2024/04/10
こんにちは。沙季です。
F&Bカンパニーの商品開発として香港ワーママ生活を経て、去年末地元仙台に移住し、実家で両親と息子の4人で暮らしています。
第11回目のコラムではわたしが香港を去る理由を綴っているのでよろしければご覧ください。
さて、前回のコラムはヘルパー向け日本食レッスンを開催した理由についてでしたが、今回はいよいよ本編です。
前半はレッスンの内容、後半はヘルパーさん達との心の交流を綴りましたので是非ご覧ください。
再現性の高い調味料講座を目指して
レッスンは座学、デモンストレーション、実践、盛り付け指導、試食、という流れ。
まずは座学で日本の調味料やテーブルコーディネートについて学びます。
基本的な調味料に加え、家庭で手軽に再現できる方法を重視し、顆粒だしやめんつゆも取り入れました。
めんつゆは便利ですが、濃度によって使用量が全然違うので、そこを理解していないと難しい上、〇倍濃縮との表記は日本語なので、資料を見ながら丁寧に学んでもらうことに。
さらに、調味料がそれぞれどんな味を持つかを理解するために味見をしてもらい、説明と味を結びつけます。皆さん興味深そうに聞いてくださり、学ぶ姿勢に感動。
3つのメニューの理由と目的
座学の後はいよいよ実践。
3回のレッスンをしたのですが、メニューはそれぞれこの通りに組んでみました。
1回目 すき焼き丼、味噌汁、野菜の焼き浸し、納豆豆腐
みんな大好き「SUKIYAKI」。海外では高価なイメージがありますが家庭でも簡単に作れる上、おかずをごはんに乗せる丼という方法があることを知ってもらいたかったため。
ここでは、米のおいしい炊き方、調味料を入れる順番、味噌汁の作り方、納豆や乾燥わかめの使い方、テーブルコーディネートを学ぶための構成に。
2回目 お弁当、おにぎり、豚汁
日系のスクールに通うお子さんがいる家庭に勤めるなら知っていた方が良い、お弁当関係についての回に。
具体的には、おにぎりの握り方、卵焼きの巻き方、お弁当の詰め方、彩りについて、幼児のお弁当に入れるものの注意点など。
3回目 巻き寿司
最後のレッスンは海外の方が思い描く華やかな日本食もやりたいなと思い、巻き寿司に挑戦。
実際うちのレストランでも巻き寿司は、香港人はじめさまざまな国の方に人気メニューでしたから。
実は以前友人から、子どものインターナショナルスクールのカルチャーデイで日本らしいパーティーメニューを大量に用意するために、早朝に起きてカッパ巻きを何十本も巻いたというエピソードを聞いたことがあります。
彼女は優秀なヘルパーさんを雇っていますが、「一から教えるのが面倒なので全て自分でやったわ。」とおっしゃっていました。
もしかしたら海外で暮らす日本人家庭にとっては、巻き寿司が作れるヘルパーさんは実は重宝するのではないかと思い、このメニューを組んでみました。
基本の細巻きから学び、巻けるようになったら、太巻きや、裏巻きに挑戦。
更にトッピングで華やかにするテクニックも学びました。
欧米の方には時に真っ黒な海苔の見た目が敬遠されることもあるので、海苔を内側にする裏巻きのやり方も必須だよなぁと考えたのは、海外在住日本人の知恵なのかもしれません。
料理を通じてつながった絆
彼女たちにとって初めての味を試食した際、しっかり味わい、感想を自分の言葉で言い合い、この体験を大切に扱ってくれたことが印象的でした。
納豆なんて気持ち悪い! と思われても当然だと思っていたのですが、彼女たちが異国の文化をスムーズに受け入れ、尊重し、自分の仕事に活かそうとする姿勢には感銘を受けました。
合計3回のレッスンは無事終了し、達成感と、もっとやりたかったなという少しの寂しさを抱え、皆さんを送り出しました。
すると、あるヘルパーさんから、「クラスに参加できたこと感謝します。あなたに神の恵みがありますように。よかったらお返しにフィリピン料理の作り方をお教えします」と連絡をいただいたのです。
料理を通じて、お互いの文化や経験を共有し、新たな繋がりを築くことができるなんて、なんて素敵なんだろう。
帰国直前での準備は大変だったし、心とからだが追いつかなくなりそうになったこともあったけど、やってよかった。
少しでも彼女たちのスキルアップにつながればいいなと心の底から思ったのでした。
God Bless You.
Japanese Home Style Cooking Class for helpers By Saki
My lesson is for helpers who want to learn Japanese homestyle meal.
You can learn the basics of Japanese food, seasonings, and the table customs.
I opened this class because I know how it is difficult to make meals of which you are not familiar with.
So, I hope this experience will be helpful in your future.
With Love.
次回、「ヘルパーさんの恩返し」に続きます。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回もお待ちしております!
※コラム内の写真は掲載許可をいただいています。
筆者プロフィール
沙季(Saki)
東京の大手料理教室で講師を5年程務め、
その後独立。妊娠出産を機に湘南へ移住し、
レシピ開発やフードコーディネーターとして活動。
2022年香港に移住。
某日系F&B Companyにメニュー開発者として所属。
息子とヘルパーさんと3人で暮らしながら仕事をしていたが、2023年末に仙台へ移住。
フリーランスでレシピ開発や料理講師、モダン金継ぎ講師などを行う。
instagram https://www.instagram.com/_sakioo_
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