが何年にも渡る地道な鍛錬とコンペティションなどで素晴らしい受賞歴があり、他のバレエ団などでも多くの役を踊ってきた経験がある実力者揃いなのです。

ライオンダンスの衣装を着た江口健仁さん(右)
孔雀の衣装を着た福永理王さん(左)と関剛多さん(右)
雪の精の衣装を着た神崎開さん(中央)
金平糖の女王の衣装を着た酒井那奈さん(右)
白蛇の出番を待つ高野陽年さん(中央)

2度目のリハーサルにお伺いした日は、稽古場での通しのドレスリハーサルが行われていました。

今年のくるみ割り人形は全部で18回公演です。ダンサーはアーティストでありながら、肉体を酷使するアスリートでもあります。18回の公演は日によってはマチネと夜と2回公演があり、なかなか体力的にもハードなスケジュールとなります。そのため1人のダンサーに負担が偏らないように、ひとつの配役を何人かで担当します。そのため、今回のくるみ割り人形は、全部で6パターンのグループがあります。つまりリハーサルも6パターンのリハーサルをしなければならず、スケジュール的にとてもハードです。現在香港バレエ団には女性4人と、男性2人のプリンシパルが在籍するので、本番のパフォーマンスでは、主役級も日によってローテーションが組まれることになります。

 

【ドレスリハーサル】

それでは緊張感のあるドレスリハーサルをご覧いただきましょう!


正面に並び、目を光らせてリハーサルを監修する芸術監督のセプティム・ウェバーさん(中央)、ダンスマスターのルイス・R・トレスさん(奥)、舞台監督のイボンヌさん(手前)
雪の精の踊り
金平糖の踊り
白蛇の踊り
孔雀の踊り
クララとくるみ割り王子
雪の精のパ・ド・ドゥ

バレエにとって音楽は呼吸のようなもの。リハーサルだからこそ、ピアノの生演奏はなくてはならないものです。何度もやり直したり、重点的にある場所を演奏したり、急に止めたり、途中から始めたりと、芸術監督による指示に臨機応変に対応しなければなりません。ダンサーたちとも息を合わせて演奏することも重要。

専属ピアニストのニコラスさん。

芸術監督の指示や注意点を逐一書き留め、スムーズに流れるように神経を尖らせる舞台監督のイボンヌさん。本番では舞台の進行に関する全てのキューは彼女が出します。キューのタイミングがずれると全てがずれるので本当に要となる役柄です。

舞台監督のイボンヌさん
厳しい目が光るセプティム・ウェバー芸術監督

【インタビュー】

さて、特別に香港バレエ団の日本人ダンサーおふたりにお話をお伺いしました。

今回、雪の精も演じる神崎開さんにバレエダンサーとしての思いや香港バレエ団についてお聞きしました。インタビューはこちらより。

神崎開さん:2017年、NBA全国バレエコンクール高校生男子の部で1位受賞。17歳でポルトガルのナショナルコンセルバトリーダンススクールに留学。2018年ベルリン国際バレエコンクールのクラシック部門で2位受賞。19歳でニーナ・アナニアシヴィリのオファーを受け、ジョージア(旧グルジア)国立トリビシ・オペラ・バレエ劇場にソリストとして入団。2021年、香港バレエ団に入団。


 

そして、次期プリンシパルの呼び声も高い高野陽年さん(写真下中央男性)には、Hong Kong LEI1月のカバーストーリーに登場いただきます。公開は2024年1月20日です。お楽しみに!

高野陽年さんのカバーストーリーは公開されました!ぜひご覧ください。

Cover Story vol.67 : 高野陽年さん「香港で、『まことの花』に向かって 」 – 香港で暮らす編集者が送るカルチャー、イベント情報 HONG KONG LEI

高野陽年さん:ロシアの名門ワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業。ロシア国立ミハイロフスキー劇場に外国人初の団員として入団。ジョージア(旧グルジア)国立トリビシ・オペラ・バレエ劇場を経て、海外で主役や王子役などを数多く演じ、2021年に香港バレエ団に入団。

 

 

3ページ:舞台裏を覗いてみよう! は、公式LINEで配信します。

香港版「くるみ割り人形」の制作に関わる裏方で特にご紹介したいのがセットと衣装です。香港藝術館(HKMOA)と連携した香港の歴史を味わえるセットに奇才が作る香港らしさ満点の衣装が、どのように作り上げられているのかご覧いただけます。公式LINEの友だち登録がまだの方はこちらから!

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Hong Kong Ballet

演目「くるみ割り人形」

会場:Grand Theatre, Hong Kong Cultural Centre

With Live Accompaniment
15 -17 (Fri-Sun)*, 19-21 (Tue-Thu)^,
23-26 (Sat-Tue)*.12.2023 7:30pm
16-17 (Sat-Sun) & 23-26 (Sat-Tue) .12.2023 2:30pm*

With Recorded Music
29-30.12.2023 (Fri-Sat) 7:30pm^
30.12.2023 (Sat) 2:30pm^

*$1,200 (Limited VIP Tickets) $720, $490, $340, $220
^$1,000 (Limited VIP Tickets) $680, $480, $340, $220

来場資格:3歳以上

公演時間:およそ1時間45分(休憩1回含む)

チケット販売:https://www.urbtix.hk/event-detail/10574/

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