2022/06/20

先日、歌手の宇多田ヒカルさんが、9年に渡って精神分析を受け続けているという記事を目にしました。
9年間、週に数回、分析家と会うって、単純に「やりよるな」と思いました。一回のセッション時間は短いにしても、9年ですよ、9年!
それ程までに時間をかけて、バラバラだったパズルをあるべき場所に収め、一つに統合して行く作業をしているのだと考えた時、彼女がこの世に生を受けてから背負ってきた物の重みを感じると共に、自身に向き合う真摯な姿勢に感銘を受けました。
また、カウンセリングがもっと生活に身近なものになり、自己探求の時間を確保することが当たり前の社会になると良いな、という思いが更に強まりました。

OT & P Healthcare/ Mind WorX Clinic 待合室。ゆったりとした空間でお待ち頂けます。

さて、今回は、実際にカウンセリングをするまでの流れや、セッションについて簡単にお伝えしたいと思います。
まずは、精神科/心療内科を訪れるタイミングについてお話をしたいと思います。目安となるのは、「日常生活に支障が出始めたタイミング」と思って頂ければ良いと思います。これは、身体の不調や対人関係に現れることが多いです。

例えば・・・
―不安で夜、眠れなくなり、結果、朝起きられずに学校や会社に遅刻してしまう
―イライラすることが増え、周りの人に当たってしまい、人間関係がギスギスしてきた
―気になっていることを考えると食事も喉を通らず、最近、体重が減ってきた
―何もする気が起きず、以前のようにやる気が出ない
―最近、飲酒の量が増えて、自分でコントロールできない  等々
子どもの場合ですと・・・
―お友達とトラブルになることが増えた
―学校で落ち着きが無く、離席が目立つ
―チックが出る(目をパチパチするタイプだけでなく、咳払いしたり、首を傾げたりするタイプもあります。注:チックの原因が必ずしもストレスにあるという訳ではありません)等々

こうした変化を、親御さんが気付いたり、学校の先生から伝えられたりして、相談にいらっしゃる方が多いです。その他、学習面・行動面を含めた発達を心配して親御さんが来談されることもあります。普段の生活の中で、違和を感じ始めたタイミングが受診の目安と言って良いでしょう。
そこで、「じゃあ精神科のお医者さんに行こう!」とすぐに行動できる方は、超稀少だと思います。大体は、身体の不調から内科に行って、そちらから精神科や心療内科を紹介されるケースが多いです。もしくは、ご家族の勧めで病院に来られる。どちらにしても、自分の心が疲れていると自覚できて、治療やカウンセリングに前向きな方は、予後も良いように思います。
子どもにしても同じです。子どもの場合、ストレスが、友人とのトラブルや身体症状に結びついていると自覚できる子は少ないです。ただ、「お友達と仲良くしたいのにできない」とか、「最近、イライラすることが多い」という事は分かるので、「困っていることが無くなると良いよね。一緒に心を元気にする場所だよ」と説明すると、すんなりとカウンセリングに通ってくれる子も多いです。
渦中にいると気付きませんが、「困ることができる」というのは、意外と尊いことなのです。

話は戻りますが、「じゃあ精神科/心療内科に行ってみるか」となり、予約を入れる段階。日本ですと、電話をしなければ予約が取れないところもまだまだ多いですが、そこは香港。わたしが勤務しているクリニックはWhatsAppで予約が取れます!
受付であれこれ聞かれるのではないかと不安に思ったり、説明するのが億劫だったりする方には、非常に有難い。かく言うわたしも電話が苦手なので、香港のお手軽システムに助けられています。
予約を入れ、日時が確定したら、後は当日、クリニックに行くだけ。簡単な問診表と同意書にサインして、医師、もしくは臨床心理士に会うことになります。

カウンセリングルーム。ご自分の心と向き合う為にご利用下さい。

カウンセリング自体は、わたしの場合、通常1時間を見てもらっています。パートナーが同席の場合は、長めにセッション時間を設定したり、小さなお子さんが一緒の場合は若干、短めに設定したりすることも可能です。初回のカウンセリングでは、来談者が何に困っているかを中心にお話した上で、カウンセリングが有効であると判断し、ご本人もカウンセリングを受けたいという場合、まずは週に1回通って頂き、計5回のトライアルをお勧めしています。
お互い人間ですから、カウンセラーとの相性ももちろんあります。また、心理療法にも精神分析、認知行動療法、来談者中心療法、森田療法など、色々な療法と学派がありますし、子どものカウンセリングの場合、言語でのやり取りよりも、遊びの中にその子の心的世界が表現されることも多いですので、遊戯療法(プレイセラピー)を用いることもあります。一人の臨床心理士が全ての心理療法に精通しているという事はまずありませんので、その心理士のアプローチの仕方が合わない場合もあると思います。
そうしたことを査定しながら、5回のトライアルセッションを重ね、定期的なカウンセリングが効果がありそうだと実感された場合、通って頂くことになります。
何か受診に当たってのご質問等ありましたら、お気軽にmarie.kawai@otandp.comまでご連絡下さい。

待合室にはお子さんのためのスペースもあります。

 



河合 まり絵

臨床心理士。日本ではスクールカウンセラーとして、不登校児童や別室登校児童、発達に偏りのある児童への心理的サポートや、精神科クリニックで、パニック障害、PTSD、うつ病、摂食障害などの個別カウンセリングを実施。リワーク外来では、精神疾患などで休職中の患者に対し集団療法を、また、復職後の企業内フォローアップ・カウンセリングを実施。刑務所内では、グループ矯正教育をするなど、教育、医療、産業、司法の分野で臨床経験を積む。香港に移住してからは、3児の子育てに追われるも、縁あって精神科クリニックに復職。

 

OT & P Healthcare/ Mind WorX Clinic
MindWorXはOT and P Healthcareが運営する精神科専門のクリニックです。
中環駅(セントラル)から徒歩2分の場所に位置しており、簡単な日本語を話せる医師と、日本人の臨床心理士が在籍しておりますので、薬の処方と共にカウンセリングを並行して受けることが可能です。投薬はしたくないけれど、カウンセリングを受けたいという方もご相談下さい。

以下のようなことでお困りの方は、是非、一度、ご相談下さい。
・夜、なかなか眠りにつけない、または、朝、早くに目が覚めてしまいすっきりしない
・不安や心配な気持ちがいつも頭を離れない
・過度に食べ過ぎてしまう、または、食欲がない
・子育てに疲れている
・コロナ禍でストレスが溜まっている
・夫や妻、パートナーや他者との関係に悩んでいる など

初回予約の際に日本語でのサポートが必要な方は、marie.kawai@otandp.comにemail を頂ければ、日本語での対応が可能です。

Mind WorX Clinic
OT&P – Internationally Accredited Medical Clinics in Hong Kong (otandp.com)
6/F Century Square, 1 D’Aguilar Street, Central, HK
中環徳己立街1號世紀廣場6樓
Tel: +852 2468 3577
Fax: +852 2111 3850
Appointment WhatsApp: +852 6339 2639


 

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