2023/03/06

みなさん、こんにちは!

今回の「Old Hong Kong in Colour (彩られ蘇る香港今昔)」は、セントラルウォーターフロントについてです。

 

LEIコラム「偉人たちが見た香港」に登場する日本の偉人たちが香港を訪れた時、皆一様に驚くのはビクトリアハーバーからの眺めでした。

 

1911年に来港した与謝野鉄幹は、「つて船の上から観る香港の灯火は、全山を水晶とし其れに五彩の珠玉を綴つたともふべき壮観であつた」(「香港」与謝野寛、与謝野晶子「巴里より」(青空文庫)、底本:「巴里より」金尾文淵堂、1913年)と記録しています。

 

100年以上前から変わらず人々の心を掴む美しさだったことが分かります。

夫である与謝野鉄幹を追いかけてヨーロッパへ向かった与謝野晶子も、帰国する船から香港のウォーターフロントを眺めています。

 

香港の夜の灯は珠玉なりと君のかねて云ひ給ひしが、この港に入り候ひしは夕も過ぎし頃にて、甲板へ出でし私の目は余りのまばゆさに暈まむと致し候。京の円山を十倍したるにほのかに輸廓の思はるる山の傾斜のがくれに建てられしどもにれる青き火、黄なる火、紫の火、さては近き海岸のき火など波に映るさまは何人の想像にかふべき。見しにつゆ劣らぬこの山の街の朝の眺めもまたしきものにひき。

(「平野丸より良人に(三)」与謝野寛、与謝野晶子「巴里より」(青空文庫)、底本:「巴里より」金尾文淵堂、1913年)

 

与謝野夫妻は香港の景色を別々に見ることになりましたが、その美しさと景色を見た時の感動はお互いへの手紙を通して共有していました。


それでは、「Old HK in Colour」の古写真を実際に見てみましょう。

 

1913年8月、台風時の中環フェリーピアの写真です。現代の写真と見比べると分かる通り、土地が埋め立てられる前のフェリーピアは、もっとビクトリアピーク寄りにありました。

 

1900年前後の香港全景です。現代のように細長いビルはありませんが、ウォーターフロントにずらっと建物が並んでいます。夜になりこの建物の明かりが海に映された光景は美しかったことでしょう。

 

こちらは1912年の中環德輔道中の様子です。与謝野鉄幹が来港した頃の風景です。西洋建築ばかりで現代の香港とは雰囲気が違いますね。トラムが走っているのが見えます。


 

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