2023/06/02

おかげさまで、村屋暮らしが丸々2年になりました。

超高層ビルが立ち並ぶ大都会香港で、わざわざ不便な村屋生活を選択して住んでいます。2年住んでみて何が良かったかというと、まずは自然との共存を体感できたことです。台風や熱波の厳しい気象状況や、亜熱帯らしくすぐにジャングルのようになってしまう庭や、ジャスミンや綿花やボウヒニアなどの草花の移り変わり、気候に伴う虫の発生や鳥の飛来など。。。2周してやっと色々と冷静に見れるようになってきました。

最初の1年はとにかく良くも悪くも経験したことないことが次から次へとやってきてとても刺激的な1年でした。香港の過酷な天候やら台風やら、自然の状況にびっくりしてワーワー言ってる間に終わってしまいましたが、2年目は少しは肩の力を抜いて生活できるようになりました。「まあ、普通にヤモリいるよね。ムカデ出るよね。あ、野豚もいるよね」というふうに動じなくなっています。

ところが、去年初めて家の中に蟻の行列がお目見えするようになり、こればかりはまあいいかというわけにいかず、現在のところなす術がなくお手上げ状態です(誰か対策を知っている人がいたら教えてください!)。それよりも、蟻の素晴らしい習性に感心することばかり。いろいろ調べたり観察していると、小学校の夏休みの自由研究が書けそうな勢いです。

ここからはあえて前向きに語ってみましょう(笑)。

蟻に感謝していることがあります。それは蟻が出てくることで、家族1人1人に食べたものを片付ける習慣ができたことです。何でも「蟻が来る!」を合言葉にすれば、喧嘩も起こらず、「そうだ、そうだ」となって、各自綺麗に片付けられるようになりました。子どもは蟻が来る」を合言葉に、背筋を伸ばし、ボロボロこぼさずに綺麗に食べられるように。自室で隠れてクッキーなど食べようものなら、しばらくすると蟻の大群が押し寄せてきます。自ずと食べるのはダイニングテーブルでだけのような暗黙の了解もできました。

外にいるはずの蟻が家に侵入してくるのだから抜け穴があるのですが、これがとっても厄介で、蟻自体が1ミリ程度のサイズ。窓のサッシや換気扇の隙間などから入ってくるので、穴を埋めることができません。強い殺虫剤は使いたくないので、お酢とか、アルコールを撒布していますが、イマイチ効果なし。結論は、我々人間が気をつければさえすれば回避できるという答えに行きつきました。

詰まるところ、人間が蟻の生態を邪魔しているのか、蟻が我々人間の縄張りを無視して入ってくるのか、どちらが悪者でどちらが正義か。なんだか戦争の構図を思い起こしてしまいます。宮崎駿監督は「僕はどちらかが悪者になる映画は作らない」と発言しています。結局蟻にも蟻の言い分があるのでしょうから、私たちが回避できるならがんばってみようと思います。とはいえ、未熟者ゆえにゴキブリやムカデはちょっと同じように考えられなさそうですが…

蟻は甘いものにとっても敏感で、ダイニングテーブルに蜂蜜のついたお皿や、砂糖の入ったドリンクの空のコップなどを置いてその場を立ち去ると、ものの30分程度で第1号蟻が到着します。そしたらどこをどう連絡するのか知りませんが(一説にはフェロモンを出して仲間を呼ぶらしい)、ゾロゾロと仲間が到着し始め、1時間もすると綺麗な行列ができます。蟻は、興味がありそうなものがある場所を集団的に記憶しているらしく、退治しても数匹のパトロール要員が定期的にフラフラと散歩しているので、それに見つかると、ドバーッと大群がやってきます。往復している蟻をみていると、行き交う者同士でいちいち立ち止まり連絡事項を交わしあってる様子。なので1度見つかると、同じ場所への出現率が高くなるのです。特にキッチン周り。ゴミやカウンターなど。ダイニングテーブルの上や下などの小さな食べかすなどに容赦なくやってきます。

しかも、も・の・す・ご・く敏感なんです。例えば、キャラメルやチョコレートの食べた後の包み紙や袋が鞄の中に入っていたらそこにやってきます。もちろんゴミも甘いものがついたままゴミ箱に捨てようものなら自殺行為です。そういうものは紙でも何でも綺麗に洗って糖分を落としてからゴミ箱に入れるか、果物など本当にゴミ捨て場に持っていく直前まで冷蔵庫の中で待機してもらいます。やはり夏場になると活発さが増し、うっかりするとそこを必ず突かれてしまいます。

夜は我が家のヤモリ一家も頑張ってくれているようですが、我が家に侵入する蟻は夜行性ではないみたいなのであまり成果はないようです。群がった蟻の大群を初めて見た時は、凄まじい数にギョッとしましたが、蟻は思いの外すばしっこく、遭遇したらティッシュやらアルコールやなんかを探している隙に、パッと四方八方に散って、あっと言う間にいなくなってしまいます。笑っちゃうぐらい、足が速いんです。

他の村屋友達のお家でもやはり、この1ミリほどの小さな茶色の蟻を見たことがあるので、恐らく村屋に住んだら、もれなくついてくるものと覚悟したほうが良いでしょう。

そんな時は「蟻が来る!」を合言葉に!家を片付ける良い理由にしてみては?

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