2024/03/01

2024年1月から16回にわたって行われたMirrorのコンサートが終了して、早いものでもう1カ月。鏡粉(Mirrorファンの愛称)は今、Mirrorロスの真っ最中です。

このコンサートは2022年の事故で中止となったコンサートの振り替え分も含まれるものでした。あの事故から1年半の時を経て、Mirrorのコンサートが復活! ファンはいつかこの日が来ると信じ、一日千秋の思いで待ちわびておりました。

1年半、満を持して開催されたコンサート。© 2024 MakerVille Company Limited  
メンバーもファンも万感の思いで会場へ。hunghom_linda_qedan

コンサートは全16回。毎日でも通いたいところではありますが、お安くもなく、競争率も高いMirrorのチケット。皆勤できる運と財力を兼ね備えた人間はそうそういないもの。参戦できない日はおとなしくFanCam (ファンカム)鑑賞するのが鏡粉の流儀。FanCamはコンサート会場にいるファンが自主的に、パフォーマンスをライブ配信すること。コンサート開催期間は毎日、複数のファンがFanCamを開いている状態でしたので、自宅に居ながらにしてライブが鑑賞することが可能でした。日本では確実にアウトな、グレーもグレー、灰色の行為ですが、これが半ば常識として認知され、寛大にもお目こぼしをいただいているのが香港の良いところ。

このFanCamに限らず、Mirrorメンバーの非公式写真を使ったポスターやカレンダーの制作、そしてそれらの無料配布など、香港のファン活動の自由度の高さは以前に執筆した通り。事務所の寛容さのお陰で、ファンは日本とは比較にならないほど自由度が高い応援活動を楽しんでいます。今回のコンサートでも、様々な形で愛を表現する鏡粉たちと出会うことができました。

今回一番感動したのは、自らが焼いたタルトを配布するファンと遭遇したことです。コンサート期間中に誕生日を迎えたEdan Lui(呂爵安)のために、彼のヒット曲「My Apple Pie」を意識したアップルタルトです! どうですか、この完成度の高さ! これを彼の誕生日の数字にちなんで121個作ったという手間とコスト、そして無料配布という粋な計らい……。わたしがEdanなら、彼女にプロポーズしたかもしれません。

作者は焼き菓子づくりのプロ。さすが!Blissmomentparty
心がこもってるだけでなく、味もばっちり。Blissmomentparty

今回のコンサート、一番話題となったのがStanley(邱士縉)。大表哥(いとこの兄貴)というあだ名が示す通り気さくな兄貴的存在の彼ですがコンサートでは芸術的美しさのボディーを披露。セクシーな一面を見せてくれました(ご覧になりたい方はFever Fever, Stanley YauでYouTubeを検索!)。ファンたちは板チョコのごとき腹筋を持ったStanleyの美ボディーをコンサートで撮影、その直後にファンアートを作成し、即日無料配布するという相変わらずのスピードで応援活動を繰り広げました。特筆すべきはこちら(写真参照)の3Dカード。連日、配布と同時に即完配となるほど人気となり、大きな話題を呼んだ代物です。これぞまさしくアイディアの勝利。あっぱれです。

本コンサートの目玉、胸板アンド腹筋。angie.hather
エンボス加工で表現された腹筋に注目。Ⓒjerdanley.mirrorⒸstanley.is.oxygen

会場ではファンのダンスグループにも遭遇しました。Mirrorのダンスをコピーし、機会があるごとにフラッシュモブ(公共の場で突然パフォーマンスを披露する行為)を行い、その様子をソーシャルメディアで披露するという形での応援です。実際のフラッシュモブ行為だけでなく、ダンス練習に勤しむ時間、SNSを経由した反応を受けたり、それに応えるプロセス全部が推し活動です。

会場でダンスのフラッシュモブを決行。E.D. 女團

思えば昔のアイドルの応援活動は「所有」することに喜びを見出していたのではないでしょうか。CDを買って収集したり、ブロマイドやグッズを大量に所有することで悦に入っていたように思います。これに対して現代のMirrorのファン活は「共有」がメインです。コンサートも自分一人が行って周囲に自慢するのではなく、コンサートに行けない皆にもMirrorのかっこいい姿を共有したい、タルトをたくさん作ってファンの皆で楽しみたい、Stanleyの腹筋をみんなで崇めたい、ダンスの楽しさをグループで、それからほかの人にも共有したい……。よく考えればこれはとっても現代っぽい「シェア」につながる考え方ではないですか。

車の所有からカーシェアやUberに、ホテルの代わりにAirbnbに。そしてシェアオフィスにシェアハウス。時代の変化はファン活動にも起きていたんですね。この共有という考えに沿ったファン活、自分の大切なMirrorというバンドを独り占めするのではなくて、彼らを通じ他のファンと時間や経験を分かち合いたい・・・わたしたちはとても純粋で美しい活動をしているのでは? という気持ちになってきました。

共有の楽しさを体験させてくれてありがとう、Mirror!


紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
移住とともに人生初めてアイドルに目覚め、Mirror 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。

Instagram 紅磡リンダ【星版】hunghom_linda_qedan


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