2020/05/21

 

こんにちは雲姐(ワンジェ)です。今回は豉油皇炒麵 (シ・ヤウ・ウォン・チャウ・ミン) (香港醤油モヤシ焼きそば) 、この料理を知らない香港人はいないぐらいの香港料理の定番です。朝食でお粥とセットで食べるのが最もポピュラーで、ファーストフードチェーン店でさえ朝食タイムに提供している程の庶民的な、甘醤油ベースにしたもやしとねぎが入っているシンプルな焼きそばです。

 

香港人にとっては故郷の味。肉は入れないのが一般的ですが、時々我が家では千切した香港チャーシューも入れる。「豉油」(シー・ヤウ)とは醤油の意味。「豉油皇」(シー・ヤウ・ウォン)とは日本の照り焼きソースのような存在で、醤油、砂糖、水を合わせた調味料です。「皇」は「キング・オブ・醤油」の意味で最強の醤油たれの意味を指しています。

 

わたしが最初に来日した時に日本のモヤシは太くて根の部分も短く、頭に豆がついてなく、青臭さが強く、色はすぐくすんだり、割れやすく、香港のもやしとはかなり違うと気付きました。最近発見したのは、日本でモヤシを栽培してる時に「エチレン」という化学物質を使ってモヤシを太くさせるから、日本のモヤシは太いのかなと思ったりしています。

 

香港のモヤシは「芽菜」(ンガー・チョイ)と言い、ほとんど大豆モヤシしかなく、豆がついたままのものが多いです。長くて、色も白く、根も長く、青臭みも少ないです。市場の豆腐売り場でモヤシを購入できます。ここでは少々割り高ですが、根を取ったモヤシ「銀芽」(ンガン・ンガー)というモヤシも販売しています。名前の「銀」は頭の豆と根も取ってあり、銀のように真っ白の細長いモヤシという意味なのです。

 

小学生の頃の思い出として、沙田(サー・ティン)にある小さな村、「小瀝源邨」(シウ・リック・ユン・チュン)で過ごしていたことがあります。村の入り口に豆腐とモヤシ工場があり、家に帰る際には必ず近くを通らないといけなくて、通る度に煮大豆の匂い、もやしの匂いが強烈に漂っていました。そこでは作り立ての暖かい豆腐とモヤシが売られていて、固形石鹸のような形で角が丸っこいお豆腐「布豆腐」(ボー・ダウ・フ)という豆腐は、山から流れてきた綺麗な水で作られていました。滑らかで魚のすり身に詰めて蒸す豆腐料理で食べると本当においしく、食べた味と香りは、今だに頭の片隅に漂っています。

 

Tips ⇒  モヤシは50度から60度のお湯に数分間つけておくと、ペクチンが活発に働き、モヤシはシャキッとなります。

材料 (3人分) :

*生たまご中華麵                160g

銀芽(根なしモヤシ)   100g

葱            20g

生姜           5g

タレ:

醤油           1大さじ

老抽(香港たまり醤油)  1大さじ

**甘麹(甘酒)                       1大さじ

 

甘麹が無ければ ↓↓↓

(甜菜糖/きび砂糖       2小さじ+水1大さじ)

オイスターソース     1小さじ

水            2小さじ

サラダ油         1.5大さじ

いりごま         少々

* 香港の麵専門店で「蛋麵」のもの。

**麹:水 1:1 の自家製甘麹です。

下ごしらえ:

1.モヤシを鍋に入れ被せる程度の水を加え火を着け、鍋の底にたくさん気泡が出来たら大体お湯温度は60度になるので火を消して1分間そのままにし、その後取り出し冷水で冷やしてざるにあげる。

2.タレの材料を全部合わせておく。

3.葱と生姜を千切りしておく。

作り方:

1.鍋にたっぷり水を沸騰させたら一旦火を消し麺を加え、ほぐしたら再び火を付けて2分間茹でてざるにあげ、分量外サラダ油を1大さじを絡めてからしっかり水分を切る。

2.鍋にサラダ油を熱し、弱火で生姜+葱を香が出るまで炒める。

3.麺を戻し、たれを鍋肌にかけながら菜箸で全体的にたれを和える。盛り付けて煎りごまを振りかける。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

人在東京 Prime Kitchen Labo

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