2021/05/23

こんにちは、希望(のぞみ)です。

夏の風物詩、ホタル。香港でも6月下旬からホタルを見ることができます。
今回は、わたしが参加したホタル鑑賞ツアーの体験記です。

わたしは、2017年と2018年に同じ旅行社のツアーに参加しました。現地集合・現地解散の3時間ほどのツアーです。
友人からこのツアーに誘われた時は、「香港でホタルが見られるの!?」という驚きと同時に、「香港の自然なら見られるかも」と納得したことを覚えています。
前回のコラムでも書いたように、香港といえば超高層ビルが密集しているイメージですが、繁華街からでさえもビルの間から遠くに山が見えたりします。バスや電車で1時間も行けば、そこにはのどかで豊かな自然が広がっています。

今回のホタル鑑賞も、大埔という自然の多い場所です。日本人小学校がある地区で、「野生の猿が山から降りてくるので下校時は注意!」とか「放牧された牛が学校に迷い込んだ!」なんて話を聞いたことがあるほどです。

ホタル鑑賞ツアーですが、旅行社との連絡はWhatsAppです。ツアー料金を振込んだら、当日の詳細情報が送られてきます。
薄い色の長袖長ズボン、運動靴がオススメの格好で、虫除け対策をすること、飲料と懐中電灯、雨具持参などが書かれていました。

当日は大埔墟駅に18時30分集合。ツアー参加メンバーが揃ったら、その場でガイドからホタルの生態や注意すべき毒サソリ、毒蛙の説明を受けます。説明は広東語ですが、大切な部分は英語でも言ってくれるし、パネルを見せてくれるのでポイントは分かりました。

幼虫時代を水中で過ごす水生ホタルと湿地で過ごす陸生ホタルがおり、雄が活発で、お尻の部分を点滅させて飛び、雌は葉の上でじっとしているそうです。
上の写真の「8」とある画像は毒サソリのハサミ部分です。特殊なライトをあてて発光しています。
事前説明通り、ガイドが持っていた懐中電灯をあてると身体が発光していました。毒サソリは山奥ではなく、山の入り口の石壁に隠れていたので、子どもが気づかずに触らないか心配になりました。香港の毒サソリはそこまで毒性はないようですが、最初に説明を聞いておいて良かったです。

説明が終わったら、駅のタクシー乗り場から各自で「大埔滘自然護理區」まで行きます。10分弱で到着です。

全員揃ったら、まずは入り口で集合写真。うちと友人家族以外はほぼ香港人。家族や友人同士での参加のようです。

「大埔滘自然護理區」は約460ヘクタール(お馴染みの計算:東京ドーム約98個分)です。約2時間の山中、迷子になったら大変なのでガイドの側を離れないようにしました。

ホタル鑑賞のルールが書かれた看板がありました。写真はピンボケしてしまいましたが、ホタルや他の生物を捕獲しないこと、強い光や大きい声を出さないこと、ゴミは持ち帰ることなどの自然保護について書いてあります。

行きはまだ薄明るいのですが、帰りは真っ暗の中を下山します。

山に入るとどんどん道が狭くなり日も沈み暗くなりました。鬱蒼とした樹々の中、1列にならないと歩けない道や細い木の橋を懐中電灯で足元を照らしながら慎重に渡って行きます。子どもたちにとっては本格アドベンチャー&リアルお化け屋敷です。

何ヶ所かあるホタルの鑑賞スポットは、やはり水の近く。薄暗い中、小川のせせらぎが聞こえたかと思うと、樹々の奥や橋の下でクリスマスのイルミネーションのように点滅する光、浮遊する光が現れるのです。陸生のホタルは土や落ち葉の上でも光っていました。
ガイドが懐中電灯で照らす間だけ撮影が許されるのですが、なかなか携帯ではうまく撮れません。下の写真中央に4つの光が見えるでしょうか。実際はたくさんの光が点滅していました。あの幻想的な空間は、写真で見るのではなくぜひ体感していただきたいです。

ホタルの発光はエネルギーを使い、2〜3時間ほどしか続かないそうです。しかも成虫になってから5日〜2週間の寿命なので、その短い期間の子孫を残すための発光だそうで、ホタルも命がけ。まさしく命の輝き。だから見る者の心を震わせるのでしょう。

大埔のホタル鑑賞は、6月下旬からスタートし、7月8月の土日はほぼ毎週のようにツアーが予定されています。香港は他にもいくつかホタルを見られる場所があるようです。

知人の旅行社では今年、日本語ガイドのホタル鑑賞ツアーを計画中だそうです。
コロナの規制状況により変更があるかも知れませんが、日本語ツアー、期待したいです。

わたしが行った時、山の入り口前の駐車場に大型観光バスが何台も駐車され、20〜30人の団体が何組も来ている状態でした。観光バスのツアーは、食事や他のアクティビティ付きのホタル鑑賞のようです。
山中の小道では、これから鑑賞する団体と下山する団体がすれ違うのですが、今で言う「密です!」状態。こんなに大勢の人間が毎週のように山に入って大丈夫なのだろうか? と心配になったことを覚えています。

夏の夜の幻想的な命の輝き、わたしもまた見たいですし、最低限の自然保護のルールは必ず守って参加したいですね。

 



希望(のぞみ)
神奈川県出身。都内文学館で学芸員として6年勤務。出産後、大連2年、東京2年、香港5年の子育て生活を送る。大連では日本語教師、東京では司書を経験。香港ではライターとして活動中。

Instagram
@nozomi_crochet

 

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