2020/11/15


~わたしたちのカラダは食べたものでできています~
本物の食材を求めて 日本の伝統調味料をお伝えするコラム

~甘味について~

茶色い甘さ メープルシロップ・米飴について②
「身体に優しい甘み 米飴の作られ方」

 

わたしたち日本人とお米は切っても切り離せないものです。
主食としてのお米、日本酒、米味噌やみりん、甘酒など、様々なものの原料にもなります。そのお米でつくった甘味料が米飴です。米飴は、お米に含まれるでんぷんを糖化することでつくられます。

糖化には①麦芽糖化法 ②酸糖化法 ③酵素糖化法 という3つの製法があります。

伝統製法の米飴は、麦芽糖化法という製法でつくられているものが多いです。原料もシンプルで昔ながらの知恵が詰まった製法、身体にも安心です。

まず原料となるお米を炊き(蒸す)、大麦麦芽の粉をまぜ一晩おきます。
糖化が進むと液体が褐色に変化するので、米と麦芽を布で濾した液体を煮詰め、灰汁をとりながら、さらに水分が蒸発し飴状になるまで煮詰めるというシンプルなもの。お米を原料として麦芽で糖化するという、自然の原理を利用したものです。

麦芽のもつ消化酵素(アミラーゼ)によって、米のデンプンが分解されて糖化され甘くなるのです。わたしたちがお米を食べると口の中の唾液でお米の澱粉が分解されて甘くなるのと同じ原理を利用します。これが昔ながらの「麦芽糖化法」という製法です。また麦芽はタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)ももっており、旨味のもとにもなるのです。

ただ、米飴づくりはシンプルなだけに、温度管理や煮詰め加減など職人さんの経験が必要です。5時間以上煮詰める米飴もあるほど。丁寧に何度もアク取りをして、雑味をなくし艶のあるように仕上げるなど、手間暇、時間をかけるからこそおいしい米飴ができるのです。

安い大量生産の米飴は、②酸糖化法という、でんぷんを強酸で高温高圧処理をして糖化させ、酸を中和する方法のものや、③酵素糖化法という純粋な酵素(麦芽ではなく、小麦や大豆や微生物などから抽出)を使用し、作業性、安定性に優れた合理化された米飴もあります。純粋な酵素を利用するため、風味や旨味、香りなど深みがない米飴です。

お米と麦芽というシンプルな材料を、丁寧に時間をかけて作られた米飴は、口にひとくち含むと、お米の優しい甘さが広がり、何とも言えない幸せな気持ちにさせてくれます。ぜひ、本当のおいしさをお子様に味わっていただきたいですね。

教室では、砂糖を使わず、野菜そのものの味、甘味を活かす調理法で、身体と味覚を整えていきます。お砂糖なしのお料理は、お子さんの心と身体、味覚形成にもおすすめです。
まずは、毎日のごはんから、砂糖を控えて、食材の味を活かしてみませんか?


~毎日のごはんで身体を調える~ 自然食療法家・国際薬膳師・マクロビオティック講師KYOKO

毎日のごはんが、明日の自分をつくる。薬膳マクロビオティック教室では「料理+考える力」を大切にしています。多角的視点で、体調・体質・季節にあわせた食材の選び方や調理法を学びます。生徒さんの様々な体調の質問を皆で読み解き、身体の声が聞こえるようになることが目標です。

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