2019/07/15
あなたの知らない香港中文大学
今回は香港と深センを結ぶ鉄道としてよく知られている『東鉄』の『大学駅』にある『香港中文大学』を散策してみたいと思います。
大学駅に到着したら、改札口をでると、そこにには55年歴史を誇る香港中文大学が広がっています。ここには、2003年SARSの時期、身を捨て患者を救った医師で卒業生でもある謝婉雯先生は、今でも教壇に立ち、学生たちに慕われています。
駅から大学口を出たらすぐそこに、無料の周遊シャトルのバス停があります。看板はとてもわかりやすいので心配は要りません。
バスの便は看板に書かれているので目的地の所在書院を見つけたら乗れます。
香港中文大学といえば、『書院』と言う制度を取り入れた珍しい大学です。香港の大学の中、年代問わず『書院』制度を創設当時から今まで貫いてきたのは香港中文大学だけです。新入生は入学したら、すぐ学校側に所属書院を決めてもらう仕組みです。それで、卒業まで所属書院のメンバーとしてスポーツチームに入るとか学生寮を申し込むとか、学生生活を送っています。
早速、駅から④番のバスに乗って香港中文大学校内一番人気を集めるカフェの『敬文書院』に行ってみましょう。バス停の隣の露天カフェはおいしいコーヒーとケーキは校内で有名なだけでなく、こちらしか使えない盛りデコ食器は全て手作りなのでインスタ映えスポットとして雑誌にも掲載され、デートのために来る若者もいるそうです。
それでは①番のバスに乗って、山上の『新亞書院』に行きます。『新亞書院』は儒教の学者に創立されたので、最も中国伝統文化を重視する書院です。10年前に桜の木が植えられた所は、学生寮『知行樓』の前です。二月には桜のお花見もできるそうです。卒業式写真スポットの『天一池』と言う人工池はその隣にあります。天気が良い日には、景色が水面に映り込んでいるのも天一池の魅力的な所です。
天一池から『科學園(Science Park)』を眺めると、自然と人間の関係を考えた『天人合一』の深い意味を感じられるかもしれません。
創設して以来、毎年卒業式が行われる『百萬大道』はほとんどのバスでも行けます。博物館の『文物館』は書道をはじめ、陶芸や中国絵画など、期間限定イベントが度々一般公開されて、しかも入場無料です。
子ども連れの方には駅からすぐの『崇基學院』の散策をおすすめします。『崇基學院』の緑が豊かなキャンパスは湖や芝生に恵まれて、とてもリラックスできる場所でもあります。
最後にご紹介するのは、駅から徒歩3分、『康本國際學術園』の8階にある子ども向け『賽馬會氣候變化博物館』です。ゲームをしながら自然災害や気候変化について教えてくれます。誰でも入場無料なのでぜひ立ち寄ってみてください。
注意:大学のキャンパスは広いので、山下『崇基學院』以外の散策なら、大学をめぐる無料シャトルバスがおすすめです。キャンパスは一般の人が自由に入れるといっても、生徒たちのための学びの場です、できるだけ大学関係者の迷惑にならないようにしましょうね。
キリ
日本語教師で旅行作家。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
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